商工会議所がキャリア教育に取り組む例が全国で増えていますが、その中でも最先端を行くのが大阪商工会議所です。
県レベルでのキャリア教育の推進構想やプランを探している時、「大阪におけるキャリア教育推進プラン」という資料を見つけました。驚いたのは、プランの作成者に「大阪商工会議所」の文字があったことです。普通、こういうプランって、教育委員会が作るものですから。商工会議所が作るキャリア教育推進プランなんて聞いたことがありません。
実は、大阪商工会議所が呼びかけて、「大阪におけるキャリア教育推進委員会」というのが設置されていて、メンバーには、大阪府や大阪市の商工労働部局、企業関係者のほかに、教育委員会もちゃんと入っているのですが、この委員会が中心となって「プラン」を作成したということです。
中身は、「大阪方式」のキャリア教育の推進、つまり、タテの連携(小学校、中学校、高等学校の一貫したキャリア教育)とヨコの連携(学校を中心とし、家庭、地域社会、行政、産業界・企業、NPO・ボランティア等が連携して、社会全体で一体となったキャリア教育)を図ることとされています。また、そのためには、学校と学校、学校と社会をつなぐための支援拠点が必要であるとされ、これに基づいて、平成17年7月に「大阪キャリア教育支援ステーション」が開設されました。
先日、大阪商工会議所の一角に置かれている「ステーション」の事務局を訪問する機会がありました。プランにうたわれているような「学校と社会のつなぎ役」として、様々な方策に取り組んでいることがわかりました。それにしても、学校での起業教育の実践にしても、グリコとか松下電器とかコクヨとか、大手企業が関わっていることには驚かされます。名だたる企業家を輩出している大阪だからこそだよなと改めて思いました。商工会議所がキャリア教育の推進に熱心に取り組んでいること自体、そういう土壌に根ざしたものなのでしょう。
大阪商工会議所には、「大阪企業家ミュージアム」という博物館もあって、こちらも見学してきました。明治以降の105人の「企業家」たちを紹介する施設です。入館料300円、音声ガイドも無料で貸してもらえる良心さです。
館内にはいるとまず紹介されるのが、秀吉や江戸時代の、大阪の企業家精神のルーツをたどる映像。主展示エリアでは、「近代産業都市大阪の誕生」(明治)、「大衆社会の形成」(大正~昭和初期)、「豊かな時代の形成」(戦後)という3つのブロックごとに、大阪を舞台に活躍した企業家たち105人が順に紹介されています。音声ガイドを聞きながら見ていくと、全部見終わるまで1時間以上はかかります。
第1ブロックでは、国内産業や海外との貿易の発展を背景として、紡績業や金融業などの分野を切り拓いてきた先駆者たちの紹介。住友グループの広瀬宰平、カネボウの武藤山治、ユニチカの菊池恭三、オンワード樫山の樫山純三、デサントの石本他家男、伊藤忠商事の伊藤忠兵衛[初代・2代]、野村證券の野村徳七などなど。
第2ブロックでは、消費社会の幕開けをいろどる企業家たちが登場してきます。彼らが創業した会社は、今や超有名企業に成長しています。竹中工務店、武田薬品工業、田辺製薬、 KINCHO、森下仁丹、阪急東宝グループ、近畿日本鉄道、ミズノ、コクヨ、象印マホービン、ミノルタ、サントリー、江崎グリコ、ハウス食品、アサヒビール、吉本興業、松竹、高島屋、朝日新聞社、毎日新聞社…。
戦後の第3ブロックになると、松下電器の松下幸之助、シャープの早川徳次、三洋電機の井植歳男といった電器メーカーの創業者たち、カップラーメンの生みの親・安藤百福(日清食品)、サントリーの佐治敬三、日本ハムの大社義規、といった個性的な企業家が目白押し。北海道に行って優勝したファイターズの親会社ももともとは大阪にあったんですね。
これら105人の企業家は、必ずしも全員大阪出身というわけではありませんが、少なくとも大阪というまちで成功した人たちです。そして、彼等の多くは、巧まざる創造性と失敗を恐れないチャレンジ精神を備えているように思います。まさに起業家精神。アントレプレナーシップ。大阪というまちが育むのか、そういう人間が多いから大阪なのか。
いずれにしても、先輩にこれだけ多士済々そろっているのですから、大阪人に起業マインドやアントレプレナーシップが育つのは当然と言えば当然です。そもそも土壌が途轍もなく肥沃なわけですね。
翻って、土壌の貧弱な我が青森県では、じゃどうすれば起業家が育っていくのでしょうか…。
