さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】彩雲国物語・外伝(1)~朱にまじわれば紅~

2011-12-31 13:13:12 | 読書録
雪乃紗衣 作/角川ビーンズ文庫

ずっと体調を崩していた私は、覚悟を決めて老骨にムチ打ち、昨夜から年賀状デザインを開始し、3時ごろにようやく出来上がり、印刷をかけたまま寝て、明け方には150枚強、全部刷り上った。

さてさて、住所録をチェックして、宛名印刷にかかったところが、何とプリンターの調子が悪く、住所の下の方がブレて二重写しみたいになってしまうのだ。最初は大丈夫だったんだが、印刷かけっぱなしにして、しばらくしてみたらほとんどがそんな風になってて・・・今更刷り直しも出来ないし、予備のはがきもないし・・・えい、まぁ多分ちゃんと届くだろう・・・と先刻投函してきた。もし下の方が二重写しっぽいのが届いてしまった方がいらしたら、ごめんなさい!

かくして人生で初めて11月に年賀状を買うという幸先の良さを見せていた今回の年賀状書きだが、やはりいつものように投函はギリギリになってしまったのであった。

それでもいいさ、・・・出したんだから・・・。

ということで、体調不良のせいで大掃除もなにも出来なかったけど、読書録1つ書いたら実家に帰るべ。


☆ ☆ ☆


さて、彩雲国物語の本編ストーリー進行の途中だが、今回は外伝を読んでみる。外伝とはいえかなり読み応えがある。1冊目のコレは軽いタッチだが、どうやら主な登場人物について少しずつ過去を暴いていくのが、外伝の目的らしいので、本編の進行に合わせて読んでいくと楽しめそうだ。

一巻目の「朱にまじわれば紅」の大部分はすでに漫画化されているが、漫画からは漏れているパーツを色々拾うことが出来て楽しかった。私は特に、会試直前に川に落ちて風をひいた秀麗を色んなお偉方がお見舞いに来るシーンが好きだったのだが、原作で読んでみると、漫画以上に黄尚書の出番が多く、秀麗との思わせぶりなやり取りが面白かった。

あと秀麗の父親と母親が、殺し屋とターゲットの関係だっただなんて、さりげなく書いてあったけど、ちょっと唐突でびっくりしたなぁ。

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【読書録】彩雲国物語(6)~欠けゆく白銀の砂時計~

2011-12-30 23:32:56 | 読書録
雪乃紗衣 作/角川ビーンズ文庫

何だか、恥ずかしいほど読み進むね。

読みながら色々思う。作者の雪乃紗衣という人は、いったいどういう略歴の人なんだろうかと。歳は私より17歳下。星座と血液型は同じだ。会社勤め経験があるのかどうか、色々略歴をサイト検索して調べようとしても、何も出てこない。ライトノベル作家だが、まだこの「彩雲国物語」シリーズしか書いていないようだ。
少女趣味とはいえ、お姫様で終わる話ではなく、官吏として出世していこうとする女性の物語である。組織の根回しや官職の上下関係などに関する記述が多いが、もし宮仕え経験なしで書いているとすると大したものである。だが宮仕え経験をしすぎると逆にこのように大胆な展開は書けないだろう。ある案件を通すために、工部(公共工事担当)尚書への面会を申し出るが、13回門前払いを食らう。でも結果的に彼女は頑張って、工部攻略に成功した。その方法とは、塀をよじのぼり、窓から工部に突入し、工部尚書と飲み比べをして勝利・・というものであったが、会社勤めが長いと、現実にはそううまく運ばないはずなので、そんな大胆なことは書けないだろう。

私はむしろ、社会人になってからの出世を夢見る少女達が、この作品を信じて、見通し無き飲み比べに走ったりしないだろうか心配である。今の私なら大丈夫だけど、もし17歳頃にこの作品と出会ってしまったら、単細胞な私は妙な方に突っ走るかもしれない。

今まで30年以上、小説を読むことに何の意義も見出さず、ずっと逃げ続けてきた私であるが、去年だったか「小説を沢山読むことで、人生をシミュレーションすることができ、それがもたらす効果について力説する著書」に出会ったことがある。確か池上彰氏のものだったと思う。それを読んでから私は小説を笑えなくなった。この作品について言えば、確かに少女趣味的ライトノベルかも知れないが、著者がいかに人間観察と人生シミュレーションを繰り返し、中国古典をよく読みこんで着想を得ているか、ということがうかがえて、頭が下がる思いである。ファンタジーだよね・・・とか笑う前に、「自分にこの作品が書けるかどうか」を自らに問うてみると、私には到底書けないと思われる。

秀麗の朝賀での衣装や雰囲気、それに対する国王・劉輝の様子などはなかなかよく描写されていた。お互いに仕事を通じて成長し、言葉や身振りが少ない中でも通じ合う何かが感じられる場面であり、大変ほほえましい場面であった。

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2011年、私の重大ニュースは

2011-12-29 23:34:36 | 私の十大ニュース
今年も慌しく一年が過ぎていった。毎年毎年全力投球ながら、自分の重大ニュースを選ぶ段になると、いつも迷いが生じるものだ。今年は本当に色んなことがあって、本当に大変だったけれど、いつもながらのバタバタで年が終わるのかと思うと、あまり悠長に振り返っている気分でもない。

でも、毎年続けていることなので、一応、こんな風に選んでみた。

1.震災・原発・物不足・節電・・・!

