Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

PIERO PICCIONI / Ti ho sposato per allegria

2007年03月22日 22時31分00秒 | サウンドトラック
イタリア映画のサントラである。どんな経緯で購入したのか、さっぱり覚えていないのだが、このジャケのデザインからして、ピチカートVあたりが口火となったモンド・ミュージック発掘の走りとして、復刻されたものではないだろうと思う。このCDのとなりには、これと前後して購入した、有名な「女性上位時代」のサントラなどがも並んでいるから、購入したのは10年くらい前ということになるんだろうか。映画そのものも不明である、検索してみたところ、1970年に公開された「ゆかいな結婚」というラブコメディらしいことが分かった(日本未公開)。裏ジャケにはタバコを加えた女優が写っているが、これはモニカ・ビッティだったという訳だ。昔はこういうことを調べるには、個人の力だとキネ旬の資料本を何冊も取り出してきて、それのあちこちをめくって、やっと分かるかどうかというところだったのだが、今はインターネットでけっこう簡単に分かってしまうから、便利になったものだ。

 さて、音楽はピエロ・ピッチオーニという人で、この映画そのものもそうなのだが、どうもイタリアのB級映画専門という感じで活躍していたらしい(ヴィスコンティの「異邦人」なども担当しているが)。音楽的にはいかにも60年代のラブコメディのサントラという感じで、ヨーロッパ風におしゃれなメロディーでつくられたテーマを、ボサノバ・サウンドや女声スキャット・ボーカル、更にはジャズ・ロック風、キャバレー風なアレンジなど、様々なヴァリエーションで演奏している。こういうスタイルはおそらくフランシス・レイの「男の女」あたりをルーツとするもので、50年代から映画音楽を無数に作っているピッチオーニとしては、そのスタイルをそのまま踏襲して、手堅くまとめたというところなのだろうと思う(60年代後半から70年代前半にかけてのイタリア映画にはこの手のサントラがおそらく無数にあったんだと思う)。ともあれ、このい南仏の風景がいかにも似合いそうな、60年代ヨーロッパ風におしゃれなサウンドは、ラウンジ風なモンド・ミュージックが好きな人にはたまらないものなはずだ。

 かくいう私も80年代、YMOや大貫妙子、萩田光雄あたりが時折みせたこうしたセンスが好きで、この手の音楽を探していたクチなのだから、こういうのは大好きなハズなのだったのだが、これに出会った時には既に年を取り過ぎていたのか(笑)、いざこのサントラのような「そのもの」に出会ってみると、意外に底の浅い刹那的な音楽であったことが。わかってけっこう拍子抜けしたのも事実なのであった。この手の音楽は、刺身のツマとか隠し味で入れるからこそ良いのであって、全面的にやられてもなんだかなぁ....みたいに感じてしまい、しらけてしまったというところであろうか。以来、この手の音楽はモンド・ミュージック的の一分野として、いろいろ発掘されたようだけど、結局あまり追いかけなかったのはそのせいである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« R.シュトラウス 「メタモル... | トップ | Wes Montgomery / Movin\' Wes »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サウンドトラック」カテゴリの最新記事