風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ジャガイモを植える(02)

2022年06月30日 | 出版
それからは、昼飯時に出た野菜くずや卵の殻をコーヒー豆かす入りぬか漬けパックに放り込み、さらなる土作りにいそしむことになった。YouTubeをまた見ていたら、バナナの皮が肥料にはいいと紹介しているサイトがあった。べつにバナナが好物というわけでもないのだけれども、土作りのためとバナナを買ってきては、皮を細かく刻んでパックに放り込んだこともあった。そこで気になる。そもそもがぬか漬けを食べれば塩味を感じる。ということは、ぬかに塩が含まれているわけである。となると、そこで植物を育てても、塩害で育たないのではなかろうか。恐る恐るぬか漬けコーヒー豆を半つまみほど取り出し、ペロンとなめてみた。苦味はあるが、塩味は感じなかった(ような気がする)。これならばいけるのではなかろうかと思いつつも、除塩の仕方をネットで検索してみた。
すると、一番は真水をじゃかすかかけるということであったが、カルシウムを混ぜるという方法も紹介されていた。カルシウムを入れれば、塩化ナトリウムが塩化カルシウムに化学変化する部分もあるから、塩の濃度が下がるということのようだ。嘘か本当かはわからないが、ならば石灰を買ってこようかと考える。といって、超ミニ園芸を目指しているわけなので、コンクリート工事用の大きなセメント袋なんていらない。まずはとにかく、近くのホームセンターをのぞいてみることにする。
オリンピック春日店に行ってみたら、まだ10:00前で開店していない。すると、白山通りの反対側に100均の看板があるのを発見。100均で扱っているくらいのしょぼい量感がちょうどいいんだよなあと考え、まずは100均へ。お店の自動ドアは開いているのに、その前でおばさん二人がおしゃべりをしている。「この人たち、買い物に来たんじゃないのかな?」と疑問に思いつつもお店に入ろうとしたら、「まだ、開店前だそうですよ」とそのおばさんたちに呼び止められた。その言葉を無視してズカズカ進める勇気など、小生にあるわけがない。おばさん二人の後ろで開店を待つことにした。開店時間となり店内を探してみたものの、しかし、100均が石灰なんて扱っているわけがないか。ホームセンターにもどることになる。
オリンピック春日店は箆棒に広いお店というわけでもないのだけれど、農業用石灰なんてどこに置いているのかわからない。店員さんに「石灰ってどこにありますか?」とたずねたら、「園芸用ですか?」「それでしたら、こちらです」と売り場を案内される。見ると、苦土石灰という商品もあるようだ。「この苦土石灰ってなんですか?」とたずねたら、「カルシウムだけじゃなく、マグネシウムも入っています」と丁寧に教えていただいた。マグネシウム入りか、なにやらさらにありがたそうなので、粒状1キロの袋を買うことにする。
一方、土作りばかりをしていたわけでもない(しかし、仕事はしていない)。植えるジャガイモのタネの仕込も始めていた。といって、種芋なんかをホームセンターで買うわけがない。スーパーで食用に買ってきたジャガイモのなかから大きめのものを二つ選び、育てている松の隣に置いておき、一緒にライトを当てていただけである。YouTubeで見たものによると、植える種芋は1、2週間日の光を当てておく。そこで芽が出てきたら、畑に植えるとあったからだ。
するとある日、某用で弊社に来ていたEババの目に、そのライトを当てているイモが留まった。「腹巻くん、これ、なにしてるの?」「ジャガイモ育てようと思っていて、その準備ですよ。発芽したら、ぬか漬けコーヒー豆かすに植えようとしてるんです」「あのねえ、芽じゃなくて、根が出てくるのよ。そんなの常識でしょ」「エッ、そうなの?」「これまで農業したことないの?」と問われる。小生の実家は兼業農家だったので、ガキのころから畑作りもやっていた。そこで問われて思い返すに、ジャガイモ育てたことってあったっけなあ、思い出せない。キュウリやらトマトやらスイカという夏野菜を育てる手伝いを嫌々ながらしていた記憶はあるものの、イモ系の手伝いをしたかどうかはまったく思い出せない。おそらく、夏野菜系はもいだものをすぐにその場で食っていたから記憶に残っているのだろうが、ジャガイモは生では食べられない。印象がうすいのでメモリからデリートされてしまったのではなかろうか。
数日後、またEババご来社。「しつこいようだけど、ジャガイモってこうやって植えるんだよ」と、半分に切ったジャガイモの断面に灰を塗ったものを持参なされた。それはそれでありがたいのだけれども、こちとら、遊びでやっているだけなのだ。うまくいけばよし、うまくいかなくてもよし。ただ、それだけ。うまくいかなかった場合、もしも執念が持続していれば、その原因を究明し次に賭けるということになる。持続していなければ、そこでゲームオーバー。実世界ではそんな気楽な気持ちになれないからこその遊びとして、土作りから楽しんでいる。村作りRPGのリアル・ミニヴァージョンという感じだろうか。

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