多くの方を苦しみと悲しみのどん底に突き落とした東日本大震災と原発事故。首都圏にいた私ごときが書いてよい話ではないのかもしれないが、それでもどう考えても2位以下になるものでもないので、挙げてみる。高層ビルの17階の激しく大きな揺れの恐怖は今も忘れられるものではなく、あの時は本当に自分の人生が終わると思った。食べ物が入手できずに、平常心を失っていた日々のこと。それでも家族や職場の仲間、音楽の仲間、太極拳の仲間、ネット上の仲間達と、震災直後からコミュニケーションが取れたことがどれだけ心の平安につながったかということを考えると、今年を象徴するキーワードでもある「絆」と言うものの大切さを感じざるをえないのだ。

2.人前演奏最高音更新!

1位とはだいぶ次元が違ってしまうのだが、今年も精力的に発表会や各種演奏会等に出演した。詳細は過日当ブログに書いたとおり(下記リンクご参照)。
http://blog.goo.ne.jp/y-saburin99/e/41792638dac0360ec55e98e74e0c84f0

この中でもかなり色んなチャレンジをした。例えば声楽は、HighCまである曲をやった。トランペットは、五線の一番上の線にくっついてるGが発表会での最高。バイオリンはメンデルスゾーンの協奏曲の第三楽章にでてくる最終音のEで、五線上の加線が6本あった。いずれも初チャレンジ音域をきれいに鳴らすことができた。

3.映画・DVD鑑賞・過去最高数!

今年は、前半は映画、後半はオペラやバレエのDVDを精力的に見た。CD2二つを含め、当ブログに「映画・DVD・CD鑑賞録」を39本書いた。これは過去最高。

4.イタリア語・再学習開始!


前項にも関係するのだが、10月にオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の伴奏をやったことが引金となり、声楽コンクール対策もあって、イタリア語の勉強を再開した。学習と言っても、朝、満員電車の中で聞き流すだけだけどね。でも平日朝の日課として、10月半ばからちゃんと続いている。

5.福岡・熊本・短期旅行!

今年度は、連続休暇をまだ取れていないのだが、8月に2日だけ休みをもらい、土日とくっつけて4日間で福岡・熊本に行ってきた。うち3日間はJAO福岡の練習と本番で缶詰だったから、終わるなり、博多での撮り鉄三昧と、熊本へのワンタッチ&トンボ帰り旅行を実現。熊本では、引っ越した太極拳仲間と再会し、熊本城へ。短かったけど、とても楽しかった。

6.太極拳発表会-太極扇に挑戦!

太極拳教室の移転にともなうイベントで、発表会があった。私は二十四式と太極扇にチャレンジ。太極扇は本来のクラスがオケ練と重なって出れないので、ビデオ見て一生懸命イメージトレーニングに励んだよ。先生と、上手な若い女性と、私の3人で演武したけど、本番は結構バッチリ。

7.プライベート名刺・大人気!

JAO福岡で、会場で交換するために、プリンターから打ち出して作った名刺が、方々で大人気。フィガロの伯爵夫人のために、ドレスアップした写真をくっつけたのがよかったみたい。内勤な私は、会社の名刺は減らないくせに、プライベート名刺は猛烈にさばけた一年だった。お気に入りの写真を使って、厚手の写真用紙でプリンターから打ち出してカッティングすれば、簡単に作れますので、お勧めですよ。

8.江戸時代に対する理解深まる!

みなもと太郎氏の「風雲児たち」という漫画を友人に紹介されて読んだら、これが大変面白くてタメになる漫画で、古代史一辺倒だった私の歴史に対する思いがだいぶ変わった。大人になればなるほど、近世以降の歴史は面白いねぇ。そーなんだ!歴史編も巻が進んで、近現代史中心になったので、学校であまり習わなかった部分の修得に役に立ったな。

9.ネコに心を乱される!

今のアパートに住み始めてからもうすぐ15年になるけど、今年ほど野良猫と遊んだ年はない。

当ブログでも、こんなのとか、



こんなのとか、



こんなのとか、



色々写真を載せたけど、一番仲がいいのは三毛猫ちゃんかな。しばらく見かけなかったんだけど、昨夜自転車置き場にいたら、ニャァとか声をかけてきたんで、冬毛でふさふさした身体を抱っこさせてもらったよ。黒猫ちゃんは、三毛猫ちゃんの子供だけど、焦らしの天才だね。今朝も見たけど、もうすっかり大人だよ。

10.ブログ記録更新中!

毎年決まったように書いているけど、当ブログは開設後5年半、相変わらず、ノンストップで毎日更新中だ。ちなみに昨日時点のアクセスはこんな感じ。



累計PVとIPはこの一年で飛躍的に延びた。2倍とまではいかなかったけど、それに近く伸びたね。全く驚きだ。

2010/12/28       2011/12/28   
911,370 PV →  1,756,506 PV (昨年同日比 +843,136)
261,412 IP →   434,807 IP (昨年同日比 +173,395)


次点.ほぼ日手帳を使いこなす!

今年初めて使った、ほぼ日手帳。見事、「年間計画」「月間計画」「毎日のページ」全部残らず活用したよ。

本当の計画は「月間計画」に書くんだ。1日1ページの日々のページは、実績を書くんだ。時にはネタない時もあるが、そういう時にもなんか書くコツは、学習中の外国語で日付や曜日、天気などを書くことだ。私は10月から、日付や曜日、天気だけはイタリア語で書いてるけどね。

「年間計画」はその日1日で、良かったことを1つだけ書くんだ。悪いことばかりの日に良かったことを一つ書くの大変よ。「こんなに大変だったけど、それでも持ちこたえました」とか「生きてました」みたいなことしか書けない時もあるけどね。



でも、一応こんな風に今日までは全日付埋まってるよ。前向き思考になりたい人には超お勧めだと思う。

ま、今年はこんなところで。

<ご参考>

▼2010年
 2010年、私の重大ニュースは

▼2009年
  2009年、私の重大ニュースは

▼2008年
  2008年はどんな一年でしたか?

