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カクレマショウ

やっぴBLOG

「縞模様のパジャマの少年」─「後味の悪さ」から目を背けてはいけない。。

2011-01-14 | ■映画
“THE BOY IN THE STRIPED PYJAMAS”
2008年/英・米/95分

【監督・脚本】 マーク・ハーマン
【原作】 ジョン・ボイン 『縞模様のパジャマの少年』(岩波書店刊)
【出演】 エイサ・バターフィールド/ブルーノ  ジャック・スキャンロン/シュムエル  デヴィッド・シューリス/父  ヴェラ・ファーミガ/母  ルパート・フレンド/コトラー中尉  デヴィッド・ヘイマン/パヴェル
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ブルーノ、8歳。毎日友だちと戦争ごっこをして遊ぶのが楽しくて、冒険が大好きな少年。ナチスの将校の父が昇進し、一家はベルリンを離れて森の中の一軒家に引っ越すことになる。ブルーノは周りに友だちがいないことが不満だが、家の窓から遠くに見える「農場」に子どもたちがいることを発見し、一緒に遊びたくってしょうがない。でも、不思議なことに、彼らはなぜかみんな「パジャマ」を着ている…。

歴史と冒険。知的欲求と好奇心。それらは決して矛盾することはないのですが、この映画ではあえて対極に置いています。ブルーノにとっては、歴史より冒険が大事。机の上で学ぶより、実際に未知の世界を体験してみることが好き。「大人」と「子ども」と置き換えてもいい。

ブルーノ、8歳。彼の目から見た事実、彼の旺盛な好奇心が招いた悲劇から私たち大人は、決して目をそらしてはいけないのだと思う。

この映画は、歴史的事実であるかどうかは別として、世界史の授業で見せたいと思う。なぜなら、「救いがない」からです。「愛を読むひと」でも、「収容所は何も生まない」というハンナのセリフがありましたが、およそ説明のつかない理由で現実に存在した「ユダヤ人強制収容所」、それを必死で守ろうとする大人の論理は、子どもに対してもおそらくは説明不能でしょう。ブルーノの父が、彼にきちんと説明できなかったように。

結末に「後味が悪い」というレビューを見かけますが、だとすれば、歴史の現実を正視できないことにもつながるのではないか。実際の歴史にはもっと「後味の悪い」ことがたくさんあるし、映画でそういうことを描くのは決して否定されるべきことではないと思います。

しかし、この少年2人の「8歳」という年齢は微妙なところです。シュムエルがこっちにおいでよ、と無邪気に言い、ブルーノは服が違ったらおかしいと言い、それなら僕と同じ服を持ってきてあげるよとシュムエルが言い…。

縞模様のパジャマを着て、しっかり手をつないでいる二人の姿を発見して、ブルーノの父は何を想像できるでしょう。二人の間に交わされた友情に、心を馳せることはできるのでしょうか。こんな収容所をつくった張本人である「総統」を恨むのでしょうか…?

冒頭に紹介される言葉が改めて悲しく響きます。

子供時代とは 分別という暗い世界を知る前に
音と匂いと自分の目で 事物を確かめる時代である
                  ─ ジョン・ベチェマン


まったくそのとおり。だからこそ、一人一人の子どもたちの思いを、大人の誰かが受け止めてあげるべきなのです。

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