
ダニエル・キイス/小尾芙佐・訳/早川書房
爆笑問題の太田光さんは読書家で、年100冊は読むそうだ。文学青年だった・・っていう話は聞いたことあるけれど、売れっ子で忙しいだろうに、よく読むねぇ。私も年100冊読めるようになったのはごく最近の話だし、まぁ読みやすい本ばっかり読んでるわけだし。。。
その太田光さんが、読書をしない人にこれだけはお勧めという本を1冊挙げるとしたら何がいいですか、と聞かれた時の答えがこの本だ。
読み始めると、結構読みづらい・・・要は頭悪い人が手術で頭よくなる話だから、最初の方はひらがなばっかり、誤字もあるし、文章も変だから読みづらい。それが頭良くなり始めると、俄然読みやすくなり・・・でもそっからが苦悩の連続なのだ。知能だけが急激に高まったが感情面は置いてきぼり。おまけに周囲の仲間も、馬鹿な奴が急に頭よくなったもんだから離れてってしまう。
それって、芥川の「鼻」にも出てきた傍観者の利己主義じゃないの? 現に、頭良くなってから知り合った女性とは仲良くなってんじゃん・・・
と、ことはそんなに単純ではなかった。アルジャーノンとはネズミである。アルジャーノンは語り手のチャーリィより前に手術を受けたネズミだから、アルジャーノンを見ると自分の未来が分かったりするのだ。それを悟ってしまった後の苦しみははかり知れない。
・・・・・・
だが、あまり他人事には思えないのだ。私だって、家族だって、そうなるかも知れない・・・。主人公は、義務から始まったとはいえ、一生懸命記録を書き残す。まるで今の私のように。