▼2007年
  2007年私の重大ニュース

▼2006年
  2006年で一番よかった思い出は?
コメント (2)
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【読書録】彩雲国物語(5)~漆黒の月の宴~

2011-12-28 23:18:33 | 読書録
雪乃紗衣 作/角川ビーンズ文庫

この小説は少女向けなのに妙に言葉が古臭いと感じる時がある。例えば静蘭を形容する言葉として「矜持高い」が連発されているのだが、普通なら気位が高いとか、プライドが高いとか言うだろうに、最近の若い子はこういう言葉を使うのかしら?などと思ってしまう。書き言葉なら分かるけど、「あのひと、きょうじたかいよね。」とか口頭で言われたら、多分「え?」と聞き返してしまうのでは? それとも私に学がないのであろうか。

はてさて、漫画でまだカバーされていないエリアに突入したら妙にスピードアップだ。

茶州州牧に任じられた紅秀麗と杜影月は、茶家のさまざまな妨害を受けており、なかなか都である琥にたどり着けない。三ヶ月以内に州都・琥に着任しないと、任務放棄と見なされ、州牧位は剥奪されてしまうのだ。

で、秀麗たちは現地の全商連を味方につけ、茶家の中でも最もまともな克洵を助け、何とか混乱を収拾するのだが、なかなか無理のある展開が多かった。

・人はそんな理由で反乱を起こすのか?
・人はそんな理由で死ぬのか?
・悪者の一翼を担っていた女性2人が、結局名前も与えられず、
 良く分からないうちに不慮の死を遂げる。

などが、ちょっと苦しい展開か。言葉をしゃべらぬ姫=ものすごい言霊力をもっているがゆえに敢えてしゃべっていなかった少女の登場で、一気に事態が打開されるが、なんとなく反則っぽい気が・・・まぁまぁ、そこはファンタジーですから。結局その少女のせいで静蘭の活躍は中途半端に。緊迫する静蘭と朔洵の毒酒ロシアンルーレット対決は、終わってみれば単なる飲み比べ以上の意味を持っていなかった!?

超スピードで読んだ割には???が残る一巻であったが、600万部も出ているベストセラーにつき、こういうことは気にせずに皆読むのであろうな。

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【読書録】太極拳に学ぶ身体操作の知恵―「10の言葉」がカラダを拓く!

2011-12-27 23:25:11 | 読書録
笠尾 楊柳 著/BABジャパン

著者は大学で松涛館流空手を学んだ方なので、同じく別武道二種を経験して太極拳に挑んでいる私にとっては、とても参考になる本だった。

太極拳には、古来から練り上げられた「太極拳十訣」という10のキーワードがある。

1・虚靈頂勁 (きょれいちょうけい)
  →精神を虚霊にして頭頂に貫き自然に立つ。

2・含胸抜背 (がんきょうばっぱい)
  →胸をやわらげ気は脊背に貼る。

3・鬆腰 (しょうよう)
  →腰をゆるめる。

4・分虚實 (ぶんきょじつ)
  →立ち足は虚と実を分ける。

5・沈肩垂肘(沈肩墜肘) (ちんけんすいちゅう)
  →肩と肘は下方に垂らす。

6・用意不用力 (よういふようりょく)
  →力を用いず意を用いる。

7・上下相隨 (じょうげそうずい)
  →上体と下体を連動させる。

8・内外相合 (ないがいそうごう)
  →手足が開合するとき心意もともに開合する。

9・相連不断 (いきそうれん)
  →旧力と新力の断絶無く綿々として循環させる。

10・動中求靜 (どうちゅうきゅうせい)
  →静によって動を制し動いてもなお静を保つ。

これらについて、著者の経験を交えながら解説しているのであるが、この本を読んで本当に良かったと感じたのは、一にも二にも「2・含胸抜背」の項で出てきた「臍を天に向けよ」という記述であった。

実は、太極拳をやっていて私が一番難儀しているのは、背骨がS字型に曲がってしまうこと。人間は普通に立つと背骨は腰のところで湾曲しS字カーブを描く。だが太極拳では背骨をまっすぐにしなければならないのだ。腰を丸く、腰を丸く・・と思っていても、感覚的にはものすごく悪い姿勢をしているような錯覚にとらわれ、自然にS字カーブに戻ってしまうのだ。

「腰を落とす」「腰をゆるめる」「動かなくなった車を押すときのイメージ」・・・色々イメージしてもなかなか感覚がつかめなかったのだが、「臍を天に向けよ」の一言で感覚がつかめた。その後、2回ぐらい教室に出たが、とてもイイ感じである。

ちなみに声楽の時間でもそれを試してみたら、先生に「すごく声が出るようになった」と褒められたのである。お尻とお腹に適度に力が入り、しかもバテずに持続できる。なので太極拳と声楽はとてもつながる部分があると、個人的には思っているのだが・・・・。

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【読書録】女装の剣士 シュヴァリエ・デオンの生涯

2011-12-26 23:26:07 | 読書録
窪田 般弥 著 / 白水社

この本に手を出したのは、以前読書録を書いている「そーなんだ! 歴史編95」が切っ掛け。ルイ十五世の密命を帯び、女装してロシア宮廷にもぐりこみ、親仏のエリザベータ女帝に国書を手渡したスパイ、シュヴァリエ・デオンの話は、相当なインパクトを持って私の心に突き刺さったため、彼についてもっと詳しく書いてある本を読みたかったのである。

