
有吉佐和子/文春文庫
この本は、先日、100分de名著の有吉佐和子特集で取り上げられていたので、入手してみたのだが、実は読書家お笑い芸人の太田光さんもこの本は面白いと言っているらしく、そのせいかなんだか、最近とても売れているらしい。
評判に違わぬ面白さだった。短編を繋ぎ合わせたような体裁ではあるが、全体は巡り巡ってくるような感じで、それぞれに別の世界が描かれ、有吉さんの背景知識の素晴らしさを垣間見る思いがする。
薬品古色をつける・・という話、私が小さい頃起きた、そういう薬品が使われた、某デパートの偽物展示事件を思い出すなぁ。それから私のよく知らない終戦直後の話とか。
私は、昭和生まれだけど、昭和のこと知らないなって改めて思う。
ほろほろ鳥ってそんなに高級食材だったっけ? 私はほろほろ鳥の唐揚げを大昔に1度だけ頂きましたけど、ほろほろ鳥かカエルの選択でほろほろ鳥にしましたって言われた時はがっかりして価値が分からなかったなぁ。その時喜ぶベキだったんだね。(美味しいカエルの唐揚げは別の機会に別のところで頂きましたけど、そっちの味は物凄く覚えているんだけど、ほろほろ鳥は忘れたねぇ。)
かれかかった薔薇をもらってきて乾かして枕に詰めて寝る・・どんなだろうね。随分おばあさんのように描かれているけれど、今の私と一歳しか違わない。
色んな人の手や人生、心、国境などを渡り歩いて10年経った時には、自然な古色がついたらしい・・どんなに素敵な壺だろう。絵などで示されなくても、心の中に鮮やかに素敵なつぼが浮かび上がる。まるで本物を見たかのように。
そして壺ではなくて、自分自身が旅をしてきたかのようにも思える不思議な作品。






