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カクレマショウ

やっぴBLOG

ガンジーとIT

2005-03-28 | ■世界史
「関心空間」というサイトは、それぞれが関心を持つニュースや話題を紹介してするサイトですが、「ポキィプシィさんの空間」でとってもいいものを見つけました。

イタリアテレコムという会社のCMです。ガンジーが登場します。ガンジーが生きていた時代に、もし通信技術が現代と同じくらい発達していたら…というテーマで、「もしも」の世界がモノクロ映像で静かに語られます。

杖をついたガンジーがとある小屋に入ってくる。チャルカ(糸つむぎ器)の前に腰を下ろすガンジー。その視線の先には最新型のウェブカメラ。ガンジーは世界に向けて語り始めます。「私はメッセージを届けたい。愛のメッセージを…」 そしてそれを世界中の人が様々なメディアを通して目にし、耳にします。

ニューヨークのタイムズスクウェアでは巨大なスクリーンに映し出されるガンジーを何万という群衆がじっと見上げています。恋人を腕に抱いた、これから戦争に行くのかもしれない兵士も。ローマのコロッセウム。ベンチに腰掛けたカップルがモバイルフォンの小さな画面の中にいるガンジーを見つめます。ロンドン。テムズ川沿いのオフィスでは、イギリス人紳士が秘書たちとともにデスクトップの画面に見入っています。台湾の市場では、スーツを着た紳士が青天白日旗が掲げられた壁に寄りかかって、ヘッドセットに聴き入っています。アフリカの大平原。疾走する機関車を背景に、槍を抱えた二人の男が、藁の上に置かれたノートパソコンをじっと見つめます。モスクワ。赤の広場に作られた巨大なスクリーン。スターリンみたいな男も女性たちも、魅せられるかのようにガンジーの言葉に耳を傾けています。

CMは、イタリア語の字幕が出て終わります。
“Se avesse potuto comunicare cosi”
“oggi che mondo sarebbe?”
訳そうと思いましたが、うまく訳せませんでした。「もしそれが伝えられたら」「こんにちではその世界がある」という感じでしょうか? ガンジーが語る「世界はひとつ」というメッセージを、我がイタリアテレコムの技術をもってすれば同時に世界中の人に伝えることができますよ、ということなのでしょうね。

このCM、あのスパイク・リーが監督したものと知って納得したのですが、「マルコムX」で彼が描いたブラックモスレムの演説と、このCMでガンジーが語りかけるメッセージの違いを比べてみるとおもしろいかもしれません。

さてさて、「もしも」の世界はこうも取れます。もし通信技術の発達した現代に、ガンジーが生きていたなら…。確実に、きっと確実に世界は変わっていたに違いない…。CMの最後にスクリーンの中で深々とこうべを垂れるガンジーの姿をみて、つくづくそう思いました。

ガンジーは、1948年1月30日、狂信的なヒンズー教徒ゴードセーによって暗殺されました。彼が生涯をかけて説いた非暴力不服従のメッセージが現代にも生きている、とは残念ながらとても言えないのが悲しいことです。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Think Different (minamo)
2005-03-29 11:49:52
ガンジーとITと言えば、以前、ガンジーはAppleComputerの広告にも「Think Different」のコピーと一緒に登場していましたね。
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Re:Think Different (yappi)
2005-03-30 12:55:14
そうでしたね。「Think different.」キャンペーンには、確かジョン・レノンやピカソも登場してたような…。
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