風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

武州伊豆ヶ岳

2008年07月07日 | 出版
昨日は、日曜にもかかわらず会社を休み、妻と秩父の手前にある伊豆ヶ岳に行くことにする。西武秩父線の正丸という駅からまずは伊豆ヶ岳(851m)に登り、そこから尾根つたいに子の権現(640m)というお寺に抜け、吾野という駅からもどってくるコースで、数年前に一度歩いたことがある。そのときの印象が希薄になっていて、少々なめてかかったため、今回はとてもしんどい思いをすることになった。

ハイキングに出かけるとき、いつもは5:00には起きだして、7:00くらいには出発するのであるが、さすがに連日の労働で疲れきっていて、今回は7:00に起き出し、朝食を食べて、おにぎりを作って、9:00前には家を出る。いつもコーヒーをポットに詰めるのに、体力がなくてパス。これが敗因の一つとなる。池袋発9:19分の快速でまずは飯能まで。飯能で西武秩父線に乗り換え、正丸駅へ。車中外を眺めていると、高麗川では渓流釣りをしている人もいる。池袋から〆て650円也。正丸の駅前には、自転車の女の子の集団が10名ほど休んでいた。彼女らはどこから来て、どこに向かおうとしているのだろうか。
どこかに水場があったように勘違いしていて、2リットルの空のポリタンクをバッグの中に入れてきたが、正丸駅でもらってきた西武線沿線の「奥武蔵ハイキングマップ」には水場の表示がない。ちなみにこの「ハイキングマップ」、池袋の近くに住むものとして、けっこう愛用させていただいている。秩父山系では両神山とかが通好みなのかもしれないが、車はない、一泊はできないという小生にとっては、「ハイキングマップ」に紹介されているコースで、十分である。
駅前の自販で500mlのペットボトルの水を買い、いざ出発。11:20。しかし蒸し暑い。歩き始めるとすぐに汗が吹き出てくる。徒歩20分ほどで、登山道へ入る箇所に到達。ここから先はうっそうとした森の中を、せせらぎのわきを歩くのでけっこう涼しい。せっかくの清流だから、ここで水を汲んでおけばよかったのに、ついつい先を急いでしまう。
せせらぎから別れてしばらくすると、急坂にぶつかる。「そうだそうだ、前もここを登ったっけ」と、木にしがみつきながら坂登り。この急坂は2段階に別れていて、一つの壁を登ってももう一つ立ちふさがっているからゲンナリするのだけれど、そこは経験者なので、エッチラオッチラ壁を登っていく。そこからあとは尾根伝いに歩いていけば、男坂と女坂に分かれるところまで来る。男坂は鎖場で、前回は女坂に回ってしまったから今回は鎖場をよじ登りたかったけど、前にいる学生らしい5、6人のグループがわーわー騒ぎながら鎖場にトライしようとしているから、今回もパス。それに、妻を騙して、鎖場を登らせるのも大変なのだ。先ほどの急坂のところも高校生くらいの女の子が4人で必死に登っていたが、最近、若い人の姿が低山で目立つようになってきたように感じる。
女坂から30分ほど歩くと、伊豆ヶ岳の山頂。12:40到着。ここまではだいたい順調であった。周囲が曇っていて見晴らしがいいわけではないが、山頂で食べるおにぎりは、いつも美味しいものである。しかし暑い。汗が止まらない。ここでTシャツを着替える。思えば、男はこういうとき楽である。着替えにしても、排泄にしても、さほど人目をはばからないですむ。
あまりに暑く、ここで水を全部飲んでしまう。おかげで、自販でもないと、次の水分補給ができないことになってしまった。しばらく山頂で休んでから、子の権現を目指すことにする。子の権現までは3時間ほどの道のりである。
尾根伝いに、アップダウンのきつい道のりを進んでいくのであるが、徐々に植生が変わっていくところが面白い。最初は針葉樹林帯で、そのうち南側が広葉樹・北側が針葉樹、さらに広葉樹が多数派となっていく。真っ直ぐ伸びた杉並木の間を歩いていると、日本画の世界のようだ。
しかし暑い、のどが渇く、疲労が襲ってくる。歩き始めて1時間もするとバテてきて、次の1時間はバテバテ、残りの1時間はバテバテバテで少し歩くと立ち止まって休憩というザマである。どこかで水を汲んでおけばよかったと後悔しても、まったくもって後の祭り。渇きは疲労を促進するということを体感。前に来たときは、こんなことなかったのに。さらに、後方の北西の方角からは、雷の音が響き始めてきた。天気予報では夜から雨ということだったので、雨具の用意もしていなかったから、気持ちはさらにあせってくる。
15:30、ようやく子の権現に到着。いやあ、疲れた疲れた。ネットで調べるとここは、「991年に、子の権現がこの地に十一面観音像を祀って天龍寺を創建したのが始まりである」らしいが、以前は周囲を見物したが今回は見物する余力もない。3頭身の仁王像も可愛げがあって面白いのだけれど、大きな鉄ゲタとわらじ(画像)が有名で、それだけ見て自販を探す。あったあった。200円の500mlのペットボトルの水を買い、一気にがぶ飲み。ようやく生き返った心地がした。
しかしここから吾野駅までまだ1時間以上かかる。雨が気になるので、ゆっくり休んでもいられない。水分補給して一服したら、早々に駅に向かうことにする。
ひたすら長い下り坂を歩いていくわけであるが、疲れた足に、下りは効く。しかも、途中から雨が降り始めてきやがった。妻は折りたたみ傘を取り出し、こちらはアルミのシートをかぶることにする。ところがシートをかぶると熱が逃げないので、クソ暑い。おのれの汗の臭いにうんざりする。しかし、心配していたほどの降りではなく、下ってくるにつれて、雨が上がってしまう。
ようやく吾野駅に辿り着いたのが17:20。駅前の売店がシャッターを下ろしているところであった。こちらは電車の時間に関係なく一休みしようとしていたのだが、売店のオバチャンが飛び出てきて、「次の電車は27分だよ。これを逃すと6:00すぎまで何にもないよ」と親切に声をかけてくれるので、あわてて帰りのチケットを買うことにする。
 「なにか、ほしいものない?」
 「ビ、ビール」
 「アサヒとキリンとどっち?」
 「キリンの長いのお願いします」
 「長いのないんだよ。ごめんね」
ということで、オバチャンは閉めたシャッターを開けて、中から350mlのキリンを2缶持ってきて、「はい、580円ね」。なかなか商売の上手な人だと感心。ということで17:27の電車に乗って、帰宅することになった。帰りに「ハイキングマップ」を広げると、本日のコースは「きびしい」と記されてあった。

来週は、奥多摩の御岳山から大岳山でも目指すか、それとも箱根の金時山にでも行くか。


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