カクレマショウ

やっぴBLOG

チョコレート・ヒストリー

2012-02-14 | ■世界史

日本のチョコレートの消費量のうち、1213%がバレンタインデーの時期に集中しているんだそうで!いやはやなんとも…ですね。

 

前に、チョコレートの原料であるカカオの生産をめぐる「チョコレボ」のことを書いたことがありましたが、今日はチョコレートそのものの歴史をたどってみましょう。

 

チョコレート発祥の地は中米です。チョコレートの原料のカカオは、紀元前2000年頃から栽培されていたといいます。カカオは、正式には「テオブロマ・カカオ」といい、「テオブロマ」とは「神様の食べ物」という意味。古代メキシコのアステカ王国に伝わる神話に出てきます。つまり、カカオは、神に仕える神官や貴族だけが口にできる神聖な食べ物だったのです。いや、食べ物というより、「薬」だったようです。しかも、不老長寿の薬。アステカ皇帝モンテスマは、これを黄金のカップで150杯も飲んでいたのだとか。それでも死んじゃったんですけどね!

 

当時は、カカオの実を焼いて、すりつぶして、唐辛子とかとうもろこしの粉を混ぜて飲んでいたようです。その飲み物、相当苦かったらしく、メキシコのインディオたちは「苦い水」という意味の”chocolatre” ショコラトールと呼んでいました。これが”chocolate”の語源と言われていますが、それにしても、「苦い水」がチョコレートの語源だなんて、面白いワン!

 

カカオは、貨幣としても使われていたようで、カカオ1個で奴隷100人分と交換できたというほど。ショコラトールは貴重な嗜好品だったのですね。

 

さて、チョコレートというか、カカオが中米からヨーロッパに伝わったのは、もちろん「大航海時代」。コロンブスがスペインに持ち帰ったのが最初と言われています。スペイン人は、カカオの苦味を消すためにミルクや砂糖を加えて飲むようになり、やがて同じく中米から入ってきたバニラを入れるようになります。

 

17世紀、フランス・ブルボン朝の太陽王ルイ14世が、妃として迎えたのがスペインのマリア・テレサ。彼女がチョコ大好き♥だったことから、フランスにもいよいよチョコレート進出! ショコラティエ(チョコレート専門の料理人)の歴史もここからスタート。でも、この頃もまだ、チョコレートって、「飲み物」だったのです。

 

チョコが今のように固形になるのは、ようやく19世紀になってからです。1828年、オランダのバンホーテンが、カカオマスから油脂分のカカオ(ココア)バターを分離し、粉末(ココアパウダー)にする技術を開発。これでチョコレートは一変して口当たりがいい飲み物に進化します。その後、イギリスで、ココアパウダーに砂糖とココアバターを混ぜて成型することで、初めて固形チョコレートが誕生。さらにスイスでミルクチョコレートも作られるようになります。

 

面白いのは、ミルクチョコを発明したのは、ダニエル・ペーターというろうそく職人なのですが、その隣に住んでいたのが今や日本でも人気が高い「キットカット」で有名なネスレの創業者、アンリ・ネスレだったという話。ネスレはもともとベビーフードをつくる会社の経営者だったそうで、チョコレートに混ぜる牛乳の水分を抜く技術をダニエルと一緒に研究していたのだそうです。出会いって面白い。

 

日本では、チョコレート自体は、江戸時代からオランダ商人によって持ち込まれていましたが、その色合いといい味といい、なかなか日本人の口には合わなかったようです。明治になってある菓子職人が「猪口令」として売り出し、しだいに庶民もお菓子としてチョコを認識していく。1918年には森永製菓が初めてチョコレートの一貫生産を始めています。

 

もともと薬として珍重されていたというくらいですから、カカオにはポリフェノールをはじめ、カリウムやカルシウムなど様々な栄養素が豊富に含まれています。だから、体にいい健康食品だと言われる一方で、脂質が多いという難点も。チョコを食べると太る、というのは、糖質のせいもあるけど、もともとカカオに含まれている脂質によるところが大きいのかもしれません。

 

ところで、今日の朝日新聞に、チョコを犬が食べると大変、という記事が載っていました。なんでも、チョコに含まれるテオブロミンという物質が血圧の上昇や昏睡などを起こす可能性があるんだって…! 犬にチョコは禁物。知らなかった…。

 


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3 コメント

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Unknown (おこあん)
2012-02-17 05:37:13
チョコレート中毒なもので、バレンタインに関係なく毎日チョコ食べてます。ガーナのスイートビターが一番好きかなぁ。
年間チョコレート消費量はルーマニアが世界一とテレビでやってました。ルーマニアのスーパーにずらりと並ぶチョコレート。思わず心躍りました。ルーマニア旅行したいものです。
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食べすぎ注意! (やっぴ)
2012-02-18 00:21:15
毎日食べるんですか!?

チョコレートって、バリエーションが豊富だから飽きないんでしょうね。
チョコを食べるためだけにルーマニアに行くのもいいかも(^v^)
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バレンタインデーを創った男 (鈴木輝一)
2012-02-18 12:04:20
こちらスーさんです。
①10年前、バレンタインデーを創った男の講演会聞きました。モロゾフの元社員時代に第1回目を企画実施。ほとんど売れなかったとのこと。その後、メリーチョコの社長業を長くやっていた。
②講演を聴き、社長なのに講演会年間150回実施しているとの話に黄色信号点灯。その後、デリバテブに失敗、大手菓子メーカーに救済合併された。
③ラスクに白チョコをつけたガトー原田の講演会を去年3月聞きました。10年間で売り上げ90倍の急成長企業です。人材育成が追いついていない気がした。専務がメリーチョコ社長の奥様と同じ名前だったので十分足下を固めるよう、メリーの失敗に学ぶようお話しました。メリーと違い息子さんが頑張っているとのこと。創業家の後継者がいるのは強いです。
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