プロの「仕事術」と、その生き方・働き方

今日の「プロフェッショナル　仕事の流儀」は、「使える"仕事術"スペシャル」。これまで登場した「プロフェッショナル」から私たちにも使えそうなワザを伝授してもらうというもの。

なかでも、「仕事をする環境が仕事の質を変える」というテーマに惹かれました。固定化しがちなオフィスの空間に自由なスペースを作る、照明を少し工夫するだけで仕事に向かうゆとりが生まれる、といったアドバイスは、なるほどなと思います。要するに、仕事の質を高めるための空間には、「選択肢を多くする」ことが大切だと言う。自分の机の上だけでは、煮詰まったとき、ちょっとした逃げ場というか発想の転換ができるような場にはなりませんからね。いろんなシチュエーションに合わせて、環境をちょっとだけ変えられるような職場は確かに理想的です。ただ、実際の自分の仕事空間を思い浮かべると、まームリだろうな…という結論がすぐ出てしまうのが悲しいところはあります。

あとは、本編でもとても印象的だった、建築家・隈研吾氏の仕事に対するスタンス。どうすればああいう常識を覆すような発想が生まれるのか、とても興味があります。それは、もって生まれた「センス」でしょうか？　いや、それだけでは建築の世界で生き残ることはできないでしょう。研ぎ澄まされた「発想力」とでも言うのでしょうか。それは研鑽と経験によってのみ培われるものだと思います。

今回は、世界を駆け回る多忙な隈氏の「打ち合わせ」の極意を明らかにしてくれました。スタッフに事前に刺激を与えること、そして、どんな議題も「1 すぐ決める、2 相手に任せる、　3 あとで考える」の3つに分類すること。そんな紋切り型で済むのかなとも思いますが、そうでもしなければ仕事をこなしていけないのでしょうね。それだけトップ（隈氏）に決断力があるとも言えます。それもまた研鑽と経験のたまものでしょう。

結局、「仕事力」と簡単に言いますが、どの人の「ワザ」もプロフェッショナルとしての生き方・働き方があるからこそ培われたものなのですね。並の大人はそれを簡単にはマネできやしない。でも、未来を担う子どもたちには、そういうプロのワザと、それを裏打ちする彼／彼女らの生き方・働き方を見てほしいと思うのです。