この本の表紙は、男装しているシュバリエ・デオンの肖像画を載せている。



で、裏面が女装姿なんだが、う・・・ん、さすがにちょっと骨太かな。軍服姿の方がかえって可愛らしく見えるか。

でも、敵に踏み込まれた時、老婆の格好で平然と刺繍をしていたので捕まらなかった、という逸話は、何となく分かるな。

49年は男、33年は女として数奇な運命を辿った「男にして女、女にして男」であったと言われるシュバリエ・デオンは、れっきとした男性である。彼が男なのか女なのかで世間は騒いだが、82歳で死んだ時に、正真正銘の混じりけのない男であることが証明され、女と信じて晩年を一緒に過ごしていた婦人がびっくりした・・というんだからすごいよね。

女装部分ばかり目をとられてしまうが、女装以前に極めて有能な人物であった。物書きの才もあり、60才を超えても若者に負けない剣技あり、不屈の精神あり・・・。ただ必要な場合には金に糸目をつけず、法律スレスレのこともやってのける人間だった。これがプラスに働いている時は英雄扱いであったが、逆風が吹き始めると、その金遣いの荒さや派手な言動が裏目に出てくる。彼の場合、それこそエリザベータ女帝に国書を手渡した後あたりが、外交官として一番いい頃だったかもしれない。それでも彼は落ち目になってもかなり粘ったけどね。女装は好きだったかもしれないけど、後半生の女装は「女装しないと帰国を許してもらえなかったから」という側面もあったようである。

彼のような人物は、同時代のヨーロッパに色々輩出しているという。アヴァンチュリエと呼ばれる冒険家達(冒険に生き、必要な場合には法律スレスレのことをためらわずに行う人間=は敢えて危険を求め、最善な事にも最悪な事にも手を貸す人間)の中に、このシュヴァリエ・デオンは分類されている。

七年戦争(1756-63)からフランス革命にいたるほぼ25年間・・・そっか、モーツァルトの生きた時期とも重なるね・・・ヨーロッパは瞬時の凪のような平穏な時代を迎えており、この期間にアヴァンチュリエ達が輩出したのだという。

我々は、歴史の教科書や池田理代子さんの漫画などによって、フランス革命前後からナポレオンにかけての歴史は意外に知っている。だがルイ15世の治世っていうのあまり知らないね。フランス革命以前のフランス史も面白いなぁ・・・というのが率直な感想。三銃士や鉄仮面伝説だけじゃなくて、ここらへんの歴史物もまた読んでみたい・・・と、そんな気分になっている。

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【読書録】彩雲国物語(4)~想いは遥かなる茶都へ~

2011-12-26 00:09:41 | 読書録
雪乃紗衣 作/角川ビーンズ文庫

架空の国の歴史ファンタジーなんて読んで何の役に立つのか、と自問自答しながらも4巻目にたどり着いた。ま、同じ架空の国の歴史ファンタジーである「アルスラーン戦記」にハマッた前科があり、ストーリーが完結してくれなくて困ったけど、こっちは幸いにも最近完結したことが分かったので安心して読める。

4巻目は、最新版の漫画もカバーしていないエリアだが、未知の領域に手を出した途端、読むスピードが速くなった。やはり本というものは、知りたいから読むものだということを再認識。(早く続きが知りたくてハリーポッターの原書に飛びついた頃を懐かしく思い出したよ。)

で、4巻目になると、静蘭と燕青の隠された過去のチラ見が出来るというのがポイントかな。燕青はともかく、イケメンかつ消えた第二公子(清苑公子)である静蘭の失われた半年間を知りたい読者は多いだろう。その時の静蘭の「小旋風」というあだ名と、名前だけ登場する「晁蓋」と言う名に、水滸伝の片鱗を見るけれど、水滸伝のキャラとはおそらく関係なかろう。

前巻で茶州州牧に任命された紅秀麗と杜影月は、浪燕青や静蘭、香鈴らとともに、混乱の茶州へ向かうが、序盤で離れ離れになってしまう。浪燕青や静蘭は例の失われた半年間に大いに関係する殺刃賊を再組織した瞑祥(めいしょう)の暗躍で捕らえられる。香鈴も秀麗の身代わりになる形で杜影月とセットで捕らえられる。だが本当の黒幕は別にいたのである。一人残された紅秀麗は全商連を頼って、茶州の商業都市金華を目指す。だが秀麗の心を揺さぶる琳千夜(実は茶 朔洵)・・・悪人であることは分かっているのだが、実に怪しい。彼が今後、さらにどう怪しくなるのかは見モノである。

また、紅秀麗と杜影月と同時に国試を受け、榜眼(第二位)で及第するも、本作の中では全く活躍の場を与えられていなかったキザ男、藍 龍蓮(らん りゅうれん)が本巻でやっと重要な役回りをちょっとだけ演じることに。彼も今後どこまで活躍するのかは未知数。

ということで、だんだん面白くなってきたので、他の本になかなか手が出せなくなってしまうかも。

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グノー:歌劇「ロメオとジュリエット」から“私は夢に生きたい” 始動!

