経済制裁とか、関税とかいうものは、それを課すことによって、自国民にも影響を与えることは間違いない。中国が行ったオーストラリア産のワインや石炭などの事実上の輸入禁止、日本産の海産物の輸入禁止などは、中国国民、特にそれで生計を立てていた人たちにとっては寝耳に水の出来事だったのである。さて、米バイデン政権は麻酔用マスクなど中国製輸入品200品目以上に対し、これまで免除してきた関税を再び課すことにした。昨今の米中対立の結果なのだが、本来、米通商代表部(USTR)は中国製品352品目と新型コロナウイルス防疫製品77品目の429品目に対して、再び関税をかけることを目指していた。しかし、それが200品目に減少したのである。その理由は、安い中国製品に代わる代替品のめどが立っていないことにある。アメリカ国民が困るからと言ういたってシンプルな理由だ。(くちなし亭、2024.05.27)
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