県レベルでのキャリア教育の推進構想やプランを探している時、「大阪におけるキャリア教育推進プラン」という資料を見つけました。驚いたのは、プランの作成者に「大阪商工会議所」の文字があったことです。普通、こういうプランって、教育委員会が作るものですから。商工会議所が作るキャリア教育推進プランなんて聞いたことがありません。
実は、大阪商工会議所が呼びかけて、「大阪におけるキャリア教育推進委員会」というのが設置されていて、メンバーには、大阪府や大阪市の商工労働部局、企業関係者のほかに、教育委員会もちゃんと入っているのですが、この委員会が中心となって「プラン」を作成したということです。
中身は、「大阪方式」のキャリア教育の推進、つまり、タテの連携(小学校、中学校、高等学校の一貫したキャリア教育)とヨコの連携(学校を中心とし、家庭、地域社会、行政、産業界・企業、NPO・ボランティア等が連携して、社会全体で一体となったキャリア教育)を図ることとされています。また、そのためには、学校と学校、学校と社会をつなぐための支援拠点が必要であるとされ、これに基づいて、平成17年7月に「大阪キャリア教育支援ステーション」が開設されました。
先日、大阪商工会議所の一角に置かれている「ステーション」の事務局を訪問する機会がありました。プランにうたわれているような「学校と社会のつなぎ役」として、様々な方策に取り組んでいることがわかりました。それにしても、学校での起業教育の実践にしても、グリコとか松下電器とかコクヨとか、大手企業が関わっていることには驚かされます。名だたる企業家を輩出している大阪だからこそだよなと改めて思いました。商工会議所がキャリア教育の推進に熱心に取り組んでいること自体、そういう土壌に根ざしたものなのでしょう。
大阪商工会議所には、「大阪企業家ミュージアム」という博物館もあって、こちらも見学してきました。明治以降の105人の「企業家」たちを紹介する施設です。入館料300円、音声ガイドも無料で貸してもらえる良心さです。
館内にはいるとまず紹介されるのが、秀吉や江戸時代の、大阪の企業家精神のルーツをたどる映像。主展示エリアでは、「近代産業都市大阪の誕生」(明治)、「大衆社会の形成」(大正~昭和初期)、「豊かな時代の形成」(戦後)という3つのブロックごとに、大阪を舞台に活躍した企業家たち105人が順に紹介されています。音声ガイドを聞きながら見ていくと、全部見終わるまで1時間以上はかかります。
第1ブロックでは、国内産業や海外との貿易の発展を背景として、紡績業や金融業などの分野を切り拓いてきた先駆者たちの紹介。住友グループの広瀬宰平、カネボウの武藤山治、ユニチカの菊池恭三、オンワード樫山の樫山純三、デサントの石本他家男、伊藤忠商事の伊藤忠兵衛[初代・2代]、野村證券の野村徳七などなど。
第2ブロックでは、消費社会の幕開けをいろどる企業家たちが登場してきます。彼らが創業した会社は、今や超有名企業に成長しています。竹中工務店、武田薬品工業、田辺製薬、 KINCHO、森下仁丹、阪急東宝グループ、近畿日本鉄道、ミズノ、コクヨ、象印マホービン、ミノルタ、サントリー、江崎グリコ、ハウス食品、アサヒビール、吉本興業、松竹、高島屋、朝日新聞社、毎日新聞社…。
戦後の第3ブロックになると、松下電器の松下幸之助、シャープの早川徳次、三洋電機の井植歳男といった電器メーカーの創業者たち、カップラーメンの生みの親・安藤百福(日清食品)、サントリーの佐治敬三、日本ハムの大社義規、といった個性的な企業家が目白押し。北海道に行って優勝したファイターズの親会社ももともとは大阪にあったんですね。
これら105人の企業家は、必ずしも全員大阪出身というわけではありませんが、少なくとも大阪というまちで成功した人たちです。そして、彼等の多くは、巧まざる創造性と失敗を恐れないチャレンジ精神を備えているように思います。まさに起業家精神。アントレプレナーシップ。大阪というまちが育むのか、そういう人間が多いから大阪なのか。
いずれにしても、先輩にこれだけ多士済々そろっているのですから、大阪人に起業マインドやアントレプレナーシップが育つのは当然と言えば当然です。そもそも土壌が途轍もなく肥沃なわけですね。
翻って、土壌の貧弱な我が青森県では、じゃどうすれば起業家が育っていくのでしょうか…。
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