さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】世界は文学でできている

2024-10-31 23:55:30 | 読書録

沼野光義 編著/光文社

本を読む割には、「文学」をあまり読んでいない私・・文学を読む重要性をこの年になって理解し、頑張って読むようにしているが、果たして何を読んだら良いかよくわかっていない。

小説じゃなければ、通常タイトルをみれば何について書いてある話かわかる。自分がそのテーマについて知りたいからその本を読むわけである。だが、小説となるとタイトルを見ただけで、内容を類推できるものは少ない。

ということで、いわゆる言い尽くされた国内・海外の文学以外に、新作も含めたおすすめ本を提示してくれているのはありがたい。何を読んでいいかわからなくなったら、この本のおすすめ本にチャレンジしてみたいと思う。


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【読書録】暗夜行路 後編

2024-10-29 21:31:50 | 読書録

志賀直哉/岩波文庫

断片的には覚えている箇所が多かった。やはり読みなをしてよかったぞ。

中学生の私には、謙作と直子の間にできた赤ん坊が病気で亡くなってしまう下りは理解できたが、謙作の留守中に要と直子が何をしたのかまでは正確には理解していなかった。

ただ十中八九悪いのは要であり、その後、要という名前を見る度に、悪いことをした奴・・みたいなイメージが付き纏ったことは覚えている。読み直してみて今ならわかるが、志賀直哉の文章の上品さとギリギリの表現力に思わず感服してしまった。

しかしまぁ、なぜ直子ばかり辛い目に遭って、要はなんの制裁も受けていないのか・・という疑問は残るのであるが、謙作自身も母と祖父の間の不義の子であり、怒りの持っていき場がないのだろう。もう一人の子供が生まれて夫婦仲が改善するかと思ったが、謙作の軽率な行動により直子は怪我をしてしまう。

謙作はその後自分探しの旅のようなものに出かけるが体を壊し、瀕死の状態の中、直子の名をうわごとのように何度も呼び、直子は駆けつけて、この人が死のうが生き延びようがこの人についていこう・・と決心するところで小説が終わる。

自分自身が出生の秘密を抱えているだけに、他の人のように問題が片付かない・・主人公の煮え切らなさが印象に残る作品である。主人公はやたら旅をするが、中学の私ではまるで土地勘がなく、そういうシーンは右から左へ抜けたに相違ない。でも今なら伊勢神宮やソウル近辺、京都のあたりはわかる。尾道はちょっとわからないけど。

ということで、昔読んだ気になっている本を読み直すことの意義を大いに感じた。


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大河ドラマ「光る君へ」第41話を見て

2024-10-28 22:25:19 | ドラマ鑑賞

一条天皇が亡くなり、三条天皇の時代になりましたが、三条天皇と道長が不仲であったのはよく知られた話で、その不仲さがどのようにこの番組で演じられるのか・・というのは興味深いところ。

どうやら当番組では三条天皇の方を、アクの強い、やや腹黒い人物として描き、道長に揺さぶりをかけてきていますが、道長はそれに乗りません。だが道長と明子の息子である顕信はそれを理解せず、勝手に出家してしまいました。

ドラマでの三条天皇はまるで平家と源氏を戦わせ、義経を踊らせて頼朝を牽制しようとする後白河法皇のようですね。道長のブラックな部分を引き受けていた晴明が亡くなった今、道長はややブラックに傾いてきてはいますが、そこは理解のできる範囲のブラックさであり、やはり三条帝の方を悪者にするつもりなのでしょう。

また紫式部日記で、清少納言をなぜディスっているのか・・という背景になりそうな話を挿入。ここでも小納言役のウィカ様が名演。いやはや、誰でも彼女をディスりたくなりますわ・・・。

道長に反発して力をつけようとする彰子。実際彰子は今後大変重い存在になっていくのですが、そのきっかけに伊藤健太郎君に語らせるとは・・・。どんな人の話もよく聞き、自分で咀嚼した上で、他の人に提案してしまうまひろの能力がここでも発揮されることに。だからみんなを魅了する物語が書けちゃうのだとも・・・。


