風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

土浦へ(02)

2019年11月06日 | 出版
故人の悪口を書いても無意味なことだとは重々承知しているものの、これだけは書き記しておこう。いまから20年以上前のことになるが、当時、北朝鮮(朝鮮)の核開発が国際的緊張を高めていた。そんなある日、先代が偉そうに曰く「核兵器なんざ怖くねえよ。机のしたにもぐっとりゃ、どうってことないんだ」げな。小学校の避難訓練かよと、小生は唖然としてしまった。さらには、原爆の悲惨さに想いも馳せられないのだから、小学生以下の認識レベルである。そんな人物でも出版業が曲がりなりにも成り立っていたのだから、ずいぶんとめでたい時代であったということである。
いかん、ひとつ記してみたら、次から次に悪口が出てきそうだ。要はこの例が示すように、ろくな学識もないくせに偉そうな態度でまぬけなことを話し出し、バカにされるというものである。しかも、そこで相手にまちがいを指摘されると、「おまえの言ってることは観念論だ」とか「おれは共産党だぞ」などと、つまらないはったりで相手の口を封じようとする。共産党員であったのは六全協(日本共産党第6回全国協議会、1955年)以前のことであるし、また、そんな口上がいまだに通用するわけがない。そして、『空想より科学へ』も含めマルエンの文献などほとんど読んでもいなかったくせに、聞きかじった観念論なんていう都合のいい言葉をふりかざす。対話の相手としてはあまりにも役不足であり、したがって、小生のF社在職中は退屈でしょうがなかったというわけだ。
そこで念を押しておきたいのは、現在のF社はそういう悪弊から解放されているということである。しかも、これで悪霊も退散されたことだし、F社はそろそろまた大ヒットを生み出すかもしれない。
こうして先代が人間用オーブンに放り込まれたので、われわれ3人はロビーで焼き上がりを待つことになる。1時間から1時間半ほどかかると、担当の方から説明があった。まだ10:30である。ヒマだ。F社社長と二人で、お清め用ドリンクを買ってくることにする。葬儀場を出てコンビニがないか探してみると、近くにセブンの看板が出ていた。そこで黒霧島のワンカップを購入し、ロビーにもどってから飲み始める。
そういえば、昔のF社といえば焼酎のお湯割が定番であった。なぜ焼酎なのかといえば、安いからである。そして、真夏のクソ暑いときでも焼酎のお湯割り。冷えたビールが飲みたいなんて口にしようものなら、「このブルジョアが!」という罵声が先代から飛んできた。小生の場合、学生時代を福岡で過ごしたので、焼酎のお湯割りには抵抗感がなかった。あの独特のにおいが苦手という人もいるけれど、その免疫がすでに作られていたわけである。そこで、オツムと人格の悪い先代にしてみれば、そのにおいをかがせて拒否反応を示す人のことを喜んでみていたところがあった。繰り返してしまうけれど、そんな会社でもよくやっていけたものだと現在的視点からは感心してしまう。
ワンカップを飲みほろ酔いとなりながらバカっ話をしているうち、係りの人から焼きあがりましたと連絡がある。焼きあがった遺骨を壺に納めるのは係りの方にお任せし、その手馴れた作業を眺めることになる。最後の喉仏だけはF社社長兄弟で納め、これで一連の儀式は無事終了。先代もめでたく地獄に落ちていったことだろう。現世での苦労がちと足りなかったようだから、地獄でたっぷり苦労してください。
それからF社社長お兄さんの車で、先代が最後に過ごしたホームの近くにある鰻屋さんへ。「ここは鰻以外もうまいんだ」とはF社社長の言。「どうせ親父の残しておいたお金だから、腹巻ちゃんも遠慮なく食べてね」とF社社長に言われるまま、小生は日本酒をチビチビ飲み始める。そして、確かになにを食べても美味しかったという記憶はあるのだけれども、なにを食べたのかの記憶がない(新潟出身なるママさんは美人だった)。しかも、そこでやめておけばよかったのに、兄弟二人が〆にうな丼を注文するから、小生も意地ぎたなく同じものを注文してしまう。そのうな丼も美味しかった。
食後お兄さんに駅まで送ってもらい、F社社長と常磐線に乗り込めばあとは爆酔となるところ、気分が悪くなり途中で目が覚めてしまう。ここはどこだとあたりを見渡せば、次は柏のようだ。柏ならばそこそこ大きい駅だ。そこのトイレを借りることにしようと、F社社長にひと言あいさつして一度降りることにする。そして階段を上がろうとしたら、ブラックアウトを起こしてしまいすべてが真っ白に見える。真っ白でブラックとはこれいかになど内心でつぶやいている余裕などない。ようやくトイレに着いたら、大の方は3人ほど並んでいる。
尾篭というかきちゃない話はカットしておくことにし、上からも下からも先ほどいただいたご馳走をぶちまけたらようやくすっきりしてきた。構内のコーヒーショップでコーヒーを飲み、落ち着いたところで再び常磐線に乗り込むことにし、ようやく帰宅できた。風呂からあがれば爆睡あるのみ。小生に取り付きかけた悪い霊は、ゲロと一緒に柏駅のトイレに流されていったことだろう。

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1 コメント

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Unknown (風雪書房高木社長の最期(笑))
2020-12-23 20:38:48
「役不足」の使い方、それでいいのかな? そんなことだからF社みたいな三流にしか入れなかったんじゃないかな。

むかしF社では社員の焼身自殺もあったね。死にたくなるのも無理はない。
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