人工知能生成AIに関する議論がある。生成AIを育てるのは基本的に、人間の赤ん坊を育てるのと同じなのだが、それを行うプログラマーを悩ませる最大の問題は、人間には生まれながらにして持っている特性がある。例えば、母親は子供をの危機には自らの命を顧みずに助けようと動く。母親ばかりではない、線路の中で、立ち往生している人を見れば、人はその人を助けようとする。そればかりではない、美しい絵画を見れば感動し、悲しい曲が流れれば涙を流す。立派な人だと思えば尊敬し、可愛い人だと思えば恋をする。それはそれぞれの人がそれぞれに違った形で持っているものだ。街の中でナンパを繰り返す人もいれば、山の中で孤独を求めることに喜びを感じる人もいる。それらをコンピュウターに覚えさせるのだが、結局のところ、それはそれを生み出すプログラマーの技量による。つまり、限界があるのだ。鳥取県の平井伸治知事がその使い方によっては民主主義が脅かされかねない側面があると指摘したそうだが、それ以前、私たちはまだ人間というものが分かってはいないのだ。(くちなし亭、2024.05.31)
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