ピカソ・マニマニア

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”コペンハーゲン” 於・シアタートラム

2016-06-15 23:52:31 | 観劇

 

1941年 ドイツ支配下のデンマーク コペンハーゲンに暮らす ユダヤ系の物理学者 ボーア(相補性理論)の元へ 彼のもとで研究をしていたドイツ人の ハイゼンベルグ(不確定性原理)が訪れてくる。

師弟関係の二人は 同時代の アインシュタインと並ぶ 物理学者でした。

 

当時ナチス・ドイツは ハイゼルベルグを主に 核兵器を作ろうとしていた。

 

一方のボーアは ユダヤ人故に ナチス・ドイツから 監視されている。

   (原子爆弾は こんな風に ナチス・ドイツから追われたユダヤ人によって完成されるのです)

 

ドイツ人のハイゼンベルグは 理論上では作れると結論しますが それは億という装置が必要で 現実味はないと判断します。  彼の計算間違いで 実際に必要とされるのは 20万でしたが。

 

アメリカはやってのけました。 ですが 完成したのは ドイツが降伏した後だったのです。 ドイツに墜すはずだった核でした。

 

もしドイツが先に原爆を完成していたら ロンドンにおとされたでしょう。 パリでは ドイツに近すぎる。

 

1941年のこの日 以後疎遠になる 二人の間にどんな会話があったのか。

 

ハイゼンベルグをよく知る ボーアの妻を通して 繰り返し問われます。

 

この2年後 アメリカに亡命する事になる ボーアに 核を生産する是非を ハイゼンベルグは問いに来ていたのではなかったのか。 (ボーアはアメリカでマンハッタン計画の顧問になるのですが)

 

1947年に 再会を果たした二人は この日の事を 死ぬまで語りませんでした。

 

 

広島に墜とされたのは ウラニウム爆弾、 長崎のは プルトニウム爆弾。

 

ウランは自然界に 「ウラン235」 と 「ウラン238」 と呼ばれるものがあり 広島におとされたのは希少な 「ウラン235」。 一方 自然界に大量にある「ウラン238」と呼ばれるものは 原子炉で中性子を当てるとプルトニウムになるそうです。 それは原爆が出来る十分な量。 

 

 

戦後 反核運動に参加する(わざと計算を間違えたとも言われている) ハイゼンベルグに 段田安則 さん。

かつての師 ボーアに 浅野和之 さん。

ボーアの妻に 宮沢りえ さん。

 

難しい話なのに ぐいぐい引き込まれていった、 さすがの段田安則さん。

老いた感じがよく出ていた 浅野和之さん。

失礼ながら 全く期待していなかった 宮沢りえさん 声が素晴らしく 好演でした。

 

 

余談ですが 『物理学者に詩人が多い』 と我が詩師 新川和江が言われていましたが 〇〇理論とかは想像と創造がごっちゃの世界で、 詩作と相通じるものがありそう。

 

 

      

大好きなシアタートラムからの帰りには いつも玉電(トラム)に乗ります。

客席200余の 狭い劇場 林真理子さんがいらしてました。

 

       6月15日観

 

 

      by  風呼       

 

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