教員の「多忙化解消」を目指す検討委員会にオブザーバーとして出席しました。昨年、県で教員の勤務実態調査と意識調査を実施、その結果を踏まえての「多忙化解消」に向けた方策について検討するための会議です。
調査結果を見ると、教員の超過勤務(法では認められていない、いわゆる「サービス残業」)は膨大だし、挙句に「持ち帰り仕事」も多い。土日も部活の指導でつぶれてしまう。会議や打合せは長いし、提出しなければならない書類も次から次へとやってくる。テストごとの成績処理にも時間がかかる。そのせいで、授業の準備や子どもたちの学習指導といった、教員として最も大事な業務に十分な時間が取れないという状態。会議の短縮化や書類作成の効率化といった方策も確かに必要でしょうが、それでは根本的な解決にはならないでしょうね。部活動の指導を地域の人材に求めるというのもそう簡単にはいかない。教員の数を増やすのが一番効果的なのでしょうが、実はそれが一番むずかしい。ではいったい、どうしたらいいのか。
この会議は「多忙化」の解消を目指しているわけですが、ほんとのところは、先生方の「多忙感」の解消を目指すべきではないのかと思う。学校の先生って、基本的に子どもと触れ合うのが好きだから先生になっているわけで、学習指導でも生活指導でも、どんな形にしろ「子どもと向き合う時間」が取れないのはほんとにストレスなんですよね。どんなに忙しくても、子どもと一緒にいる時間が長くて忙しいというなら、「多忙感」は感じないでしょう。それは仕事としてのやりがい、ということですよね。もちろん、子どもたちと直接接する時間だけでなく、「間接的」に子どもと接する時間(授業の準備とかプリントの丸付けとか)も含めての話です。
忙しいのは何も教員だけではありません。民間企業でも公務員でも、忙しい人はいっぱいいます。教員の忙しさというのは、「子どもと向き合う時間がない」という「特殊な」忙しさであり、「子どもと向き合う時間」をきちんと確保するための方策を生み出すための検討会であってほしいと願います。
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