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映画「インフェルノ」を見て

2024-10-27 23:19:49 | 映画・番組等、各種鑑賞録

ムービープラスから録画した、トムハンクス主演の「インフェルノ」を見た。ダヴィンチコード、天使と悪魔を見てきたが、3作目のインフェルノは「天使と悪魔」に出てくる「反物質」を人類を半数以上死にいたらしめるウィルスに変えたような話だった。まぁ、反物質よりはウィルスの方が現実味があるんだけど。

結末は見えているけれど、フィレンツェ、ヴェネツィア、イスタンブール・・と私も旅したことのある懐かしい景色を見て、英語の合間に時折飛び交うイタリア語(なぜかイタリア語は字幕なし)に少しいい気分になった。

アヤソフィアの中にあるエンリコ・ダンドロの墓。塩野さんの本にも何回か登場した人物。十字軍をコンスタンチノープルに向かわせて東ローマ帝国を滅亡させ、ラテン帝国を立てた人物だ。世界史の授業ではヴェネツィアの悪徳が強調されていたが、塩野氏はそうは思っていないようであった・・・。

話を映画に戻すと、前半は誰が味方なんだかわからず、ハラハラする展開。それが解明できてからは安心して見ていられるが、前半部分のハラハラがないと月並みな作品になってしまうので、それはそれで良いのかなと思った。


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【読書録】変身

2024-10-23 23:29:40 | 読書録

カフカ/高橋義孝訳/新潮文庫

今頃読んでるのかって怒られそうだけど、若い頃は虫になった男の話など興味なかったからねぇ。

今になって、読んでなかった世界の名作を少しずつ読み始める中で、そういえば虫になった後、結局どうなったのかわからないぞ・・・と思って読み始めたのだ。

しかしまぁ、理不尽極まりない話だ。

我々は、具体的な虫に突然なってしまうことはないだろうが、これに類することはありうるし、それを象徴してるんだろうなぁ・・と思った。

例えば病気と大怪我とか老衰とか、思想かぶれとか、その他が原因で、家族が言っていることはわかるものの、こっちの話は全く家族に通じなくなってしまう・・・見かけも変わってしまい、そもそも家族だと思ってもらえなくなってしまい、厄介者として扱われ、食べるものも食べられなくなり・・・私自身がそうなることも、逆に私自身がここに書かれた家族のような行動をとってしまうことも、どんなにそうしたくないと思っていてもそうなってしまうことはもしかしたらあるかもしれないのだ。

ということで、単に虫になった男の話では終わらない問題意識を我々に投げかけてくるのだ。

やはりこの本も学生時代に読んでたら、そこまで思いを巡らさなかっただろうなぁと思うのである。


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大河ドラマ「光る君へ」第40話を見て

2024-10-22 23:31:44 | ドラマ鑑賞

主上は、寝る時は冠を取らないのだろうか・・という素朴な疑問を書くチャンスを逃し・・今回は一条帝の急な変調から崩御への場面が詳しく語られる。

本当は定子の子である第一皇子敦康親王を東宮にしたかったのに、道長に負け・・というか道長の意を組んだ行成の説得に負け、彰子の子で道長の孫である敦成親王を東宮にせざるを得なかった。ここでの第一の見せ場は、道長に「お前は無理しなくて良い」と言われていた行成がやたら頑張ること。行成はやっぱり道長が好きなのではなかろうか?

