goo blog サービス終了のお知らせ 

カクレマショウ

やっぴBLOG

面接と「志」

2010-02-17 | └キャリア教育
先日、ある試験(口頭試問)を受けてきました。

受験室に入ったら、面接官がずらりと8人も鎮座していました。いきなりのびっくりです。前にに5人、後ろに3人。質問をしたのは、主に前に座っている方々ですが、しかし、後ろに黙って座っている試験官の皆さんのほうの鋭い視線がむしろ気になりました。

あんな緊張感を味わったのは久しぶりでした。「ぴーん」という音が聞こえそうなほどの張りつめた空気。時間が経つにつれ、ゆっくりとリラックスした雰囲気になっていったのは何よりでした。約40分間、質問に対して的を射た答えはできなかったかもしれませんが、自分の言いたかったことはだいたい言えたような気がします。でも、やっぱりあとで考えると、穴があったら入りたくなることも言っていたような…。

就職活動に勤しむ高校生や大学生も、こんな緊張感を日々味わっているのでしょうね。今朝のニュースで、就職難にあえぐ大学生の話題が取り上げられていました。既に70社以上にエントリーしているという学生も登場。大学としても、内定率は入学者募集に影響しますから、学生にはとりあえずどこかの会社に「就社」してほしいわけです。大学の就職担当の方が、就職合同相談会みたいな場所で、大学生に付き添いつつ、とにかく順番待ちの少ない会社のブースを狙え、みたいな「指導」をしていました。

当の学生本人にしてみれば、早く内定をもらいたくて必死なのもわかるし、大学側の事情もわかる。でも、そんなシーンを見るにつけ、なんか違うんじゃない?という気持ちをぬぐえませんでした。だいたい、「就職戦線を勝ち抜く」なんていう言い草も気に入らない。勝ち抜くためには、戦略とか戦術も必要で、そういうのって、「勝って」しまったら役に立たないものになってしまうんじゃないの?

梅澤正さんは、自分が「やりたい仕事」が職業なのではないと言っています(『職業とは何か』、講談社現代新書)。むしろ、自分に与えられた社会的な役割とか使命を考えて職業を選びなさいと言う。そのためには、自己理解より、「社会理解」が大事だと。「職業がその職業にふさわしい人材を選ぶ」のだという考えは、なかなか興味深いものがあります。そういう「職業観」と、今朝のニュースに出ていた大学生の、何とそぐわないことか。理想は理想、現実は現実。そう言うのは簡単ですが、本当にそんな就職指導でいいのでしょうか。そうしてどこかの会社に入った学生は、結局、「自己理解」も「社会理解」もないままに、何のためにこの会社に入ったんだろう?何でこんな仕事をしているのだろう?と毎日自問しながら過ごさないとも限らない。

ま、それはそれとして─。

シュウカツで、採否の最終的な決め手になるのは、やはり「面接」でしょう。

限られた時間の中で、自分をいかにアピールするか。それはよほどの「人格者」じゃない限り、つまり、「普通の人」にはかなり難しいことです。むやみやたらに自分を売り込んで、バイタリティとか積極性を評価されるならいいとして、鼻持ちならないと思われたら元も子もないし、まあ、そのへんは採用する側も人事のプロですから、見抜くのはたやすい…と思っていたら、最近はどうもそうでもないらしい。

今日の日経ビジネスオンラインの記事、「人事部長が集まる会議室」のテーマは、「人事部長も言いたい!「採用」の悩み」。その中に、面接の話も出て来ました。

最近は、学生も周到な面接対策をしてくるし、賢い学生は厳しい中でどう内定をとるかという方向で頭を働かせてくるので、「見抜く」のは難しいと「人事のプロ」でさえ言っているのです。でも、そこはさすがにプロ、その上手をいく手を打っていきます。ある外食産業の企画経営室長は言う。

 学生が準備をしてきますので、面接では用意された答え以外を出させるようにしていますよ。例えば学生時代に興味を持ってきたことと聞くと、みんなが「環境に興味を持っていた」なんて答えます。PRすることがみんな同じなんですよ。
 それで滔々と用意してきた答えを喋って「これで内定が取れただろう」なんて顔をしています。だからそういう用意された答えを一通り聞いてから、「ではこれから面接を始めます」なんて始めるんです。そうすると急に喋れなくなって素の自分が出てきます。


おぬしもやるな、という感じですね! この記事には、最近は学生の親もシュウカツに口を出してくるなんていうトンデモ話も飛び出して出てきて、とても面白かったです。

昔のウィスキーのCMじゃないけど、「何も足さない、何も引かない」ってのが一番かもしれませんね。飾らずに率直に、自分の姿を見せるのが、結果的に「アピール」になるんじゃないかと思っています。もちろん、取り立てて飾らなくてもいいような体験とか考えを持っているということが前提ですが。

一朝一夕にはいかない。だから、子どもたちには、できるだけ早い時期に「志」を持ってもらいたいのです。

さて、ずいぶん遅い私の「志」ですが、その第一段階は、なんとかクリアできそう…。


最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅すぎることはない (元生徒C)
2010-02-18 17:07:35
面接は緊張しますよね。苦手です。
10対1とかありました。
記者会見ってこんなもんか?と思ったりしました。

就職活動中の学生と会社の廊下ですれ違う時期になってきました。
笑顔で「頑張ってね♪」と声をかけてあげることにしています。

志を見つけられた時点で一歩先を行ってると思います。

頑張ってください。応援してます。
返信する
♪目の前にもまだ道はなし (やっぴ)
2010-02-18 18:19:30
ありがとう。

「人生を語らず」by拓郎!

 ♪おそすぎることはない 早すぎる冬よりも

 越えていけそこを
 越えていけそれを
 今はまだ人生を 人生を語らず

やっほ~~~~/!
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。