ピカソ・マニマニア

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” 励み場 ”  青山文平著

2019-07-20 23:41:44 | 

 

宝暦の飢饉の後の 延享元年(1744年)の話です。

『耕作専一』 (商いに頼らず 耕作のみ)にて飢饉を乗り切った名主を顕彰する報告書を書くべく派遣された 若き勘定所普請役(武士未満)の 己の持てるすべてを注ぎこむのに足りる、励み場 探しの物語です。

 

主人公、笹森信郎は 名子(なご)出身でした。

 

名子とは 武士を捨てた領主にそのままついてゆき 家来のまま使用人になった者のことです。

平和も150年も続くと 元々は武士であったものの 領地を持たない名子は 小作人よりも低い立場に置かれます。

 

信郎は 幼いころに両親を亡くし 名主の下で育ちます。

手習い所で頭角を現し めきめき出世、江戸で失った武士の位に戻りたいと 故郷を後にしたのです。

 

派遣先で 耕作専一 の筈の名主から その真実を突き止め 自分の励み場は 武士に戻ることではない と思い直します。

 

相思相愛の妻との 相手を思いやるあまりの互いの思惑のすれ違い、 あわや ~

二人を取り巻く人が それぞれの思い込みに歯止めをかけ 軌道を戻す、等 心情の描き方も見事です。

 

 

     by  風呼      

 

 

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