スリランカのマヒンダ・ラジャパクサ首相が失脚し、弟のゴタバヤ大統領も国外逃亡して、1年が経つ。ラジャパクサ政権が事実上のデフオルトを起こし、外貨が枯渇し、輸入に頼っていた燃料や生活必需品が不足して、国民の怒りを買ったのだ。その後、大統領に就任したウィクラマシンハ氏は増税を伴う財政改革に着手し、今年3月、IMFからの金融支援受領することになった。だが、前政権のつけは大きい。最大約70%に達したインフレに増税や歳出削減が重なり、国民生活は疲弊している。国連食糧農業機関(FAO)によると、国民の17%に当たる約390万人が、食料もまともに得ていない。このような状況に、大学教授やパイロットなどの人たちの国外脱出者が増えているという。どこかで聞いた話だと思い出せば、レバノンである。レバノンもデフオルトを起こし、優秀な教師などが国外に脱出していったのだ。残された貧国者は、まともな教育も受けられないでいる。(くちなし亭、2023.07.15)
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