橋下・大阪府知事が、「文部科学省は本当にバカ。選挙で選ばれた文科相以外は全員、入れ替わった方がいい」と発言したのだとか。(産経新聞、2008年12月17日付け)
彼の怒りの原因は、もちろん、例の全国学力テストの市町村別データの開示をめぐる問題。開示に踏み切った大阪府に対して、文科省が来年4月に行われる次回テストでは、「都道府県教委が市町村別のデータを必要ないと判断すれば、それは提供しない」という苦肉の策を打ち出したことに対する発言です。
取材に対して、「大阪府教委が“データはいらない”と言うと思っているのか。本当にバカだ」、「こんなバカげた教育行政を変えないと、10年後、20年後に大変なことになる」と、バカ呼ばわりはとどまるところを知らなかったという。
この記事を読んで、つい先日、イラク訪問中のブッシュ大統領に、記者会見の席上、「犬野郎」と罵声を浴びせて、自分の靴を投げつけたイラク人記者を思い出しました。彼は、米軍の「占領」に強い憤りを感じていたと言います。イラクの国民感情を思えば、まあ、その気持ちも分からないでもありませんが、「犬野郎」はいただけないし、いきなり靴を投げつけるという行為も大人げない。しかも、彼は記者という身分です。批判するなら、靴ではなくペンで正々堂々と批判するべきでした。
橋下知事とイラク人記者。共通するのは、これでは「対話」は成立しない、ということです。バカ呼ばわりされたら誰だって気分を害するし、その相手とは二度と話なんかしたくないと思うでしょう。「犬野郎」だって同じですね。「目には目を」では、問題は何も解決しない。
それにしても、橋下知事の発言はストレートすぎて気になる。それが彼の個性であるにはしても、あまりにも「相手」のことを考えない発言が多いような気がします。東京都知事と並べてみると、日本を代表する地方自治体の長が、こんな感じでいいのかなとつくづく思います。
そもそも、冒頭の発言だって、「選挙で選ばれた文科相以外は」と言いますが、文科省の役人だって「試験」というルールによって公務員(官僚)になっているわけですから、「入れ替えろ」というのも理屈に合わない話です。「選挙」だけが世の中を動かしていると思ったら大間違いで、別の形で世の中を動かしている人たちだっているのです。政治家としての傲慢ぶりをさらけだしてしまいましたね。
全国学力テストにしても、政治家として論ずるなら、まずそういうテストが必要なのかどうかから主張してほしい。文部科学省が莫大な費用を投じてそういう「学力」テストを実施することは認めておきながら、その結果の扱い方について自分の考えとは違うから「バカ」だと見下すのは、なんだか筋が通らない気がします。そういうテストは下らないからやめろ、という意味の「バカ」なら、まだわかる。大阪の子どもたちを、国語算数の「学力」だけで判断されたら困るんや。それも大事やけど、もっと大切なことがぎょうさんあるねん。大阪の子どもたちの教育はな、大阪に任しとき。
…ぐらいの矜持を彼に期待するのは無理か。
彼の怒りの原因は、もちろん、例の全国学力テストの市町村別データの開示をめぐる問題。開示に踏み切った大阪府に対して、文科省が来年4月に行われる次回テストでは、「都道府県教委が市町村別のデータを必要ないと判断すれば、それは提供しない」という苦肉の策を打ち出したことに対する発言です。
取材に対して、「大阪府教委が“データはいらない”と言うと思っているのか。本当にバカだ」、「こんなバカげた教育行政を変えないと、10年後、20年後に大変なことになる」と、バカ呼ばわりはとどまるところを知らなかったという。
この記事を読んで、つい先日、イラク訪問中のブッシュ大統領に、記者会見の席上、「犬野郎」と罵声を浴びせて、自分の靴を投げつけたイラク人記者を思い出しました。彼は、米軍の「占領」に強い憤りを感じていたと言います。イラクの国民感情を思えば、まあ、その気持ちも分からないでもありませんが、「犬野郎」はいただけないし、いきなり靴を投げつけるという行為も大人げない。しかも、彼は記者という身分です。批判するなら、靴ではなくペンで正々堂々と批判するべきでした。
橋下知事とイラク人記者。共通するのは、これでは「対話」は成立しない、ということです。バカ呼ばわりされたら誰だって気分を害するし、その相手とは二度と話なんかしたくないと思うでしょう。「犬野郎」だって同じですね。「目には目を」では、問題は何も解決しない。
それにしても、橋下知事の発言はストレートすぎて気になる。それが彼の個性であるにはしても、あまりにも「相手」のことを考えない発言が多いような気がします。東京都知事と並べてみると、日本を代表する地方自治体の長が、こんな感じでいいのかなとつくづく思います。
そもそも、冒頭の発言だって、「選挙で選ばれた文科相以外は」と言いますが、文科省の役人だって「試験」というルールによって公務員(官僚)になっているわけですから、「入れ替えろ」というのも理屈に合わない話です。「選挙」だけが世の中を動かしていると思ったら大間違いで、別の形で世の中を動かしている人たちだっているのです。政治家としての傲慢ぶりをさらけだしてしまいましたね。
全国学力テストにしても、政治家として論ずるなら、まずそういうテストが必要なのかどうかから主張してほしい。文部科学省が莫大な費用を投じてそういう「学力」テストを実施することは認めておきながら、その結果の扱い方について自分の考えとは違うから「バカ」だと見下すのは、なんだか筋が通らない気がします。そういうテストは下らないからやめろ、という意味の「バカ」なら、まだわかる。大阪の子どもたちを、国語算数の「学力」だけで判断されたら困るんや。それも大事やけど、もっと大切なことがぎょうさんあるねん。大阪の子どもたちの教育はな、大阪に任しとき。
…ぐらいの矜持を彼に期待するのは無理か。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます