YS Journal アメリカからの雑感

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グリーンエネルギーの経済性

2010-05-24 05:56:07 | 経済の話題
環境問題にうるさいヨーロッパ(ユーロ圏)は、風力発電、太陽光発電の先進国(?)と考えられて来たが、ギリシャ混乱に伴う財政の見直しとユーロ安で、風向き、雲行きが怪しくなって来ている。

先ず、グリーンエネルギー開発への補助金が大きく削られて来ている。現状では、補助金無しでビジネスとして成立しないコスト構造であるので、立ち行かなく可能性がある。

ユーロ安は、非ユーロ圏からの投資の目減りを意味しており、既に投資された分については為替差損が発生している。ユーロ安で買い時とも言えるのだが、元々補助金無しで成立しないビジネスである以上、グリーンエネルギーの開発や普及が従来通り進むかに大きな疑問が出て来ている。

明るいニュースとしては、ユーロ圏からの輸出の拡大が見込めるのだが、輸出先(アメリカ、日本(?))でも今後補助金が削減される可能性があるので、ビジネスとしての将来性について、結局、同じ問題がつきまとう。

ヨーロッパと一絡げには出来ないのであるが、政府主導のビジネスの手腕は上手なものである。エアバスを世界で有数の航空機製造会社に実績もある。但し、政府に金が無くなった今、戦略的に政府が絡める大きなビジネスになる産業を見つけ出し,融資や補助金で育て上げる手法は、今後使えなくなるであろう。

ヨーロッパの国々は、アメリカを利用する事で巧みに儲けて来ていたが、アメリカにいろんな分野で席巻される事は、プライドが許さない印象がある。環境問題もヨーロッパでの始まりはやはく、10年以上も前に、飛行機部品を包装するのに藁をクッションに使うと言う狂ったとしか思えない様な事までやっていた。その流れでグリーンエネルギーも進んだのであろうが、経済性が伴う前に(採算が会う日が来ると言う大前提が正解としてだが)、瓦解しそうである。

政府が財政難になって、化石燃料のグリーンエネルギーへの転換がストップするというのは、天地が逆になったとしか思えない。20世紀は間違いなく「石油の世紀」であったが、21世紀も「石油の世紀 2.0」もしくは「化石燃料の世紀」であり続ける可能性は依然強い。

電力需要で考えても、核廃棄物処理に問題の有る原子力発電より、40年前から埋蔵量が30年と減らない石油や、数百年の埋蔵量のある石炭を燃やすの経済効率が良い。

ヨーロッパ政府のお金が枯渇した事で、グリーンエネルギーの本当の経済性(非経済性)があばかれる事は、悪くないと思う。


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