そして一言の相談もなかったと言って彰子が道長に怒りをぶつけるところ。帝を再説得に行こうとするところを道長に止められる。中宮なんてなんの力もないと悲嘆にくれる彰子。でもこの時のことを糧に彰子は後年大変頑張ることになるのだ。(ま、こんな言われ方したら悔しくて頑張るよ・・と思ってしまうような方向に演技された道長も素晴らしかったということなのかも)

そして伊藤健太郎君・・私は今日俺の大ファンだから、テレビに復帰してくれて嬉しいよ・・・っていうか光る君へでもやってることは今日俺とほぼ同じだったが・・・。

それにしても臨終の床にある一条天皇の美しさよ・・・。丸坊主になってもひたすらに美しかった。


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赤坂で久しぶりにセッション参加

2024-10-21 23:02:01 | ただの日記

今日は、久しぶりに赤坂のカーサクラシカへ。

再び恥をしのんで、最初はヴァイオリンでスペイン交響曲。

先日久我山で演奏した時の動画を見て、ボーイングの角度が乱れていたので、この一週間暗譜で弓の角度をよくチェックしながら弾く練習をしてきた。先週末のレッスンではその効果が少し出ていたのだが、今日は事前合わせなしのぶっつけ本番にてそんな余裕はなく・・・。でも前回すっとばして帳尻合わせをした箇所もだいぶ弾けるようになってた。引き続き緊張すると指の動きが潰れてしまって動かなくなってしまう箇所があったため、また師匠とも相談して対策を練ろうと思う。

その後、色々上手な方の演奏を拝聴。私より遥かに上手なバイオリンの方もいらして、その人の演奏を聴くに、音程もさることながら、自分のボーイングには思い切りや勢いが足りないと思った。そうすることで表現力の幅がもう少し付けられるのではないかと思った。フルートの方もたくさんおられたが、みんな上手! 声楽も私の知らない曲が結構あって勉強になった。

第二ラウンド目に、まだ練習開始まもない(師匠の前で1度さらっと歌っただけ)の神戸孝夫さんの「さくら横ちょう」を歌った。さっきと客席の空気がまるで違うことに驚いた。続けて歌ったレハールの「愛は地上の天国」は今週急遽歌うことが決まったため、全く歌詞がこなれてなくて勉強し直しが必要なことを痛感。譜持ちでもドイツ語歌詞がまるで見えないことにショックを覚える。私も目が悪くなったものだ。

第三ラウンドはロベルトデヴリューの「生きるがいい、裏切り者よ」を歌ったが、私が時間の関係で巻き気味に歌い、ピアニストの先生が知らない曲だったにも関わらず、完璧に合った。ピアニストの先生によると、私は歌っている時の場合、次に何をやりたいのかがよくわかるため、とても合わせやすいんだそうだ。逆にいうとバイオリンではそれがわかりづらいとのこと。おそらくは歌の時の深い呼吸のおかげだろう。バイオリンでも呼吸は気をつけているつもりだったが、歌の時に比べると遥かに浅い呼吸でやってる。おそらくそれが先ほど書いた演奏の勢いや思い切りと関係してるんだと思う。本番まで日が無くなってきたが、そういうことに気をつけて改めて練習していきたいと思う。

それにしても一番練習してない(練習回数10回未満)「さくら横ちょう」を歌っている時の場の空気が忘れられない。日本歌曲をちゃんと歌うようにすれば、日本語だけに、ここ日本では一番聞く人の心に響くのかもしれない。


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金曜ロードショー「アリス・イン・ワンダーランド 」を見て

2024-10-20 22:43:06 | 映画・番組等、各種鑑賞録

映画を見に行って、帰ってきてまた映画を見るという充実した日!

「不思議の国のアリス」は読んだことも見た事もなく、鏡の国のアリスは読み始めたがつまらなくて冒頭で挫折した私だが、この映画は面白かった。「前に来た時は・・」と何回か触れられているのは、原作の話だろう。でもこのアリスは全く覚えていない。

