カクレマショウ

やっぴBLOG

偉くなくとものんびりと…?

2007-04-27 | └キャリア教育
財団法人日本青少年研究所の調査(「高校生の意欲に関する調査─日本・アメリカ・中国・韓国の比較─」)によれば、「偉くなりたいか」との問いに「強くそう思う」と答えた日本の高校生は、8%。他の3ヶ国(中国34.4%、韓国22.9%、米国22.3%)に比べると、その少なさは極端です。

「偉くなりたい」というのも抽象的な表現ですが、「偉くなる」というイメージも、日本の高校生は他国とちょっと違う。他国の高校生は、偉くなると「能力を発揮できる」とか「尊敬される」という肯定的なイメージを持つ人が多いのに対して、日本の高校生は「責任が重くなる」が79%で最多。「偉くなってもいいことなんかない」というわけですね。

データは手元にありませんので憶測でしかありませんが、たぶん、30年ほど前の高校生に同じ質問をしたら、「偉くなりたい」と考える人はこんなに少なくはなかったのではと思います。右肩上がりの経済成長と「大きいことはいいことだ~」という時代風潮の中で、「偉くなる」というのはイコール「経済的な成功者」だったわけですから。そうなりたいと考えるのはむしろ当然だったのかもしれません。

また、「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたいか」という質問に対しては、「とてもそう思う」と答えた人が、米国14%、中国18%、韓国22%に対して、日本は43%と、これも他国との差が目につきます。

偉くなりたくもなく、のんびり暮らしていきたいという今時の若者気質を、なんと覇気がない、日本の将来のために何とか手を打たなければととらえるか。逆に、それならそれでいいんじゃないのと現状肯定派もいることでしょう。今更、闇雲にがんばれと尻を叩くような時代でもないし…。

私にとってはむしろ、「自分の会社や店を作りたいか」に対して、「とてもそう思う」が日本は14%と、米国28%、中国37%、韓国32%と比べて明らかに低いことが気になります。いわゆる「起業・創業」を志す若者が少ないというのはどうなのかな~と思ってしまいます。偉くならなくても、「のんびり」も「平穏な生涯」でもいいけれど、もう少し、「チャレンジ精神」とか「アントレプレナーシップ」(起業家精神)に燃える人がいてもいいのでは?と思うのですが。

チャレンジ精神とかアントレプレナーシップと言われると、人に頼らず、自分の力だけで挑戦する、というイメージがありますが、「自分の力」はさておき、「人に頼らず」、というのは現実には無理な話です。自分一人で築いてきたように見える、あるいはそんなふうに自分で言っている人も、必ず、要所要所では他人の助けを得ているはずなのです。

ヨコのつながりを大切にしながら、社会の中で自分を行かしていく。そのことを最もよく表現できるのが「起業・創業」だと思います。そんな若者が、せめて10人に3人くらいいてもいいのでは?と思っています。


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