カクレマショウ

やっぴBLOG

「ブラッド・ダイヤモンド」その1─ダイヤモンド小史

2007-04-14 | └歴史映画
2000年秋、東京・上野の国立科学博物館で「ダイヤモンド展」が開催されました。そのころ東京で勤務していた私は、毎日「科博」の裏側の通りを自転車で通っていたのですが、ちょっとミーハー的な感覚で「ダイヤモンド展」にも立ち寄ったものでした。 科博の企画展ですから、もちろん「ダイヤモンド」という鉱物への科学的なアプローチの展示もあったのですが、ほとんどの来館者は、総計5000カラットにも及ぶ世界有数のダ . . . 本文を読む

「理工系離れ」とものづくり

2007-04-13 | └キャリア教育
上手下手は別として、何かを作ったり組み立てたりするのが、子どもの頃からとても好きでした。プラモデルはもちろん、本を見ながらおもちゃや船を作ってみたり、学研から出ていた「マイキット」を買ってもらって電子回路で遊んだり。また、自分にはとても真似のできない職人たちの技をテレビや実際の現場で見たりすることは、今でも好きですね。 組み立てるのが好き、ということは、裏を返せば分解してみるのも好き、ということ . . . 本文を読む

『PLUTO』覚書その1─「安心しろ。私は、人間を撃てないようにできている」

2007-04-12 | └『PLUTO』覚書
このコミック、正しいタイトルは『鉄腕アトム「地上最大のロボット」より PLUTOプルートゥ』。プロローグでも書きましたが、手塚治虫の名作に敬意を表しつつも、作品自体は完全に浦沢作品となっています。両作品を比べながら、第1巻からたどっていきたいと思います。ゆっくりと。 物語の始まりは、「地上最大のロボット」と同じく、スイスの山中で「モンブラン」が殺されるシーンに設定されています。両作品に出てくる「 . . . 本文を読む

「麦の穂をゆらす風」─“民衆の”アイルランド独立闘争

2007-04-11 | └歴史映画
アイルランドを舞台とする映画といえば、独立運動の英雄の生涯を描いた「マイケル・コリンズ」を思い出します。それと全く同時期のアイルランドを舞台としながらも、より「民衆」側にアプローチしたのがこの映画です。 原題は"THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY"。邦題はそれをそのまま訳したものですが、これはアイルランドの「レベル・ソングrebel song」の一つです。レベル・ソン . . . 本文を読む

トンデモ投書…だと思う。

2007-04-10 | └キャリア教育
地元紙の投書欄にトンデモ投書を発見。「A男」さん(66歳)によるその投書はこんな書き出しで始まります。 「あっぱれである。○○高校の東北大学現役合格者が64人もいたということだ。県内の一つの進学校としては新記録であり、しかも例年は30~40人であったものがその2倍余りの合格者を出すという快挙である。」 いきなりの「あっぱれである」に始まって、「快挙」、「偉業」、「称賛に値する」と続くホメ言葉の . . . 本文を読む

できた!ターバン野口。

2007-04-09 | ■つくってみた
今、巷で話題の「ターバン野口」。 YOU TUBEに作り方(折り方)がアップしてあったので、さっそく挑戦! ちょっとわかりにくいところが1~2ヶ所ありましたが、何とかできました。折り方のちょっとしたズレでターバンの形が微妙に変わってくるようです。繰り返し何度も見たので、動画のBGM(アパッチの「粗忽長屋」という歌)が頭にしっかり刻み込まれました。 いつもはじっくり千円札の顔なんか見ませんが、 . . . 本文を読む

『レ・ミゼラブル』覚え書き(その30)

2007-04-08 | └『レ・ミゼラブル』
第三部 マリユス 第五編 傑出せる不幸(岩波文庫第2巻p.533~p.565) 亡き父を巡る祖父との確執が原因で家を出たマリユスは、カフェ・ミューザンにたむろする「政治青年」たちを知り合いますが、父の仕えたナポレオンを絶対視したい彼にとって、青年たちが「共和派」であることはいかんともしがたい事実でした。 第五編では、マリユスのその後の3年間の苦労が足早に語られます。 「一 窮迫のマリユス」→ . . . 本文を読む

浦沢直樹×手塚治虫『PLUTOプルートゥ』覚書─プロローグ

2007-04-07 | └『PLUTO』覚書
手塚治虫の『鉄腕アトム』に「地上最大のロボット」という長編があります。手塚氏自身が、「アトムの中でもいちばん人気のあった物語だった」と語っているように、世界各地で活躍する最強ロボットに「プルートゥ」と名付けられたロボットが次々に挑戦していくという、一見、子ども心をワクワクさせるようなシンプルでわかりやすいストーリーでした。でも、よく読むと、ロボットを操っているのは結局「悪い」人間だったり、ロボット . . . 本文を読む

『プチ哲学』─日常の中で「考えてみる」こと

2007-04-05 | ■本
佐藤雅彦さんってのは、ホントに日常を「考えながら」生きている人なんだなと思います。 『プチ哲学』(中公文庫)というのがあります。お得意の絵(漫画)と文章でつづる日常の一コマから糸をたぐり寄せるように「哲学」にアプローチしていく。「モノ」が意識を持っていろんな行動をするのが最高に楽しい。 たとえば、テレビ売り場のリモコンが、1台だけスイッチの入っていないテレビを「あいつだけさぼって寝ている」なん . . . 本文を読む

ある都立高校の「不都合な真実」

2007-04-03 | └キャリア教育
殿前康雄『都立高校は死なず―八王子東高校躍進の秘密』 (祥伝社)を読んでみました。 昨年10月に世間を騒がせた世界史未履修問題。文部科学省が調査した時点で、東京都で唯一、未履修があった(ただし世界史でなくて倫理)のが都立八王子東高校。先日の報道によれば、校長はじめ管理職が処分を受けたようです(平成19年3月8日付け)。1996年から2005年まで、倫理を履修させず、都教委には虚偽の書類を提出して . . . 本文を読む

「ダーウィンの悪夢」─ドキュメンタリーが示す「現実」とは

2007-04-02 | ■映画
どうしても見ておかなきゃならないと思った映画、「ダーウィンの悪夢」。青森でも、数ヶ月遅れではありますが、シネマディクトが上映してくれました。 タンザニア、ウガンダ、ケニアの3ヶ国にまたがる、世界第2位の広さを持つヴィクトリア湖が舞台です。50年前に誰かが放流した「バケツ1杯」のナイルパーチという魚が瞬く間に繁殖し、「ダーウィンの箱庭」とまで言われる豊かな生態系を誇った湖の環境に重大な変化をもたら . . . 本文を読む