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さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】16テーマで知る鎌倉武士の生活

2022-12-18 10:57:38 | 読書録

西田友広/岩波ジュニア新書

鎌倉殿の13人もいよいよ今夜で最終回。その前に・・・。

草燃えるを見ていた時はそう思わなかったけれど、今回鎌倉時代を題材にした大河ドラマを見たことで、鎌倉武士って、後代の武士とは何か違うところがあるなぁ・・という印象を強く持った。そんなことで、鎌倉武士にスポットを当てた本を読んでみたいと思ったわけよ。

まず佐藤浩市さんが好演した上総介広常だけど、「介」って何? と思ってたけど、国司の次官のことなんだね。長官が「守」で次官が「介」。平安時代末期には、守がだんだん京都から国に赴任しなくなってきたので、介が現地での事実上の最高位となり、東国のそういう人たちが頼朝を支えたんだね。

そして、頼朝といえば、守護・地頭。反乱軍である頼朝側は本来であれば国司や荘園領主が行うべき所領安堵や没収などを、お構いなしに実施。これは後に頼朝が政府側となった時に追認された行為であるが、転機となったのは、文治勅許だ。頼朝は、後白河法皇に対し、源義経に頼朝追討を命じた宣旨を与えた責任を追求し、義経捜索のため全国に軍事態勢を敷くことを要求。法皇がこれを認めたのが文治勅許であり、地頭が頼朝によって諸国に任命され、その地位も安定することになった。守護や地頭は治安維持的な意味あいもあるから、もし設置されずに旧体制を引きずっていたら、平氏政権のように、またすぐに世が乱れることを防止できなかっただろう。

この時代は、想像以上に荒っぽく、たとえば女捕(めとり)と称して、女性を拉致して無理やり妻にしてしまうようなことも往々にしてあったようだ。これは御成敗式目で禁止されるが、ドラマには出てこないようなドロドロした世界も相当あったのではないかと思う。

鎌倉武士の生活面では、家は小規模な寝殿造であり、徒然草などの記述を見ると、冬はどんなところにでも住めるが、夏に住み心地の良いように作るべし・・などという考え方があったようだ。確かに暖房より冷房の方が難しいね。

鎌倉時代の馬が、サラブレッドより小さいことは承知していたが、まさかポニー並みの大きさだとは思わなかったな。ポニーなら昔乗ったことがあるよ。タイトスカートのまま乗れちゃうし、手綱がなくてもたてがみを手で掴んで乗れるし・・。

遠隔地の所領からの年貢の送付に為替が利用されることもあった・・などと聞くと、経済的にも思ったより進んでたんだなと思った。

鎌倉幕府滅亡により、残った御家人達は南北朝の戦乱の中で国人と姿を変えた・・という記述を見て、長年の疑問が解けた。昔、日本史の教科書に、戦国時代にいきなり「国人」というワードが出てきて、違和感を感じていたので、なんかスッキリした。

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