2011-12-25 23:22:21 | ただの日記
トスカの「歌に生き 恋に生き」がある程度出来上がってきたので、並行して練習する課題として次に与えられたのが、グノーの歌劇「ロメオとジュリエット」のジュリエットのアリア“私は夢に生きたい(Je veux vivre)”。高い音をもっと軽く歌えるように・・・という目的の中では、なるほどと思えるような曲で、最高High-Dまである。

先週突然言われて、慌てて音源を捜すが、このオペラのDVDって入手困難なのね。CDも注文してあるけどいつ届くのかわからないし。とりあえずネット上で動画を探したけど、こっちもあまり無くて・・・ゲオルギューが歌っているシーンを見つけたので、とりあえずそれで練習した。

10月からコソコソとイタリア語を勉強してきたのに、今度はフランス語の歌なんで、老化して堅くなった頭はかち割られそうになってるけど、色々試聴してみると世の歌手達は必ずしも正確には歌っていないことがわかった。マリア・カラスのCDを試聴したら「Je」をはっきり「ジェ」と発音していたので却下だ。ゲオルギューのだって何だか怪しい。いくらフランス語の母音が曖昧だからって、子音まで曖昧にしなくっても。あと冒頭の半音階の音程が怪しい歌手がほとんど。ゲオルギューも最後のBbまで下がりきらずに歌っている。

じゃぁ、自分はどれほど歌えるのかって? そうねぇ~音は結構ちゃんと取って行ったよ。今日のレッスンでは、言葉をつけず、「オ」の音だけで歌ったけど、「よく見てきたね」ってコメントをいただけて、まずはホッと一息。来年歌詞つけたらガタガタだろうけど。

でもこの曲は明るくて好きだな。11月までベッリーニのジュリエッタのアリアを歌ってたけど、同じジュリエットでも随分雰囲気が違うのね。もっともグノーの「私は夢に生きたい」の方は、まだロメオに会う前のジュリエットだから、苦悩知らずなのかもしれないけど。

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バイオリンの駒交換

2011-12-25 23:03:59 | ただの日記
先週バイオリンの駒が曲がってきていることに気がついた。自分の扱いが悪いと反省することしきり。毎日弾いている人間ならこうならない前に、駒の位置を少しずつ矯正して、曲がらないようにしていただろうに。

この冬は大変天候が不順で、いつぞや大雨の中、オケの練習に行かなければならなかった。どうやら不調はそのあと。まずペグ(糸巻)の調子が悪くなった。大雨の次の週は、うんともすんとも言わないほど固くて回らなかったのだが、その次の週から、猛烈に緩みはじめ、運搬するとかならず1弦は緩んでしまっている状態に。練習前に慌てて締めるもんだから、思えばこのせいで駒が前のめりになってしまったのだろう。都度都度駒の角度を直せば良かったのに、最初はあまり気づかなかったのだ。



異変を感じたのは先週。バイオリンの板の上に立っている曲がった駒の写真を撮るにしのびずそのままバイオリン工房に持ち込んでしまった。これが取り出した後の曲がった駒。バイオリンの上にあった時は、もっと曲がって見えたかもしれない。これに弦の圧力が30~40kgかかるのだ。まっすぐのままだったら耐えられる圧力も、曲がり始めたら・・・・・。



バイオリンを弾かない人にはわかりづらいと思うが、この曲がった駒を水平な台の上に置くと、右側が若干浮いているのが見えるだろう。ちなみにバイオリンをバイオリン工房に持って言ったら、工房のご主人は、「うん・・・」と押し黙ったあと、一呼吸置いて「代えた方がいいでしょう」とおっしゃった。わぁぁ~ごめんなさい。



で、昨日体調不良で一日を棒に振った私は、今日、バイオリンを取りに行った。新しい駒が冒頭の写真。フランス製らしい。ペグの側から見たのがこの写真で、左が新しい駒、右側で私が持っているのが古い駒。同じバイオリンの駒でも随分形が違うネェ。前の駒はG線側の背が高いのが特徴的だったが、今回のはやや標準的な形に。一言で駒交換というが、新しい駒はバイオリンに合わせて各面をすべて削って調整するので大変手間がかかるという。弓の毛替えのようにお気軽には行かない。

でも、それだけこのバイオリンに合わせて削っていただいたお陰で、弾いてみると、すばらしくイイ音だ。最高級品を使ったよ・・・と工房のご主人はおっしゃる。駒を代えると、楽器が変わったみたいに音色が変わるネェ。魂柱位置も変えてもらって、秋冬仕様に。バッハを弾くにもちょうどよいようにしてもらった。

ちなみにこのバイオリンとは満8年の付き合いになるが、駒は3代目である。今回ダメになった2代めの駒の時も、素晴らしくイイ音だったんだが。。。。



また、駒変形の元凶となったペグの不調も治してもらった。ペグのすべり具合の調整だけでなく、弦の端を差し込む穴も開けなおしたのである。ペグは使っているうちに、中へ中へと入り込んでくるため、穴の位置も最初にくらべて随分内側に入ってきてしまうんだそうな。うーん、プロでもないのに、8年の付き合いでそんなに磨耗してしまうのか。いやはや手間のかかる楽器である。

それでも生まれ変わって、さらにイイ音になったバイオリンは、私の心には一服の清涼剤となった。体調を崩して最悪のクリスマスだったけど、これはある意味期待してなかったクリスマスプレゼントかも・・・と思った。

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【読書録】彩雲国物語(3)~花は紫宮に咲く~

2011-12-24 23:56:57 | 読書録
雪乃紗衣 作/角川ビーンズ文庫

昨夜から今日にかけて、私にはめずらしくお腹を壊して大変なことになってしまった。疲れていたのか、何かに当たったのかは知らないが、ここまでひどいのは初めてで、とにかく脱水にならないようにするのが精一杯。水を飲んでも吐いてしまうが、何とかめげずに飲んでたら、何とか収まってきた。しかしながら今日の予定はすべてキャンセル。

