アメリカ人はスペードのエースを選んだと思っているに違いない。恐らく夢と希望を彼に託したのだろう。そのように思っていることに対して日本人は何も言うことはない。むしろ、日本も
同じようなことを数年前に経験をしている。日本人は3年半にわたる民主党政権を試してみた。勿論この政党がどのような政権運営をするのか、殆ど解らなかった。結果は大変なものになってしまった。
国内産業は疲弊し、輸出産業は壊滅状態になってしまった。超円高に見舞われ、1ドル75円まで上昇し、国内産業は二進も三進もいかなくなった。賃金は停滞し、景気はデフレとなり、
閑散とした社会になってしまった。日本をここまで貶めてしまった民主党政権は日本人に手痛い印象を与えた。
このような痛い経験をした日本は、野党政権が以下に素人なのか、ということがよく解ったのだ。今回アメリカがトランプ大統領を発足させることになったが、果たして吉とでるか凶とでるか、それは解らない。問題は取り巻き、すなわちブレーンになる人だ。どのような人材がブレーンに選抜されるかで、これからのアメリカの進む道が決まってしまう。
かつてケネディーが大統領に選ばれたときに、そのブレーンがとても素晴らしかった。ケネディーの評価が高かったのはブレーンのお陰も大いにある。あの格調高かった演説は今でも忘れないだろう。今回トランプ大統領にアメリカ人は大きな期待をかけている。果たして期待にどれだけ応えることだできるのか、答えはまだ出せない
。来年の大統領就任演説が楽しみだ。アメリカと対峙する中国、ロシアは手強い相手だ。狸か狐のような習近平、羊の皮を被ったプーチン、両首脳と戦うには相当の覚悟が必要になる。豊富な経営者としての経験がどれだけ役に立つか、である。手強い相手に対するやり方は、経営とどれだけ異なるか、である。
国際政治の矢面に立つことになったトランプ次期大統領はどのような手腕を発揮するか見物だ。金銭だけでは進めない政治の世界、そこに立ちはだかる様々な困難を乗り越えて行けるかどうか。アメリカ人がスペードのエースとして選んだのが実はジョーカーだったら、その期の落しようは並大抵ではない。ショックが大きくて立直ぐに立ち直れないかもしれない。まあ、未だ時間はある。
日本の安倍政権はトランプ政権に対してどのように立ち向かっていくのだろうか。今までの演説を聞いていて、日本に対しては強い態度で当たってくるはずだ。日本が今までとは違った考え方で立ち向かわないと置いてけぼりになってしまうかもしれない。次の大統領がどのような外交政策を打ち出すのか、まだはっきりとしていない。日本が矢面に立つことになることは確かだ。