風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

カゼをひく

2016年06月04日 | 出版
梅雨前の暑・寒い陽気が続くなかで、不覚にもカゼをひいてしまった。この時期のカゼも夏カゼということになるのだろうか。寝る前は暑かったのでタオルケット1枚で寝込んだわけであるけれど、夜半に寒さで眼が覚めてしまった。妻の布団を奪うわけにもいかず、かといって起き出して布団を引っ張り出すのも面倒なので、そのままタオルケットにくるまったままウツラウツラしつつ朝を迎える。起きてみると鼻水が止まらない。アレルギーかなと気にも留めず、ジョギングで出社したわけである。
ところが徐々に体が重くなってきた。鼻水は止まらないどころか、次々に流れ出してくる。そこでようやく、カゼをひいたかと自覚することになった。仕事どころではないけれど、某所に約束していたので、某時に出かけることにする。打ち合わせが終わって帰社したもののなにもやる気もせず、ソファに寝っ転がったまま少し寝ようとしてみる。
しかし、こういうときに限って寝付けないから不思議なもだ。人間の体というものは、どうして意思のままに動かすことができないのだろうか。寝付けないけど、ダルくて仕事をする気もしない。夕方には社内で会議の予定である。会議を中止にしとけばよかったなあと思ってはみたものの、みんなの予定もあるからそれは無理なのだ。ボケーッと天井を見上げながら洟をすすりつつ、ああだこうだとダウナーの思考に陥っていく。人間はものを考えることを止められない動物であるとだれかが書いていたような気がするけれど、だれの文章だったけな。忘れちゃった。
こうしてカゼをひくことになる数日前、この夏の暑さを乗り越えるため、干し野菜でも作ろうかと考えた。前に『チャングムの誓い』だったかで竹かごに切った野菜を広げて干し野菜を作っているシーンがあったけれど、それを見ていて「うまそうだなあ」と感じたことを記憶していたわけだ。日本でも雪深いところでは、干し野菜を作って冬用の保存食にしているのではなかったけな。ところが、わが郷里の信州・安曇野では一年を通して野菜といえば野沢菜である。干し野菜という習慣はなくはなかったのだろうけれど、記憶にはあまりない。
信州の話はさておき、漁師町なんかを歩いているとよく見かける魚の干しカゴみたいなものを、干し野菜を作るために買ってきて、そこに切った野菜を乗せてベランダに吊るしておけば一丁上がりになるだろうという目論見だ。そして夏の間にせっせと作っておけば、冬場も干し野菜を楽しめるではないかと考えているわけである。会社で食う昼飯も、干し野菜をかじっていればお金もたいしてかからない。
そこである日曜日、野菜を干せるカゴを探しに池袋のデパートをうろちょろしてみるけれど、そげなけったいなもんどこにも見当たらんとばい。ロフトにもハンズにも置いてない。干し野菜を作る網カゴなんて大きなところを探せばあるかと思っていたのに、意外に需要がないんだなあと認識を改めることになる。しかし、漁師町ではよく見かけているのである。ああ、そうか、釣具店に行けばいいのかと、上州屋に行ってみた。
すると、あった、あった。しかしまた、ずいぶんと立派なものだ。Sサイズでも40~50センチ四方の幅がある。そこでちなみに、我々出版業者は、基本的にセンチという単位は使わない。ミリメートルを基本単位としている。そのため、数字だけの表記ならばそれはミリで指しているという暗黙の了解があるので、センチで語る奴には「素人くさいやっちゃなあ」と冷たい視線を送ることになる。
話をもどして。それなりに幅はあるけれど、使用しないときは一枚に薄っぺらく折り重なっちゃうわけであるから、収納にさほど困ることはないだろうと判断し、「これ買ってよ」と妻にお願いしてみた。すると、「やだ。あんたが自分のお金で買いなさい」と意想外の反撃を食らう。おそらく、干し野菜の力をナメているのだろう。上州屋の店内で夫婦喧嘩を始めてもしょうがないから、自分の財布からお金を出すことにしたけれど、確か1000円しか入っていないはずである。値札には880円とあるけれど、消費税がかかるといくらになるのだろうか。計算ができない。
レジで恐る恐る商品を差し出すと、「950円です」げな。危ない、危ない。しかし、値付けをしている側もそこを考慮に入れていることだろう。こうしてようやく干しかごをゲットしたものの、それから数日、雨模様で野菜を干せるような状況にはなかった。そしてカゼをひいた当日、ようやくお日様が顔を出すようになった。そのため、会議を早々に終わらせてもらい、帰宅途中スーパーに立ち寄りニンジン3本入りの袋を買って帰る。
ピーラーで皮をむき、5ミリ幅くらいに全部を輪切りにしてみる。干しかごのなかに新聞を敷いて、そのうえに輪切りにしたニンジンを並べていく。まだ夜だけど、これがお日様の力でどういう味になるのだろうか、楽しみだ。まずは三日ぐらい干してみることにしよう。

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