時々目覚めてはちびちび読んでたのがコレ。ようやく3巻目を読み終わった。ちょうど漫画の最新巻がカバーしている範囲だ。

前巻で、みごと女性として初めて国試に合格した紅秀麗だったが、彼女と史上最年少で首席合格した杜影月は、当然ながらさまざまないじめに遭う。中には命の危険を伴うものさえあった。だがその中には「厳しい指導」の一環であったものと、「本当の陰謀」であったものの二種類が含まれており、「厳しい指導」の中から自分達を切り開いていくものを見つけ、「陰謀」を暴き、這い上がっていくのであった。

ここらへんの展開は「スポ根」漫画に近いのかもしれないが、なかなか陰湿で面白かった。彼女と親しくしている高官たちや王もこればかりは手助けできず、彼女達が這い上がってくるのを待つしかなかった。だが、本当の陰謀が含まれていたのは事実なので、命の危険からの守護と、彼女達が暴いてきた本当の陰謀については厳しく当たったのである。

さて無位無官のまま教育機関を終えた紅秀麗と杜影月は、これまた異例の抜擢で、二名同時に茶州州牧に任命される。茶州というのはこの物語の中では大変な問題をかかえている地域(架空)で、次巻以降の苦難が予想されるのであるが、それはさておき、「州牧」というのは古代中国に実際にあった官名なので、一応調べてみた。

・・・・・・・

時期によって「州牧」と呼ばれたり「刺史」と呼ばれたりするが、中国に前漢から五代十国時代まで存在した官職名で、もともとは監察官であった。現地の官僚が豪族や商人たちと密着し、その犯罪を見過ごすことが多発したためにそれを監察するためのものであった。だが当初は権限が小さすぎて実効性がなかったので、徐々に権限を増やされ、行政権を握るようになり、州の長官とも言うべきものになったという。

各地で反乱が起きるようになると、州牧は重臣クラスでないと務まらなくなる。『三国志』の群雄たちはほとんどがこの州牧を経験している・・・と言われると、州牧という語に対する深みも感じられてくるのである。

・・・・・・・

彩雲国物語は架空の国のファンタジーであり、中国とも関係がないのであるが、オリジナルストーリーだけにコメントも書きづらい。なので、こんな風に、中国では果たしてどうだったか・・・みたいな調べものを各巻のコメントに入れるかもしれない。
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トランペット・ミニ本番終了!

2011-12-23 23:06:04 | ただの日記
所属音楽教室のミニ発表会で、トランペットで「虹の彼方に」のジャズ風アレンジを吹いて、ようやく今年の本番が全部終わった。

昨年の発表会の「乾杯」ではE♭、4月のミニ発表会の「ポニョ」ではEが最高音。11月の発表会の「ティコティコ」ではFが最高音だったけど不発。でも今日はFもその上のGもちゃんと鳴って、人前演奏での記録は更新した。

来年はFGをもっと安定させた上で、A以上の音がある曲にチャレンジしたいなぁ。

さて、本番も今日で演奏納め。今年、人前で演じたものをリストアップしてみるとこんな感じ。中には本番と呼べないようなものもあるし、二種目エントリーのものは2つに数えてるけど、それなりの準備とプレッシャーと体力をもって臨んだので、一応カウントしておこう。

2月 (1)職場合唱団 第九(ソプラノ合唱)
    (2)オケ(バイオリン)
      チャイコフスキー スラブ行進曲
      チャイコフスキー 弦楽セレナーデ第1楽章
4月 (3)ミニ発表会 崖の上のポニョ(トランペット)
5月 (4)発表会(声楽)
      モーツァルト ドンナ・アンナのアリア(Non mi dir)
6月 (5)発表会(バイオリン)
      メンデルスゾーン協奏曲第一楽章
    (6)オケ 定期演奏会(バイオリン)
      バーバー「祝典トッカータ」
      レスピーギ「ローマの噴水」
      サン・サーンス「交響曲第3番(オルガン付)」
      オネゲル「交響詩『夏の牧歌』」
7月 (7)腕試しミニ発表会(バイオリン)
      カイザー8
    (8)腕試しミニ発表会(声楽)
      ベッリーニ“Oh! quante volte, oh quante”
    (9)腕試しミニ発表会(バイオリン)
      オベルタス
   (10)オケ 定期演奏会(バイオリン)
      カザルス「鳥の歌」(弦楽伴奏版)
      ゾマー「アルプスの夏」
      モーツアルト「フルートとハープの為の協奏曲」
      ヴィヴァルディ「チェロとファゴットの為の協奏曲」
      サン・サーンス「チェロ協奏曲第1番」
8月 (11)FCLA夏オフ(声楽)
      マーラー「復活」4楽章のアルトソロ
    (12)サントリー小ホールでの発表会(バイオリン)
      オベルタス
    (13)サントリー小ホールでの発表会(声楽)
      ベッリーニ“Oh! quante volte, oh quante”
    (14)JAO福岡(バイオリン)
      ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」
9月 (15)職場合唱団(ソプラノ合唱)
      ドヴォルザーク「スターバトマーテル」
    (16)コンクール一次予選(バイオリン)
      カイザー8
    (17)コンクール一次予選(声楽)
      ベッリーニ“Oh! quante volte, oh quante”
10月 (18)オケ(バイオリン)
      マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」
    (19)発表会(太極拳)
      二十四式&太極扇
11月 (20)発表会(トランペット)
      ティコティコ
    (21)コンクール二次
      ベッリーニ“Oh! quante volte, oh quante”
12月 (22)オケ 定期演奏会(バイオリン)
      ガーシュイン「キューバ序曲」
      ジェイコブ「ハーモニカとオーケストラの5つの小品」
      モンティ「チャルダッシュ」
      ピアソラ「リベルタンゴ」
      ドヴォルザーク「交響曲第8番」
    (23)職場合唱団クリスマスパーティ(声楽)
      プッチーニ「歌に生き、恋に生き」
    (24)ミニ発表会(トランペット)
      虹の彼方に