なんか、アリスの話にパイレーツオブカリビアンとロードオブザリングとネバーエンディングストーリーの要素が入ってるわね。

アリス・・現実に戻っても海に出ればあの帽子男とも再会できるに違いない・・・。

とても行動的でスケールが大きく、しかも優しいアリスに好感が持てた。


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映画「スオミの話をしよう」を見に行った

2024-10-20 19:31:02 | 映画・番組等、各種鑑賞録

今日は、朝、鶴ヶ峰のカラオケまねきねこで2時間練習した後、ゆめが丘ソラトスへ、「スオミの話をしよう」を見に行った。

感想について意見の分かれる映画のようだけど、三谷幸喜ワールドが好きな私は面白いと思ったな。

鎌倉殿の13人を中心とする大河ドラマ俳優に俺たちの轟まで加わって、演技力で魅せてくれた。

西島秀俊が料理上手キャラなのは他のドラマでもそうだったが、遠藤憲一まで料理上手で・・松坂桃李はチャラくてキレッキレなよく出していたし、坂東彌十郎はそのまんま坂東彌十郎だったけど良い味を出していた。長澤まさみのスタイルの良さには惚れ惚れする。

でも全部をひっくるめて、ゾクッとするほど良い演技を見せたのは宮澤エマだった。

ということで全体のストーリーよりも何よりも役者さんの演技や笑わせるツボを捉えている所などがよかった。

しかしこの映画にフィンランドとしてのスオミを求めて行くと裏切られることになる。

もしスオミをコマに、フィンランドを韓国に置き換えても、全く成り立ってしまう物語である。

・・・・・

スオミといえば、私は中学に入学した時に初めて歌った校内合唱コンクールの課題曲が「スオミの歌」という曲で、今でも1番はほぼ歌える。スオミ→フィンランドについて、うちの職場のスミオという名前の先輩が熱く語っていたので、ちょっとフィンランド的なものを求めて行ったのだが、スオミは99%人の名前としてして連呼されていたので、旅情を味わうことはできなかった。でも別の意味で面白かったからそれは許せる。

許せないものがあるとすると、コラボ商品として売られていたシナモンロールが値段の割に小さかったことくらいだ。


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オウムを描いてみた

2024-10-19 23:36:52 | イラスト(その他)

昔、長崎バイオパークで撮ったオウムの写真をもとに描き起こしてみたよ。

▼まずは、ハガキサイズの紙に、耐水性アクリル黒インキで輪郭線を描き、多めの水で解いた水彩絵の具でさらっと塗ったもの。こっちはあっという間に塗れてしまう。

▼で、こちらは無印のF4サイズ(A4とB4の中間の大きさ)のスケッチブックに描いたもの。

とにかく水を吸わないし、色づきもよくないので、最初全体に薄い色をつけた後は、なるべく水を使わずに濃い目の色をどしどし重ねてやっと描き上げた。出来上がってみると、なかなかいい感じにできたので、サインを入れて、100均一で買った300円の額に入れて飾ってみたよ。

う〜ん、300円の額っていうのは本当にペラペラでチープですね。でも私の絵もチープだから仕方ない。もっと上手になってから、もっと良い額を買いましょう。

でも、一応額に入って部屋に飾ると、ちょっと嬉しい。これからは、気に入った作品はとっかえひっかえ、額に入れてしばらく飾ってからしまうことにしましょうか。

絵画教室で、ちゃんと水彩に適したスケッチブックを買ったので、来週からはこれに描きましょう。


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三峯神社を描いてみた

2024-10-18 23:53:16 | イラスト(その他)

去年の春に行った、三峯神社を描いてみた。

神社がカラフルで素敵なのと、杉の大木が神々しいのと、神社の前の火消し桶みたいなのが時代劇みたいな趣があるのが面白くて。

▼まずはハガキ絵として、黒い輪郭線を入れて描いたもの。

こっちはチチャっとあっという間に色付けできてしまう。

▼こっちは無印のF4サイズ(A4とB4の中間)のスケッチブックに描いたもの。

こっちは、紙が水を吸ってくれないのと発色がよくないのに閉口。

尚、ハガキ絵をそのまま拡大した構図で書いているつもりなのに、なんとなくサイズ感が違ってしまって、ハガキ絵に描かれていないもの(人、火消し桶もう1セット、杉もう1本など)。

