
理科の先生でもないのに白衣を着ている先生って、昔も今もいますよねー。チョークの粉でスーツが汚れてしまうのを防ぐための白衣着用なんでしょうね。いいチョークは、手が汚れないようにちゃんとコーティングされているのですが、それでもチョークの粉は厄介ではありました。なので、今や黒板が、ホワイトボードや電子黒板にゆるゆると乗っ取られつつあるのも分かります。でも、学校ではまだまだ、黒板&チョークは、圧倒的に主流です。コスト面もそうですが、何より、黒板とチョークの醸し出す「味わい」は何物にも代えがたい。
80年以上にわたってチョークを供給し続けてくれたチョークの老舗メーカー、羽衣文具がこの3月末をもって廃業したというニュースには驚きました。少子化でチョークの需要が激減している上、後継者もいないからとのことですが、〈Hagoromo〉ブランドのチョーク、もうちょっと生き残って欲しかったなあと、とても残念です。
私にとっては、今はほとんどチョークを手にする機会もなくなりましたが、羽衣チョークには、昔、ずいぶんお世話になりました。初めて教壇に立って、チョークを持った時のドキドキ感は今でも覚えています。自分が黒板に書いたことを生徒がそのままノートに書き写すわけですから、そりゃー緊張しますよねー。できるだけ読みやすく、字の大きさも考えて…。誤字書かないように…、漢字の書き順間違えないように…。てなこと言っても、実際には自慢できるような板書では決してなくて、自分の板書を教室の後ろから眺めてみて、あまりの汚さにアワワとおののいたことが何度も。なので、別の教科の先生でも、板書の上手な先生のテクニックを盗もうと、こっそり授業をのぞきに行ったりしてたなあ。世界史の授業では、途中からOHP(オーバーヘッドプロジェクター…これまた過去の遺物になりつつありますね…)を使い始めたので、授業でのチョークでの板書経験は何年かしかありませんが。
私の板書の量はハンパではなく、しかも、白、黄、赤の3色のチョークでは物足りなくて、青、黄緑、蛍光ピンク、蛍光オレンジなど数色のチョーク(もちろん羽衣チョーク=写真)を買い求めて、しっかり色分けしていたものでした。特に、地図なんかは色分けしたほうが分かりやすいもんでね。生徒の中には、チョークの色と同じカラーペンを用意して、板書と全く同じようにノートを取ってくれる子もいました。カラーペンたくさん用意しないといけないから大変とかぶーぶー言いながら。
そんなこんなの思い出の詰まった〈Hagoromo〉ブランドのチョーク。これから「お宝」になるのかもしれない。いつの日か、え、チョークって何?と言われる日まで、大事に取っておくことにしましょう!
ありがとう、羽衣チョーク。
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