ふう~、・・・・・・書くのも疲れるリストだけど、個人的にはあと2~3回はやりたい本番があったので、スケジュールさえ合えばもっと詰め込めるかな。本番を経験するたびに着実に何かがステップアップすることを実感できた、そんな一年だった。

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【DVD鑑賞録】オッフェンバック/喜歌劇 《天国と地獄》

2011-12-22 23:07:53 | オペラ・バレエ鑑賞
「天国と地獄」といえばフレンチカンカン・・ラインダンス・・運動会・・・全員集合・・・カステラ・・・。物心ついた時から、「8時だよ全員集合」の定番ネタとして、毎週のように私の耳に入ってきていた。そうそうオネエさんの中に高木ブーが混じっている奴ね。私の場合「カステラ一番」より「8時だよ全員集合」のそのネタの方が思い入れがある。

家にあったレコードで、《天国と地獄》の序曲があり、それを初めて聴いたのは中1の頃だったか・・・もう興奮しちゃって。でも、それよりも興奮したのは初めて生で見た時。大学1年の時に、友人とウィーンフォルクスオーパーの日本公演の「メリー・ウィドー」を見に言った時、劇中にフレンチ・カンカンが出てきた。何でレハールの曲なのにオッフェンバックの曲が混じるのだ・・・という疑問はともかく、8時だよ全員集合の拙い踊り手のダンスしか見たことのなかった私は、鼻血が出そうになるほど興奮した。女の人達たちは足を上げているだけではなくて、スカート履いてるのに、側転をバシバシ決める。男性陣は長い脚を見せびらかすように、まっすぐ90度に上げて行進する・・・私は思わず手拍子に力が入りすぎて、イヤホンガイドを落っことしてしまった。だが、興奮しつつも一筋の冷静さが私の心に残っていた。この人達ウィーンの人達だよねって。やはり折角なら本場フランスのを見たいよ。

で、念願かなってようやく《天国と地獄》のDVDに出会ったわけであるが、予想していたのと全く違っていた。一言で言えば、ものすごくふざけている。でも、素晴らしくて新しさを感じる。

多分、悲劇より喜劇の方が表現が難しいのだ。私の薄っぺらなオペラ鑑賞経験から言うと、面白おかしいストーリーであるもの程、演出のよさが光っている。演出がよいからこそなのか、また違う演出も見てみたいと思う。このDVDもそんな気がするDVDだった。

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指揮:マルク・ミンコフスキ
演出:ローラン・ペリー
演奏:リヨン国立歌劇場管弦楽団&合唱団/グルノーブル室内管弦楽団
出演:ユリディス…ナタリー・デセイ(ソプラノ)
オルフェ…ヤン・ブロン(テノール)
プリュトン…ジャン=ポール・フシェクール(テノール)
ジュピテール…ローラン・ナウリ(バリトン)
世論…マルティーヌ・オルメダ(アルト)
収録場所:リヨン国立歌劇場 《1997年収録》
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ここまで女装の男性ダンサーが活躍するオペラ&オペレッタは初めて見た。普通の格好をしたら結構男前であろう男性ダンサー達がチュチュを着て踊る。その中には女性ダンサーも混じっているのだが、女性ダンサーもわざと中性的にオカマッポい仕草をするので、遠くから見ると全員女装男性ダンサーに見える。

例のフレンチ・カンカンの部分は地獄で踊られる踊りで、何と合唱付きなのだが、黒いスカートの男性&中性ダンサー達が実にふざけた踊りをする。ふざけて見えるけど、多分難しいのだ。単なる脚上げじゃなくて、ちょっとアクロバティックだ。想像してたのとは違ったけど、フレンチ・カンカンの部分を何回も戻して、何回も見てしまった。

それ以外にも、何から書いてよいかわからないほど、変てこりんで面白い箇所がいっぱい。私はバイオリンソロの部分が大好きなのだが、オルフェが作曲したえも言われぬ美しいメロディーを、妻のユリディスはその曲を聴くまいと、猛烈に嫌な顔をして耳栓をするのだ。舞台上に出てくるソリストは、主人公が「ああ嫌だ嫌だ」といって騒ぎまくる中、えもいわれぬ美しい音楽を奏でなければならないという、稀有なシチュエーションにおけるプレッシャーと闘わねばならない。

ユリディスの歌はふざけているようでものすごく技巧的。コロラトゥーラの連発だけでなく、High-FやHigh-Gまで綺麗に決める。ハエに変身したジュピテールと絡む猛烈にいかがわしい場面で出すHigh-Gはピッチ・音質共に最上級のものであったが、場面が場面だけに「よくやるなぁ」と舌を巻いた。

で、何故このDVDには、私が小さい頃から慣れ親しんだ序曲がないんだろう・・・と思って調べて見たら、オッフェンバックのオリジナル版には序曲はなかったのだということを初めて知った。1860年のウィーン初演(ドイツ語版)のために、カール・ビンダーが劇中曲を編曲して作ったんだね。

ストーリーもギリシャ神話のパロディーなのでハチャメチャ。とにかく一度見てみるしかない作品だと思う。
コメント (5)
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たまには年末らしい写真を

2011-12-21 23:45:16 | ただの日記
こんな気持ちで年末なんか迎えられない・・・と気持ちでは抗しつつも、無情にも年末が押し寄せてくる。今日は職場の忘年会だった。ま、たまには年末らしい写真もいいでしょ。



東京駅近くの「彩」という店なんだが、箸置きが超変わっている。私はどうしても木刀用の鍔を想像しちゃうね。この箸置きはそのままコースターにもなるわけだが、グラスを置くたびに、ガチャンという音がする。



頼んだのは二色鍋。上が石狩鍋で、下が塩ちゃんこ。両方ともとても美味しかった。



何故かコンロの四隅にクリップがはめてあるんだよね。鍋がズレないようにするためかな?