ただ、これが輪郭線を入れない普通の水彩ならではなのかもしれないけど、なんかバランス悪くてなんか足りないなぁと思ったら、上からじゃんじゃん追加で描いてしまえる(実は右側の火消し桶はそうやって描いたもの)楽しみがあるな。人は猛烈にいい加減に描いた割には人らしく描けてよかったな。

大きい絵はなかなか1日では書き終わらず、今週は毎日絵筆を持って、ちょこちょこと直してた感じ。やっと出来上がった。ハガキサイズの絵ばかり描いてると、大きな絵を描くのは大変ね。


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【読書録】「一気読み西洋美術史」

2024-10-17 23:53:52 | 読書録

ナカムラ クニオ/日経BP

図書館でも大変人気の本で、順番待ちをして借りたが、期待を裏切らず、とても面白かった。

先日同じ著者の別の本を読んだけど、その本と比べてもこちらの方が面白かった。

特にびっくりだったのは、油絵は西洋美術の専売特許じゃないってこと。バーミヤンの大仏の背景や、日本の玉虫厨子の絵だって油絵だっていうのだ。油絵の油って具体的に何という話だけど、アマニ油とかケシ油とか紅花油とか色々あるようで、玉虫厨子はケシヤクルミの油を使っているとか。ちなみに西洋の油絵はさらにテレピン油を混ぜて使っているようだけど。いずれも空気中で固まる乾性の油だとか。

その油絵の前はテンペラ画が使用されており、固定剤として生卵の黄身が使われていたと。

テンペラは乾きが遅いのでゆっくり作業ができるが、フレスコ画は速く乾くので作業を急ぐ必要があるとのこと。レオナルド=ダ=ヴィンチは遅筆だったので、最後の晩餐を描く時、乾いた漆喰の上にテンペラに油を混合して描くという手法を編み出し、絵は完成させたが、ダヴィンチの生前から絵の崩落が始まったのだという。

一方チューブ絵の具は印象派からで、その前は豚の膀胱に絵の具を詰めていたのだという。

我々は便利な時代に生まれてよかったな。


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大河ドラマ「光る君へ」第39話を見て

2024-10-16 23:26:24 | ドラマ鑑賞

今回は伊周と惟規(のぶのり/まひろの弟)の死が描かれました。

藤原惟規については、越後にて早世することは知っていましたが、まさかせっかく出世したのにその直後に越後に行く途上で体に変調を来たし、越後に着いた所で亡くなるという設定は想定していませんでした。

しかしあのように具合悪い中で、抱き起こされながら、しかも毛筆で、よく辞世の歌が書けますね・・平安貴族は日頃そういう訓練をしていたのでしょうか・・。惟規の死は、残された家族に何かを与えたようです。日頃まひろに反発ばかりしていた賢子が、弟の死に嗚咽する母まひろに優しく接している様子・・これからの展開に期待がもてます。

そして伊周。最後の最後まで道長を恨んで死んでいきました。しかしドラマには描かれないけれど、伊周の娘は道長と明子の息子である頼宗に嫁ぎ、女系ながらも鎌倉時代の九条兼実に繋がっているんですね。興味深いことです。隆家の立ち回りにも期待するところです。

道長はだんだんダークな性格を見せてきました。元服して彰子と離れ離れになる敦康親王。彼の前途には悲しさしか見えません。次回は一条天皇の体調不良に彰子の激昂・・どのように描かれるか楽しみです。


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【読書録】暗夜行路 前編

2024-10-15 21:39:42 | 読書録

志賀直哉/岩波文庫

私は学生時代、現代国語が大の苦手だった。古文漢文なら満点近い点が取れるのに、現代国語は漢字の書き取り以外てんでダメだ。だって、子供に大人の夫婦の会話を理解せよと言われてもわからんだろ? でも正解する人はするのである。私なんて、テストの裏に自作の短歌を10首ばかり書いておいたら、先生が短歌の分ですと10点加点してくれて、それでも平均点に届かなかった奴なのだから。

