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高校生が奥入瀬渓流ガイドボランティア体験

2008-10-19 | └キャリア教育
十和田湖から流れ出す奥入瀬渓流で、紅葉シーズンのピークを迎える10月18~19日の2日間、渋滞の緩和と環境保護を目的としたマイカー規制が行われました。その併催イベントとして「渓流ボランティアガイドウォーク」が行われ、そのガイドを青森県立十和田西高等学校の生徒が務めるという試みが行われました。

紅葉真っ盛りの八甲田の赤と黄色のトンネルを抜け、十和田湖に向かって車を走らせました。イベントのメイン会場である休屋のエコツーリズム会場に設けられた受付で、参加費(大人300円)とシャトルバス往復の代金1,000円を支払います。ここからウォークの出発地点の石ヶ戸(いしけど)までシャトルバスで向かうのです。パンフレットには、20分ごとに出発と書いてありますが、参加者は当日受付なので、4~5人が集まれば出発するという感じのようでした。



ガイドをしてくれる十和田西高校の生徒は、初日の昨日(10月18日)は普通科の2年生、2日目の今日は「観光科」の2年生35人が担当します。「観光科」とは全国でも珍しいのですが、十和田湖や奥入瀬渓流に最も近い高校ならではの学科ですね。校内には、実習用のホテルのフロントなどの設備まであるのだとか。修学旅行では、成田空港に行って、空港内の様々な仕事を体験するという取組も行っているそうです。なかなか面白そうですね。

さて、私が参加することになったグループは、東京から1泊2日で旅行に来たという赤ちゃん連れのご夫婦とそのご両親一行。ガイドをしてくれるのは、黄色いスタッフジャンバーを羽織った女子3人組です。それから、各グループには必ずつくという、地元の観光ボランティアのNPOの方が1人。シャトルバスを石ヶ戸で降り、ガイドが一人ずつ自己紹介したあと、雲井の滝まで2.6kmのウォークがいよいよスタートします。

さすがにシーズンとあって、韓国や香港、台湾からとおぼしき団体客も含め多くの観光客が遊歩道を行き交っていました。その人混みを縫うように、石ヶ戸の瀬、屏風岩、馬門岩、阿修羅の流れ、九十九島、平成の流れ、千筋の滝など、要所要所で高校生ガイドの説明が入ります。



はっきり言って、ガイドそのもののやり方はまだまだで、「棒読み」の人もいました。阿修羅の流れの場所を間違えて、「さっきの説明は間違いでした」と修正する場面もあったりして。総じて、伝えたいことはたくさんあるのに、うまく言葉にできないでいる、という感じがしました。でも、3人ともほうんとうに一生懸命でした。歩きながら話を聞いてみると、観光科で学んでいることの誇りといったものも言葉の端々から感じられました。東京から来た観光客の方にも、奥入瀬渓流の美しさ、すばらしさを何とか知って帰ってもらいたいと言ってました。何より、自分たちから積極的に「お客さん」に話しかけているところに感心しました。今時の高校生って、なかなかそういうことができな子が多いので。

感心といえば、数年前の地震で崩壊した岩が作った新たな「名所」、「平成の流れ」のところで、多くの人がロープを乗り越えてゴウゴウと水の流れる岩のそばまで近づいて写真を撮ったりしていたのですが、高校生たちは、当然のことのように、ハンドマイクを使って「ロープの中に入らないでください」と彼らに「注意」していました。大人よ、ちゃんとしろよな~とつくづく思いましたね。

こういう取組では、高校生ガイドに成長してもらうためには、参加者の大人次第というところもあります。今回の参加者は非常に「いいお客」だったと思います。高校生がガイドをしてくれることに十分理解を示してくれて、とても暖かい目で見守ってくれていました。あとで話を聞いてみたら、こういう取組はとてもいいと思うので、ぜひ継続して実施してほしいと話してくださいました。

2時間弱のボランティアガイドウォークが終わって、高校生に感想を聞いてみました。「勉強不足、準備不足だった」と口をそろえて話していました。事前学習で勉強したことをすっかり忘れていたり、あやふやなところがあったことを反省していました。ま、初めてだから仕方ないですね。午後からもう1グループを担当するとのことでしたが、たぶん、1回目よりはずっと上手にガイドができるはず。

今日ガイドをするために、彼らは1年生の頃から学習を積み重ねてきています。NPOのガイドさんに何度も学校に来てもらって授業をしてもらい、もちろん、実地での学習も、宿泊研修を含めて2~3回は行ってきている。そのプロセスが大切だし、本番で失敗したとしても、そういう体験を積み重ねること自体が貴重な学習経験と言えます。

秋晴れの下で、奥入瀬渓流の清涼な流れと、さわやかな高校生ガイドボランティアの活動を目の当たりにして、とてもいい1日になりました。



  

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