中国政府は日米蘭を中心にする対中半導体規制、デカップリングに対抗するために、「ガリウム」という希少金属の輸出規制を発表した。前にもこのような規制を始めて、失敗したケースがあったと思うが、この「ガリウム」は人の体温よりも低い温度で溶ける性質を持ち、主に半導体の材料として使われる。そして、現在はその9割近くが中国で生産され、主に日本に輸出されている。大阪公立大学大学院 工学研究科 東脇正高教授は「光デバイスとしては照明に使われたり、液晶テレビのバックライトなどの白色発光ダイオード。スマートフォンの顔認証に使っている面発光レーザー。日常的に色んな用途で使われている」と説明し、輸出規制が行われれば、日本に大きな影響が出るという。レアアース規制と言うのは短期的には大きな影響が出るが、長期的にはやがて、産地も拡散され、被害は鎮静化する。そして、中国は自らのほぼ独占的な市場を失うことになる。だから、どの程度やるか、いつまでやるかなどの手綱の扱いに苦慮することになるだろう。(くちなし亭、2023.07.05)
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