生ビールのジョッキに「キンキン」表示。むしろ夏に見たいデザインではある。で・・・忘年会は大いに盛り上がった。



同じビルにあるタイ料理店の外側にあったオブジェ。カンボジアで見たアプサラ像を思い出すなぁ。



この特大クリスマスツリーを見て、写メを撮る疲れた見知らぬサラリーマンが複数名。ちょっと同じ匂いを感じてしまったり。そういえばまだクリスマス来てなかったんだ・・・とあらためて思い出した。



ちらほらとカップルの影のちらつく通り道。



途中通り抜けたビルの中でこんなのをやってた。



色んな作品が並んでいる。



東北への応援メッセージを記した作品も。



私が一番気に入ったのはこの作品。

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【DVD鑑賞録】ヴェルディ/歌劇《椿姫》

2011-12-20 23:45:45 | オペラ・バレエ鑑賞
「椿姫」の二文字を見ると、色んなことを思い出してしまうよ。

物心ついた頃、ふと見たテレビから躍動感あふれる素敵な二重唱が聴こえ、あれは何という曲だろうと思ったのが、このオペラとの初めての出会い。その何年後かに、音楽鑑賞の時間にその曲がオペラ「椿姫」の「乾杯の歌」であることを知った。

図書館で借りたレコードをホームステイ先の唯一のカセットにダビングしたら、音が猛烈に狂って波打っていて、頭の中で音程を矯正しながら聴いた日々。映りの悪い小さいテレビで必死に見た日々。そして、お世話になったある方の追悼で演奏した時のこと・・・など。

でも昔見た映像の記憶に頼っていたので、今あらためて通して見ると、不正確に覚えていた部分もあった。っていうか、ガキだったから分からなかったんだな。

このDVDの出演者は以下の通り。

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指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ
演出:リチャード・エア
演奏:コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団・合唱団
出演:ヴィオレッタ…アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
アルフレード…フランク・ロパード(テノール)
ジェルモン…レオ・ヌッチ(バリトン)
フローラ…リー=マリアン・ジョーンズ(メゾ・ソプラノ)
アンニーナ…ジリアン・ナイト(メゾ・ソプラノ)
収録場所:コヴェント・ガーデン王立歌劇場《1994年収録》
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ヴィオレッタ役のアンジェラ・ゲオルギューは大変美しい。最初、線が細すぎるかなと思ったのだが、第3幕の鬼気迫る演技は素晴らしかった。椿姫の初演は、ヴィオレッタをあまりにも豊かな身体つきの人が歌ったため、結核で瀕死の状態という設定である第3幕の共感性が得られずに失敗したと聞くので、このくらい線の細い人の方がいいのかもしれない。

また、この演出では、死の間際にふと痛みの感覚がなくなったヴィオレッタが、自分に力がみなぎってきたものと思い込んで走りまわり、意識が途切れた時にアルフレードに抱き止められて息絶えるのであるが、その様子がとても涙を誘うものだった(以前見た演出だと立ち上がるだけだったような気がする)。

若い頃は、話が進むにつれて暗くなっていく展開に耐えられず、第一幕と、第二幕の最初、第三幕の闘牛士の合唱ばかりを聴いていたけれど、全幕をちゃんと観れるほど私は大人になったのだなぁ。

第二幕の冒頭のアルフレードのアリア後半でテンポの速くなるカヴァレッタ・・・一番最初に聞いた録音がハイCだったので、私の脳裏には「ここはハイC」と刻まれているのだが、映像で観る時、何故かハイCになかなかお目にかかれない。このDVDでも下げて歌っていたので、そこがちょっと残念。
コメント (4)
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【入浴剤】ソフトクリームバスフィザー

2011-12-20 00:16:59 | 入浴グッズマニア
この寒い日に、わざわざソフトクリームをお風呂に入れたいと思う人なんているのか?

入浴剤は冬が稼ぎ時のはずなのに、なぜその季節感を否定する形の入浴剤を作ったりするんだろう。特に水色の奴なんて、寒気をそそるねぇ。

確かに暖房のガンガン効いた部屋で食べるアイスクリームは冬でも美味しいかもしれないが、あいにくうちのアパートは暖房が効かないんでねぇ~、寒い時はとりあえず風呂に飛び込んで談を取るわけよ。

じゃぁ、何故こんな入浴剤を買ったのかって? そりゃぁ、以前も書いてる入浴剤の安売りセットの中に混入していたからですよ。面白いのもありゃ、つまらないのもある。まぁ、ネタになるという意味で、これも面白い入浴剤のうちには入るのかもしれないが。



ということで、とりあえず一番無難そうなチョコレート味にチャレンジ。



まず成分を見てみよう。炭酸水素Na、クエン酸、三リン酸5Na、硫酸Na、セルロースガム・・・・。

入ってみた感じは、圧倒的に炭酸水素Na(重曹)が多いという感じ。肌の表面がぬるっとした感じになり、汚れがよく落ちる。

ただチョコレートの香りはあまりしないな。お湯はうっすら暗い色になるけど、甘ったるい匂いがしないので安心して入れる反面、物足りない感じ。

これから他のフレーバーも試してみようと思うが、敢えてコメントを追記するかどうかは微妙だなぁ。

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