風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

ブタ箱物語(7)

2017年01月31日 | ブタ箱物語
釈放後ネットで検索してみたら、2016年参院選での都内の公選法違反逮捕者第一号が小生であったので笑っちゃったものである。さすがにベタ記事だろうけれど、どこかの新聞の23区版では、氏名年齢不詳の男性が「政党ポスターをはがして逮捕」と出たのかな。こんなどうでもいいようなことを報道する新聞も新聞だなあというのが正直な実感だ(新聞紙面を確認しているわけではない)。しかし、警察発表の垂れ流しは新聞社の使命で . . . 本文を読む

ブタ箱物語(6)

2017年01月30日 | ブタ箱物語
運動場を囲むパネルの隙間から、凝固したまま外を見つめている人がいる。おそらくは軽い拘禁症状に苦しんでいるのだろう。長い日数を狭い空間に閉じ込められて視界をさえぎられていると、人間は精神的にまいってしまうそうだ。小生はそれをいまだ経験したわけではないけれど、精神に変調をきたして感情抑制が効かなくなって怒りやすくなったり、涙もろくなったりして、鬱状態に陥ってしまう。ジッと外を見ている彼も、精神的にはか . . . 本文を読む

ブタ箱物語(5)

2017年01月27日 | ブタ箱物語
そうこうするうちに朝を迎えた。どうやって起きたのかは覚えていないが、おそらく職員の声で起こされたのだろう。そのうち、一番離れている房から点呼の声が聞こえてきた。大声で「何番」「はいっ」(こっちは小さい声)「何番」「はいっ」「計何名、よっし!」と叫んでいるのが聞こえてくる。お巡りさんも朝から大変だねえ。小生のように朝弱い人間には、絶対に務まらない職業だ。 そのうち、小生の房にもやって来た。全員で3、 . . . 本文を読む

ブタ箱物語(4)

2017年01月26日 | ブタ箱物語
ここで、人々を勾留する施設について説明しておいた方がいいだろう。ただし、小生は弁護士ではないし、行刑などについてくわしいわけでもないので、あくまでも素人知識であるということを断っておく。また、説明に間違いがあったらどうかご指摘願いたい。 一般にそうした施設には、留置所と拘置所と刑務所とがある。留置所というのは警察署内に設置されており、警察官に逮捕された人が一時的に入るところである。拘置所は、主だっ . . . 本文を読む

ブタ箱物語(3)

2017年01月25日 | ブタ箱物語
これまでの人生で初めてワッパをかけられたのだけれど、けっこう重いのねということがよくわかった。しかし、そのまま再び放置プレイとなったので、また椅子に座ったままウトウトと寝入ることになる。こちらは早寝早起きの健康優良児なので、深夜に起きているのは苦手なのだ。 そして、しばらくしたら起こされた。前には取り調べ担当の刑事が座っている。「弁護士選任はどうしますか?」と質問された。眠くてボケーとしたオツムで . . . 本文を読む

ブタ箱物語(2)

2017年01月24日 | ブタ箱物語
M署には取調室が三つ(か四つ)あり、その一番奥の取調室に連れていかれる。別の取調室でも一人尋問を受けているようだ。取調室といっても、狭い小部屋で事務机が一つ置かれている。その奥のパイプ椅子に座らされた。外に向かっていない側(つまりは別の取調室側)に窓があり、そこにはカーテンがかかっている。これは面通し用のものなのだろうか。こちらはバッグから、財布からケータイと、身につけていたすべてが没収されている . . . 本文を読む

ブタ箱物語(1)

2017年01月23日 | ブタ箱物語
夏が始まろうとする、とある木曜の蒸し暑い晩。気がついたら洋式の便座に座り、用便をしていた。ドアの向こうからは、若い男の声が聞こえてくる。「あれ? ここはどこだろう?」と眼が覚めた。会社で一人チビチビ酒を飲んでいた。そして、ふと時計を見たらずいぶん遅い時間になっていたので、あわてて帰ろうとしたところまでは思い出せる。しかし、そこから先の記憶はぶっ飛んでいる。 「大丈夫ですかあ?」とかなんとか、外の男 . . . 本文を読む

まずはシャバに立って歩くこと

2017年01月16日 | 出版
この春出所予定の友人からの手紙の転載。出所を前にしてずいぶんテンションが上がっているようなので、かえって心配になってしまう。(腹巻) ============================  迎春  二〇一七年です。  正直数年前までシャバに戻れると思っていませんでした。みんなに人生をもらって、支え続けてもらって、今年はシャバに戻れます。そして、みんなとの再会と出会いを実現できます。いっぱい . . . 本文を読む

連邦刑務所と東京拘置所

2017年01月14日 | 出版
拘置所在住の知人から、例によって手紙が送られてきたので、勝手に転載。(腹巻) ===========================  今回はUSの連邦刑との処遇上の違いについて少し言及したい。  年末の12・21にインフルエンザの予防接種を受けた。東拘では17年元旦に65歳以上となる者で予防接種を希望する者にそれをするということになっている。勿論、強いアレルギー症とかの者は除外されるが、それは . . . 本文を読む

叫びたし

2017年01月10日 | 出版
某氏からいただいた賀状に「渡る世間は酒ばかり……やる気ないぜ」とあり、アホかこいつはと笑ってしまった。しかし小生もやる気はないね。ところが我々として、やる気のなさを売りにするつもりはない。やる気を出したいのだけれど、それが出てこないから仕方なく酒を飲み、くだを巻いているだけだ。おかげで、これまでひとさまにはさんざん迷惑をかけてしまった。 某氏の場合はさておき、小生の場合、やる気がわかない原因は単純 . . . 本文を読む

芝大門へ

2017年01月05日 | 出版
昨年のクソオリンピックの報道があまりにうるさくて、朝のニュースを見るのがいやになってしまった。そのため、7:30からテレ東の『歴史の道 歩き旅』を毎朝見るようになってしまったのである。朝っぱら、こういう気の抜けた食レポ番組を見ていると頭が悪くなりそうだけど、精神的にはよろしい。しかし、こうやって報道に文句をつけるのならば最初からテレビを見なければいいのだけれど、『歴史の道~』がクセになっていて夫婦 . . . 本文を読む

風塵社的謹賀新年2017

2017年01月04日 | 出版
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。とはいえ、目出度さも最底辺なりおらが春、というわけで、内心ではさほどめでたくもないところです。 さて、新年を迎えたからといって、なにかいいことが始まるわけでもない。昨年なかなか進まなかった作業はそのままになっているし、お金の問題も相変わらず頭が痛い。それでも、仕事を離れて数日ボケーとしていたら、ウツ状態がいささか緩和されてきた . . . 本文を読む