カクレマショウ

やっぴBLOG

「ウチの子に限って」から「ウチの子だけですか?」へ

2015-06-24 | ■教育

「ウチの子に限って」という思いは、親としての当然の気持ちかもしれません。何か「悪さ」をして学校の先生から連絡があった時なんか、にわかには信じられずに咄嗟にそう反応してしまうのはわかります。

ところが、最近では、「ウチの子だけですか?」という反応が見られるのだそうです(小野田正利「モンスター・ペアレント論を超えて」、「内外教育」2015年4月17日号)。つまり、なぜウチの子だけが叱られなければならないの? 他の子もしたんじゃないの?という、勝手な拡大解釈をしてしまうのですね。根拠も何もなく、妄想だけでモノを言ってしまう親たち。例として、こんな出来事が紹介されています。

小学2年生の芋掘り体験でのこと。男の子たちがふざけて土くれを投げ始めた。そのうち、ある一人の男の子の投げた土くれに小石が混じっていたらしく、それが女の子の額に当たって血が滲んでしまった。担任の先生は、土くれを投げていた男の子たちを集めて事情を確認したところ、一人の子が自分の投げたものがその子に当たったと思うと言ったので、女の子に謝らせた上、男の子全員を叱った。その後、男の子の親に連絡を入れて事情を説明したところ、開口一番「ウチの子だけですか?」と言われた。土くれを投げていた子全員の親にも伝えなければおかしいというわけです。「運が悪かっただけですよね、ウチの子のほうが。他の子たちにも同じように指導したんでしょうね?」 担任は、できれば怪我をした女の子の親に謝罪の言葉を伝えていただけないかとは、ついに言い出せなかったのだとか。

親は、基本的に自分の子どもにだけ責任を負えばいいのであって、このケースでも、自分の子どもが投げた土くれが女の子に怪我をさせた、という事実に沿ってのみ対応すべきなのではと思います。「運が悪かった」とか「他の子も土くれを投げていた」なんてことは、この際、関係ないことです。ましてや「他の子にも指導しろ」なんて言語道断。もしどうしても言っておきたいというなら、保護者会など他の親もいる前で発言すべきだと思う。そうすれば、「ウチの子だけ」かどうかもはっきりするかもしれない。

小野田氏は、ただ、先生は、親に対する伝え方にも注意しなければならないと書いています。「何をしたかという子どもの行為の経過や事実だけでなく、教師が向き合った子ども自身の気持ちと考えを、代弁的に伝える」ということです。そうですね。そういうふうに言われたら、親も納得して、「ウチの子だけですか?」なんて根拠のない被害者意識も出てこないのかもしれない。自分の子どもに責任を持つ親だからこそ、先生が自分の子どもにしっかり向き合ってくれたということが分かれば、余計な一言もなくなるのかもしれませんね。まあ、それにしても、「ウチの子だけですか?」っていう返しはちょっとどうかなと思いますが。


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