カクレマショウ

やっぴBLOG

「スゴイ人」はみんな「自分」を持っている。

2008-10-07 | └キャリア教育
今日は、「スゴイ人」がたくさんテレビに登場しました。

まず、朝のニュースで、俳優の緒方拳の訃報が飛び込んできました。夜のニュースで肝臓ガンだったということを知りましたが、5年間それをひた隠しにしていたというのが緒方拳らしい。最期を看取った津川雅彦が、目をかっと見開いて虚空をにらみながら死んでいった、格好いい最期だったと言っていました。それもまた俳優・緒方拳らしい。息子が、「大きなあったかい男でした」と語っていました。息子からそんなふうに言われる、それもまた緒方拳ですね。

今日は、王貞治がユニフォームを脱いだ日でもありました。巨人ファンでなくても、王ファンは、長島ファンと同じくらい多かった現役時代。私も、彼のホームランにしびれた一人です。1本足で、大きな体をぐっと縮め、そこからものすごいスイングでバットを繰り出す王の打法は、誰にも真似ができないでしょう。それは、努力家の王貞治だからできること。現役引退の時に彼が言った言葉は今でも覚えています。「王貞治のバッティングができなくなった」。シーズン30本のホームランを打ってさえこういうことが言えるのは、やっぱり頑固一徹の王貞治だからです。

現役後、巨人を追われるように福岡にやってきた王監督の最初の数年は、なかなか芽が出ず針のむしろだったことでしょう。現役時代には考えられなかったような罵声を浴びることもしばしばでした。でも、王監督はじっと耐え、そして耐えることを選手にも教えた。そして、ホークスは常勝軍団になっていきました。これも人間・王貞治だからできたこと。もっとも、当時近鉄バファローズファンだった私は、ダイエーホークスに何度も煮え湯を飲まされ、悔しい思いをしたのですが…。

夜になって速報で飛び込んできたのは、日本人物理学者3人がノーベル賞に決まったというニュース。何でも、35年も前に考えた理論が、その後の実証実験で証明されたことが受賞の理由なのだとか。中継でテレビに生出演したお二人の先生、いかにも実直な物理学者という感じがしました。キャスターの期待するような気の利いたコメントはできないわ、時間なんか気にせず自説を蕩々と語るわで、決して「テレビ受け」はしないけど、それでいいんです。「あんまりうれしくない」というコメントなんて最高ですね。その調子で、後進にどんどん檄を飛ばしてほしい。

ノーベル賞といえば、今朝の新聞で、イグ・ノーベル賞を受賞した北大の先生が紹介されていました。中垣俊之さん。こちらはとてもわかりやすくて、脳も神経もない単細胞生物の粘菌が、複雑な迷路を「解く」というもの。迷路の入口と出口にエサをおいておくと、単細胞生物は体を伸ばして、最短距離でエサに「手」?を届かせるのだという。これで見た目には迷路の入口と出口が結ばれる…。確かにおもしろい。イグ・ノーベル賞の授与条件である「笑わせ、そのあと考えさせる研究」にふさわしい。

いろんな「スゴイ人」がいます。子どもたちが、そういう人たちに直接会えればそれに越したことはありませんが、テレビや新聞、本でもいい、その人がどんなことを語っているかに耳を傾けてほしいし、どんなことをしているのか、どんなことをしてきたのかを知ってほしいと思います。そして、その人がどんな「自分」をもって生きているのかも。「スゴイ人」への憧れから自分の道が見えてくることだって十分あるのです。


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