私は知らなかったが、多くのチョコやガム、さらに多くの食品や飲料などに少量だが、アラビアガムが使われている。アラビアガムはアラビアガムノキからとれる無味無臭の乾燥樹液で、安定剤や増粘剤、乳化剤として使われる。このアラビアガムの８０％がスーダンの砂漠地帯に生息するアラビアガムノキからとれ、人々の生活の糧となっている。そして、この地は、また、スーダン内戦の地である。国軍と準軍事組織「即応支援部隊（RSF）」が争っている。そして、共に、その資金源はアラビアガムである。人々は採集したアラビアガムを農産物の集積場であるオベイドの町へ運ぶ。その途中にはRSFの検問所があり、通行料を支払わされる。さらに、護衛と称してRSFの兵士がついて来れば、彼らにもお金を渡さなければならない。国軍は国軍で、当然、税とか、関税とかを課している。西洋諸国はこのスーダン内戦を終結させるために、彼らの資金源を断とうと考える。その一つがアラビアガムの輸入禁止だ。だが、ジレンマである。輸入禁止は国軍やRSFが困るかもしれないが、もっと困るのは、それで生計を立てている地元民たちなのである。（くちなし亭、2024.05.28）
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