時は文化年間(1804~1818 将軍は徳川家斉) 半席といわれる一代限りの御家人、28才の片岡直人という徒目付(かちめつけ)が主人公の 「半席」 「真桑瓜」「六代目中村庄蔵」 「蓼を喰う」 「見抜くもの」 「役替え」 の六篇からなっています。
無役の小普請組から ”逢対”(あいたい 有力者の登城前にその屋敷への日参)から やっとの思いで這い上がった 徒目付という役目。
もう一つの 勘定方に登用されれば 晴れて 永代の 将軍お目見えの旗本になれる。
いずれ設けるだろう子孫の為に旗本になる夢を 叶えたい。
そんな直人が 事件に拘わった武士の 真相が知りたいという依頼に 出世の邪魔だと始めは断ったものの 次第に応じていく話です。
お江戸の時代も200年続くと 武士も長生きするらしい。
「真桑瓜」などは 80才から99才までの役のある旗本の集まりが舞台だ。
「六代目中村庄蔵」は 一季奉公と呼ばれる 一年契約の(一応)武士の話。
「蓼を喰う」は御庭番家筋の侍の話。 御庭番とはもともとは隠密のこと。
「見抜く者」 直人の剣術の師が 74才の元大番組番士(常備兵士)襲われるわけとは。
「役替え」 ひょんなことから 直人も 襲われる。 口外出来ない訳がある。
次も 青山文平を読みます !
by 風呼
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