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カクレマショウ

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福田繁雄のデザイン

2006-04-30 | ■美術/博物
宮部みゆきの『理由』。今更ですが、読んでいます。元々は、朝日新聞の連載小説(1996年9月2日-97年9月20日、全311回)です。

新聞小説はどうも毎日読む習慣がつけられなくてだめです。『理由』の連載が始まった時も、お、宮部みゆき、と思って読み始めたのですが、最初の10回くらいで挫折してしまった覚えがあります。連載小説って、1回飛ばしてしまうともうあとが続きません。昨日の新聞を引っ張り出してきて読めばいいだけなのですが、なんだか億劫で、そこまではしません。

若い頃もやはり毎日きちんと読むことはできなかったのですが、それでも、とりあえず切り抜きをして、束ねたはじっこを輪ゴムで留めといて、あとでまとめて読む、という読み方をしたこともありました。高校生の頃です。三田誠広の『龍をみたか』という小説でした。調べてみたところ、連載されていたのは1978年11月13日から1979年6月30日、全186回となっていました。

切り抜きまでしておきながら、残念ながら小説の中身はまるで覚えていないのですが、実は保存版にしようと思ったのは、福田繁雄の挿し絵に惹かれたこともあったのです。挿し絵というにはあまりにもシンプルな、白と黒のグラフィックデザイン。かちっとした輪郭に、いやでも目を引きつけられてしまう…。

もちろん、今でこそ「グラフィックデザイン」なんて言えますが、当時はそんな言葉も知らずに、なんてかっこいいデザイン!とただただ感嘆していたのです。モチーフは決して空想的なものではなく、日常見慣れた様々な物を題材としていましたが、一番多かったのは、人間の身体だったような気がします。全身、手、顔、足、耳…。ずっとあとになって、福田氏のいろいろな作品を見る機会があったのですが、やはり人間の身体を表現したものが多く、あの挿し絵を懐かしく思い出したものでした。

福田氏の作品には、視覚上のトリックを利用して私たちに謎かけをしてくれるものも多い。私たち自身の身体をはじめ、見慣れた日常の光景を違った角度から切り取って見せてくれます。それも単純な構図で。だからこそ、福田作品は、見るたびに新鮮な驚きを感じさせてくれるのだと思います。


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