中国の深セン市の中心部にそびえる超高層ビル、2000年に完成した高さ約300メートルの「賽格広場（SEG Plaza）」が１８日、突然、揺れだした。あたりに地震が起きているわけではない。魔術師が念力をかけているわけでもない。このビルには大手家電製品店やさまざまなオフィスが入居している。倒壊を恐れて、買い物客や居住者は外に逃れ、ビルの周りはやじ馬であふれかえった。現在は揺れも収まり、当局も揺れの原因が何かを把握できていない。深セン、広州と言えば、不動産バブルの進行中で、不動産価格が上がり続けているところである。中国では土地は国のものなので、不動産とは建物である。土地は揺れても壊れないが、建物はそうはいかない。建物が資産であるならば、たぶん、このような揺れが一度でも起これば、資産価値はたちまち消える。習近平政権は不動産価格抑制策を声高に叫びはじめ、それに従わなかった広州のトップの人事を挿げ替えたばかりだ。中国公安部の密かな活動があったのかもしれない。それにしても不可解なビル揺れである。単純な施工不良でない方が楽しいのだが。
（くちなし亭、2021.05.19）
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