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カクレマショウ

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「山の楽校」で子どもたちが育つ。

2009-01-26 | └社会教育
八戸市南郷区の山あいにある「山の楽校」は、旧・増田小中学校の校舎を利用した観光体験施設として、2005年にオープンしました。地元の特産品の一つであるそばを使ったそば打ち学校、南部せんべい(テンポ焼き)学校、炭焼き体験、竹スキーづくりなど、年間60件以上のイベントを打ち出しています。国内外からの多くの観光客に、都会では体験できない山里の文化を提供しています。今年は、八戸市の観光コンベンション協会と連携して、地元の中学生を対象とした観光ボランティアガイド養成に取り組んでいると聞き、さっそく訪ねてみました。

中学生たちは、ガイドとしての基本を身につけるため、南郷のそばや南部せんべいなど、地元の食文化についてはもちろん、八戸地方の歴史や風土、「おもてなし」の心を学ぶためのコミュニケーション講座まで、1ヶ月以上にわたって様々な勉強を重ねてきたのだそうです。実際に自分たちがお客さんに教えることになる、南部せんべいの焼き方やそばの打ち方についても、学校の先生や地元の方を相手に実戦練習もしてきています。

今回は、一般の人向けのガイドの第一弾。まだ大人の人たちの手助けを必要とする場面もありましたが、南部せんべいやそばに関するうんちくはなかなかのもの。よく勉強してるなあと感心しました。言葉足らずでも、「伝えようとする気持ち」があればそれで十分なのです。

私もそば打ちに挑戦してみましたが、やっぱりそば打ちは奥が深いと思いました。材料のそばそのものの味を最大限引き出すために、すべての行程において、様々な「奥義」があるのだろうなと感じました。それでも、自分で打ったそばは、コシもそこそこあって、歯ごたえ十分。そばの香りがぷんぷん匂って、自分としては上出来!でした。

隣の教室では、懐かしい竹スキーづくりが行われていました。直径2cmくらいの竹を6本くらい横に並べて針金で結わえ、前の方から20cmくらいのところを炭火であぶりながらゆっくりと角度をつけて曲げていく。先端に縄を付けて、2本のスキーを結んでできあがり。親子連れが、できたばかりの竹スキーを持って、さっそく裏山に飛び出していきました。竹スキーを見たのはそれこそ何十年ぶりでしょうか。小学校の頃、近所の人に作ってもらって、りんご畑の斜面で滑って遊んでいました。スキーを結ぶ縄を手に持って操作するのですが、慣れれば「エッジ」がなくてもカーブしたりもできるのです。

山の楽校には、常にたくさんの地元の人が出入りしています。竹スキーもそば打ちも炭焼きもそうですが、開催している講座のほとんどの講師は地元の高齢者の皆さんです。長年にわたって培ってきた、自分にとっては当たり前の技術を伝えることで喜んでもらえる。それは、過疎の村にあって、高齢者にとって大きな生きがいとなっているのだと聞きました。

そんな話をしてくれた山の楽校の「校長」先生は、実は私の中学時代の恩師でありまして。先生は、以前、廃校前の増田小中学校に校長として勤務されていたことがあり、定年退職後、山の楽校のオープンとともに請われて「校長」に就任されたとのこと。山の楽校に向かう道端には、小さな手書きの看板がたくさん立っていますが、それを見て、あ、先生の字だ、とすぐにわかりました。中学時代、間違ったことに対してはとても厳しい先生でしたが、根は子どもたちのことを一番に考えてくれる先生でした。そういう先生だからこそ、地元の人たちの声をちゃんと拾い上げて、自分は黒子としてコーディネート役に徹していらっしゃいます。先生の第二の人生にふさわしい仕事だなと思いました。

先生の言葉で忘れられない言葉があって、それは「バガコな人間になれ」という言葉。バガコというのはもちろん「馬鹿」という意味ですが、人からどう思われようと、自分でやりたいことをとことんやれということですね。「山の楽校」のモットーの一つに、これも先生の言葉で、「人間になれ。ホントの人間になれ」というのがありますが、これもどこかでつながっています。

先日、ある職場で機関誌を担当している私の教え子に「山の楽校」と岩崎先生を紹介したところ、彼女も今回のイベントに参加を兼ねて、取材しにきてくれました。図らずも、恩師とその教え子とそのまた教え子が3人そろいぶみ。これもまた楽し。山の楽校は、人と人とを結びつける「楽しい学校」でもあるのでした。

「学校」はなくなっても、こういうところで育つ子どもたちは幸せです。そう考えると、もちろん「子どもたちの学校」が地域にあるに越したことはありませんが、「学校」でなくとも、こういう大人の「楽校」を舞台に子どもたちを育てることはちゃんとできるのですね。人間として本当に大切なことを学ぶことができるのは、こういう「楽校」なのかもしれない。

校長先生の夢は、「山の楽校」の財産として、山林や畑や田んぼを持ちたいということだそうです。地域のみんなで管理しながら、外からのお客さんにも手伝ってもらう。山と畑と田んぼさえあれば、たいていのことはできるとおっしゃる。なるほど…。

「山の楽校」は常に進化していくのです。


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