ま、「小僧の神様」や「城崎にて」を書いた志賀直哉ならもっとわかるだろうと、中学生の頃「暗夜行路」に挑んだはずなのであるが、内容を全く覚えていないのはどうしたことだろう・・・と、再び手に取ってみる気になったのである。

最初の、屋根に跨って母親に怒られる話は覚えていた。どっかの長文読解問題にも出てたからな。だがその後、芸者遊びの話が延々と続き、どこが面白いのやら・・こいつら暇なのか?と思いながら読み進んだ。ま、女子校の中学生に芸者遊びの話が分かるわけがない。

で、前編の中盤以降、主人公の謙作は、父の子ではなく、祖父の子であったことが判明する。ああ、これ、確か国語の先生が言ってたな。でもガキだった私は、そこに何の問題があるのか、全く理解していなかったのである。「おじいちゃん子で何が悪いんか・・?」

ということで、あの、わからないながら一生懸命ページを繰っていた時間は全く無駄であったようだね。

今ならわかる。謙作の出生の秘密が暴露されてからやたら面白くなってきた。そして父親違いの兄さんの信行ってなんていい人なんだ。お兄さんの弟に向けた手紙文に結構感激してしまった。

不義の子として生まれながら、父親・・つまり祖父の妾を愛してしまう・・なんかどろどろな話はどこかでスッキリするのだろうか? 何にも覚えてない私はフレッシュな気持ちで後編に挑もうとしている。


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久我山にて、素敵なコンサート

2024-10-14 23:35:20 | ただの日記

今日は朝から久我山へ。

全く土地勘がないところなのだが、コンクールの歌曲部門で伴奏をしてくださった先生にお声かけいただいて、その先生を囲むコンサートに出演。運営はやはりコンクールでちょくちょくお会いしている方がされていて、本当に細かいところまで気を配ってくださり、充実した時間を過ごすことができた。

私自身は、来月の本番のために、恥をしのんでバイオリンでチャレンジ。ラロのスペイン交響曲第一楽章・・今まで弾いたことのない部分を含んだ新たなカットで臨んだ。私は、歌の時も言われるのだが、歌いながら伴奏の方に自分の歌いたいテンポを伝える力がない。バイオリンだとさらにダメで、ちょっとでも速くなると弾けなくなってしまうのに、自分の弾けるテンポを伴奏者に感じ取っていただくためには、今まで何回も何回も合わせるしか手がなかった。今回はさらっと一回通しただけの本番・・どこまでできるのか・・・。

でも本番中に、ちょっと怪しくなって来た時に、演奏の中で自分の弾きたいテンポを伝えて持ち直す・・ということが出来た。無論、課題は無数にあるのだが、1回だけの合わせで崩壊せずに本番を終えられてホッとした。あと今日の合わせは全くできなかったが、コンクールで歌った中田喜直の「歌をください」を最後に歌わせていただき、コンクールが終わってからの期間で熟成された先生の中でのテンポ感と、私の歌いたいテンポの駆け引きがうまくいき、何か新しいものが出来上がった充実感があった。客席にも気持ちが十分伝わったようで、コンクール関係ではない普通の場でこの歌が歌えたことをとても嬉しく感じた。

全体として、コンクールでお見かけする方、プロの方などを含む、とても熱くて濃いコンサートになった。伴奏の先生も運営の方も、これを私の出た午前の部だけでなく、引き続き午後の部もやり、かつ毎月開催されているなんて、すごいなぁと思う。他の方の演奏を聞くのは大変勉強になることなので、本当に音楽を愛し、日頃からよく勉強されているんだなと思った。

・・・・・・・・・・

午前の部が終わって会場を出ると、向かい側の植え込みにペンタス(アカネ科)が花盛り。やたらブンブンと音を立てて飛び回るものがいて、蜂かと思ったら、よくみるとスズメガのようである。

どうやらホシホウジャクというスズメガみたいね。ホバーリングしながら飛んでる姿はまるで蜂なんだけど、蜂に擬態しているということらしい。

あまりに幸せそうに蜜を吸っているので邪魔しないように、その場を離れた。


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