
特別支援教育は、一人一人に寄り添う“優しい教育”。だから、特別支援教育の考え方やシステムや実践は、障害のない子どもにも有効である。(筑波大学教授 柘植雅義氏、「内外教育」2015年1月30日号「特別支援教育の“範囲”」)。これを読んでハッとしました。
「教育する側」って、子どもがうまく学ぶことができなかったり行動できなかった時に、ついつい「子どものせい」にしてしまうことがあります。あんなに分かりやすく教えたのにどうして分からないの? あれだけ◯◯してはいけないと言ったのにどうして言うことを聞かないの?
特別支援教育では、こういうふうなことって確かにあり得ない。子どもの責任には決してしない、というか、できない教育。あくまで、問われるのは「教える側の責任」です。もちろん、このことは、特別支援教育だけに当てはまるわけではない。最近は、発達障害を抱える子が通常学級で学ぶのは珍しくなくなってきています。これからは、そのような子も含めて、「多様な子どもたちがいる」という前提で授業をつくっていく。つまり「授業のユニバーサルデザイン化」の取組が始まっていると柘植氏は書いています。
今の「特別支援教育」は、障害のある子どものためだけのものだったかつての「特殊教育」と異なります。「特別な支援が必要な子供に対する教育」は、障害のある子どもだけでなく、共に学ぶ全ての子どもに有効なもの。インクルーシブ教育への流れが加速度的に進む中、こういう意識の転換が求められていくのでしょうね。
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