風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

Aさんのこと

2019年11月25日 | 出版
ある方が亡くなったとのメールが入る。その方をここではAさんとでもしておこう。正確には知らないのだが、享年は80代半ばだと思う。数ヶ月前にAさん自らのメールがあり、ガンが見つかったので手術のため入院します云々げな。80代での手術は体力的にどうなのかなあと心配しつつも、治療方法の選択は本人の意思である。小生がとやかく述べる筋合いでもないと判断し、懸念を伝えることはしなかった。 それからひと月ほど経って . . . 本文を読む

お寺めぐり(02)

2019年11月20日 | 出版
初めて行くところなので知る由もなかったのだが、駅から豪徳寺に向かうとお寺の裏から正門に回りこむような感じになる。門の前にある掲示を読むと、そこは彦根藩井伊家の菩提寺であり、井伊直弼のお墓もあると書かれている。井伊家といえば徳川四天王の一つにして、譜代筆頭という家柄であったと思う。それゆえ、徳川の世においては、直弼に限らず、大老職を井伊家で何人か務めているはずだ。現世ならば、さしずめ岸―安倍家という . . . 本文を読む

お寺めぐり(01)

2019年11月15日 | 出版
ある作業をすぐにでも終わらせてしまわなければならないのだけれど、なぜかまったく手がつかない。秋の日は釣瓶落としとはいう古言どおり、ボケーッとしていたらすぐに夕方になってしまう。困ったな、それなら酒でも飲もうかと駄文を書くことにする。実は某日、ある人にある事件のことを数名でうかがう機会があった。そのテープ起こしをして文章をまとめないといけないのだけれども、その作業が進まないのだ。 話の内容そのものは . . . 本文を読む

映画『ジョーカー』(ネタバレあり)

2019年11月11日 | 出版
某日、F社社長がフラッとやって来て映画『ジョーカー』の話になった。小生はまだ観てない旨を述べると、「あれは、絶対に腹巻ちゃん向けだよ」とのこと。「ネタバレになるからあんまり言わないけど、最後の方なんて喜ぶと思うよ。観ているとき隣りに座っていたのが若いカップルで、帰りのエレベーターでぼくの後ろに乗ったから彼らが話しているのが聞えてきて、女の方が『なに、この映画!結局精神異×者の妄想ってだけッ!』って . . . 本文を読む

土浦へ(02)

2019年11月06日 | 出版
故人の悪口を書いても無意味なことだとは重々承知しているものの、これだけは書き記しておこう。いまから20年以上前のことになるが、当時、北朝鮮(朝鮮)の核開発が国際的緊張を高めていた。そんなある日、先代が偉そうに曰く「核兵器なんざ怖くねえよ。机のしたにもぐっとりゃ、どうってことないんだ」げな。小学校の避難訓練かよと、小生は唖然としてしまった。さらには、原爆の悲惨さに想いも馳せられないのだから、小学生以 . . . 本文を読む

土浦へ(01)

2019年11月04日 | 出版
某日、F社社長から先代が亡くなった旨の電話があった。「エッ!」という小生の返事が、妙にうれしげな調子を帯びていたように思わなくもないのだが、おそらくは気のせいだろう。 ただし、小生が在籍した当時のF社は、本当に退屈な会社であった。それは先代の人間性に起因するところが大であったわけである。先代の能力なり、学識なりの低さはさておき、そうしたコンプレックスを抱いていた人間であったがゆえか、他者に対してす . . . 本文を読む