風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

電話、電話、電話

2021年11月24日 | 出版
仲間内で久しぶりのサバトを予定しており、その準備であわただしい。しかしこちとら、会社の法人格消滅の危機というのに、そんなことをしていていいのだろうか。一方、悪魔の力を借りているので、炎症を起こした粉瘤の治りは順調のようだ。近々また病院に行ってくれば、もうOKかな。
それはともかく、そのサバトの問い合わせ窓口を弊社にしているため、電話やらメールでの応対が多い。これまでも何回となく窓口をしてきたが、従前の2倍くらい来ているような感じだ。そしてコロナ下ということで「事前予約をしていますか?」との質問が圧倒的である。「コロナが怖ければ、サバトなんて来るな」とは言えない。「特に行っておりませんので、会場まで足を運んでいただければ大丈夫です」とかなんとか、適当に答えている。
しかし、そのサバトでクラスターなんて発生したら、なかなか面白い事態に陥ることだろう。昨年、韓国でも似たようなことがあったけれど、「邪教集団の乱痴気騒ぎでクラスター発生!」なんてマスコミのかっこうの攻撃目標だ。その際は、小生がカメラの前で涙ながらに土下座するのだろうか。
そして電話応対をしていると、「会場へはどうやって行けばいいんですか?」なる返答につまる質問を受けることもある。
「その会場にはたしか前に一度行ったことがあるんですけど、都電の某駅から近かったんですよね?」
「いやあ、地下鉄の某駅の方が近いですよ」
「ああ、そうですか」
「駅を出て北に向かえば、交差点にぶつかって、左前方に交番があるんですよ。その裏が某神社で。その交番の前を左折して、次の角を右に曲がり、坂を100メートルほどのぼったところです」
「その神社のことは覚えていませんが、なにかランドマークのようなものってありますか」
「その神社になります」
「……。そうすると都電の駅からは、あそこの商店街を抜けて、大学の前を通り過ぎれば、その交番前に出るということですか?」
「ああ、そうです」
「じゃあ、都電からも近いじゃないですか」
「ウーン、近いっちゃあ近いですし、地下鉄からは遠いといえば遠い、ということになります」
なんとも不毛な話だ。「とにかく、事前に地図で場所を確かめてお越しください」と述べておく。こっちも忙しいのだ。これからサバトを開くときは、メール対応だけにしようかいな。
サバトで浮かれている場合ではなかった。仕事もしなければならない。某誌の入稿日なのである。先日、その入稿日をまちがえていたことは記したけれど、その日が本当にやってきている。これまでの校正で朱を入れたところを直していると、F社社長から電話が入った。
「Sさんが亡くなったみたいだけど、腹巻ちゃん、知ってる?」
「いや、初めて知りました」
「さっきIさんからそのメールが来てぼくも初めて知ったんだけど、その情報ルートが腹巻ちゃん系のようだったので、知っているかと思って」
「それも初耳だし、わし、Sさんとたいして付き合いないし。葬儀とか行くつもりないですよ」
「そうかあ。じゃあ、ぼくもいいかな」
S氏とは、F社の大ベストセラーに関わっている一人であり、その縁でF社にはよく酒を呑みに来ていた。小生もF社在籍中は、S氏の酒の相手をしばしばさせられることになったものの、一緒に呑んでいて決して愉快な人物でもなかった。彼が亡くなったからといって、片手を振って「Bye Bye Land」で終わりでしかない。
そもそも、以前F社に酒を呑みに来ていた人々って、本当につまんない連中ばっかりであった。そりゃそうだ。ただ酒が目当てのやつらなので、ということは、ろくな収入もない人々であるということになる。つまり、社会的にはだれからも相手にされない人たちということである。それが、世間の陽も当たらないうす暗がりで、不満とねたみ・ひがみを肴に焼酎を呑んでいる。そんなところで一緒に酒を飲んでいて、面白かろうわけがない。
そういう連中のなかで、S氏はまだましな方だったか。年齢が上の方だったこともあり、中二病的自己承認欲求からは少しは解放されていたように見えた。しかし、わかったようなことをしゃべるその話し方がなんとも鼻持ちならず、不愉快でしかなかったのも事実である。
そんなS氏よりも仕事である。と思ったら、そこに旧友のN氏から電話である。
「腹巻さん、ごめ~ん。この前スマホに電話もらったみたいだけど、出れなくて」
「ああ、ごめん、ごめん。あなた、司法書士さんくわしいでしょ」
「そりゃ、人並みだよ」
「それでいいんだけど、こっちはいま会社消滅の危機でさあ、法務局に書類を出さないといけないんだよ。それで自力で書類をまとめようとしたものの、素人がつまんない書類をあわてて提出して、今後、かえって自分の首を絞めることになるのもいやだし、だれか司法書士さんを紹介してもらえないかなあと思って電話したところ」
「ああ、そうなんだ。でも、ぼくの付き合いって業務上のものではないからなあ。それ急ぎ?」
「うん。かなり急ぎ。それで最小限の費用で最大限の効果を発揮してくれる人を紹介してもらえたら助かるわけ」
「ウーン、わかった。くわしい人にたずねてみるから、近日中にまた連絡するよ」
「どうもありがとう」
N氏のおかげで風塵社は消滅の危機を脱することができるかもしれない。持つべきは友人だなあと、しみじみ感じる。その昔にF社にたむろしていた人々って、友人なんていなさそうだった。

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1 コメント

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Unknown (かわばた)
2022-03-14 14:45:02
社長が●●だったとはいえ、絵本に関しては良書を出していたP社が風塵社をかばって倒産。一方、社長が●●である上、N杉Hのネトウヨオカルト本を出している風塵社が未だに潰れていないのは「石が流れて木の葉が沈む」ようなものだ。キミは大恩人であるP社のI社長のことも軽蔑して悪しざまに罵っていたが、本来ならI社長の墓に足を向けて寝られない立場だろう。

忘恩の徒には、いつか相応の報いが来るんじゃないか?
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