風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ジャガイモを植える(03)

2022年07月09日 | 出版
さらに後日、Eババ、ただのぬかと茶がらまでご持参なされた。どちらも肥料として効果が高いものとされている。話は変わるが、茶がらを味噌と一緒に炒めれば酒のつまみやらご飯のおかずになる。これはOさんから教わった。それを一度、妻の前で実演してみたら妻がヘンに気に入ってしまい、緑茶をいれてはその茶がらを冷蔵庫に溜め込み始めたから辟易したものだ。単純な話、珍味系の料理は飽きるのも早い。飽きちゃうと箸が伸びないということになる。
話をもどし、ライトに当てていた種イモから出てくるのが、芽であるのか根であるのか、それはどうでもよろしい。とにかくそれがある程度伸びてきたら、いよいよ鉢に植えようと考えていた。そして、ようやくそれが2センチほどになっただろうか、植えてみることにした。その芽か根を下にし、5センチほどの深さに植えるとYouTubeにあった。そのとおりにやってみたつもりで、あとは芽が出てくるのを待つことになる。そして10日ほど経ったころだろうか、待望の芽が鉢上に現れた。やったぜ、収穫の秋が楽しみだと、期待がふくらんだ瞬間であった。
ところが、ぬか漬けコーヒー豆かすにコバエが発生してきて、わずらわしくなってきた。5、6匹が社内を景気よく飛び回っていやがる。まずは手で叩いて撃滅していたがたいした効果もないので、本郷3丁目駅前の薬局に行き「コバエがホイホイ」を二つ買ってきて鉢の隣に置いておく。ついでに「ごきぶりホイホイ」を鉢の上にセットしておいた。数日後、「コバエが~」の方はほとんど効果がない。誘引剤でコバエを容器の底に落とし込むものであるが、捕まっているのは1個あたり2、3匹ほど。「ごきぶり~」には10匹ほど引っかかっている。コバエに対して、なぜ「ごきぶり~」の方が効果が高いのかはわからないし、設置場所の問題なのかもしれない。
いやいや、のどかに分析している場合ではなかった。とにかく、社内を飛び回っているコバエをどうにかしなければならない。そこでまた薬局へ行き、次は「アース虫よけネットEX 玄関用」なるものを二つ買ってきた。玄関用とあるのだから、そこそこの範囲に効果があるのだろうと期待したわけである。それを鉢の脇に吊るしておいた。
一方、ジャガイモの方はスクスク育ち始め、二箇所目からも芽吹いてきた。しかし、社内の蛍光灯だけでは光合成に必要な光量が足りないだろうから、屋外用のLED電灯で照らしてやればいいのではなかろうかとは、このプロジェクトを始めようとしたときから考えていたことである。そこで秋葉原のヨドバシカメラへ行ってみる。スポットライト系のライトがほしいのだ。そしていろいろ探してみたのだけれども、社内の環境に合いそうなものが見つからない。スポットライト系だとレールに吊るすものがメインで、その固定化されたレールなどない条件では無理である。また、スポットライト形ではなく裸電球形態の場合だと、社内の本まで焼いてしまいそうで、それも怖い(ここでの焼くとは焚書の意ではなく、紫外線だったか赤外線だったかで用紙が茶化する劣化状態のことを指す)。
多種多様な電灯があるというのに、どれも帯に短したすきに長しという感だ。しかも、これならどうかなあと思うものほどお値段もする。『資本論』の冒頭は「資本主義社会では、その富はまず、商品の巨大な集積として立ち現れる」というような文言から始まったように記憶しているが、「購入したいものがなにもない富の集積とはなんなんでしょうか、マルクス先生?」という気分でお店をあとにすることになった。しかもその日は6月の過去最高気温を上回ったという暑さ。本郷の坂を下って秋葉原に歩いていくにしても、上って本郷にもどるにしても、とにかく汗が止まらない。ペットボトルの水で水分を補給してものどの渇きが収まらない。
しかもそのけったいな暑さのなか、アキバではメイド姿の女の子たちが熱心にカフェの呼び込みをやっている。それなりにいい時給をもらっているにしても、その健気さには、オジサン感動してしまう。それとも、この格差社会を生き延びていくうえでは、暑さなんかに負けてはいられないということなんだろうか。いずれにせよ、小生がメイドカフェに行ったところで楽しめるわけでもないし、お店のメイドさんも小生のノリの悪さにげんなりするだろうことは目に見えている。したがって、メイド姿の呼び込みに反応するわけがないのは無理からぬところ。
そういえば、十数年くらい前だと思うが、アキバのメイドカフェなるものが世間に認知し始めてきたころのこと、某出版社社長が某思想家と一緒にメイドカフェに行ってみて、そこで実際に味わうCommunication Breakdownを思索して本にしてみたいというような話をその某社長が小生にしてきたことがあった。そこでつい「エー、それって女心がわかんないだけのことでしょ」と正直に口にしてしまう。すると「だから、そこをいかに思想化するのかなんだよ。女心がわかんないで終わったら、それまでじゃないか」と、ヘンに熱く語られたものである。しかし小生にしてみれば、女心ほどわからないものはなし。

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