昨晩、ウィントン・マルサリスの「スターダスト」を聴いたところ、あれこれ文句はつけたものの、けっこう良かったので今夜は彼のスタンダード・シリーズの第2集を聴いてみた。さっき調べたところ、彼はこれまでスタンダード・シリーズを様々な趣向で第6集まで出しているようだが、私の聴いた第3集までは....という留保付きだが、これが一番好きな作品だ。ハーリン・ライリー、ジェフ・ワッツ、マーカス・ロバーツ、レジナール・ヴィール、トッド・ウィリアムスという、第二期のレギュラー・バンドを率い、奇を衒わずスタンダードを演奏するというコンセプトのみで、あの時期のバンド・スタイルをそのまま流用しつつ、ストレートに王道ジャズを展開しているところがいい。もともと飛び抜けて実力のある秀才が集まっている訳だから、こういう8分の力くらいで演奏した方が、考えすぎでこねくり回したような演奏になるより、ずっといいのだ。
収録曲では、やはり馴染みの曲がいい。「恋をご存じないのね」は非の打ち所がない程に整った端正なバラード演奏で、マルサリスのミュートが冴え渡る。これを聴くと「新時代のマイルスは彼をおいて他はない」みたいな当時いろいろなところで読んだフレーズを思い出す。タイトル曲の「4月の想い出」は当時のマルサリス・バンドの新伝承派風のところがよく出た演奏で、複雑な構成の中にインプロをはめ込んでいくアレンジに、錯綜するリズムいう具合に当時の先鋭的なフュージョン的な方法論を4ビートでやったような感じの仕上がり。こういうのはオリジナルでやると、「やってる方は楽しいだろうね」的な独善的なものになってしまうけど、ここではスタンダードという足枷が適度な開放感を生んでいて実に気持ちよく聴ける。「エンブレイサブル・ユー」はコード進行は-多分-そのままだが、明確なテーマが出てこない絡め手のアレンジだ。「ラバー」はアップ・テンポで快調に進む、これまた新伝承派風の演奏。こういうスポーティーな演奏はさすがにこのバンドは完璧だ。
「イエスタデイズ」はさしずめアルバム中のハイライトか?。9分半に渡るバラード演奏で、「恋をご存じないのね」と同様、マルサリスのミュートが堪能できる。例によって洗練の極をいったような演奏だが、ここではマルサリスもさることながら、後半のソロを受け持つマーカス・ロバーツのソロがいい。マーカス・ロバーツといえば「イース・オブ・ザ・サン」はトリオ演奏で、これはマイルス・クインテットでレッド・ガーランドのフィーチャーした作品を収録した故知に倣ったのだろうか。個人的にはここ数年ダイアナ・クラールの歌ですっかり馴染みになっていた作品で、「ああ、この曲か」って感じでちょっとうれしくなった。という訳で、やっぱこのアルバムいい。このシリーズ、第3集がつまんなくて、それ以降は購入していないのだけれど、こういうアルバムは作ったりしているのだろうか。
収録曲では、やはり馴染みの曲がいい。「恋をご存じないのね」は非の打ち所がない程に整った端正なバラード演奏で、マルサリスのミュートが冴え渡る。これを聴くと「新時代のマイルスは彼をおいて他はない」みたいな当時いろいろなところで読んだフレーズを思い出す。タイトル曲の「4月の想い出」は当時のマルサリス・バンドの新伝承派風のところがよく出た演奏で、複雑な構成の中にインプロをはめ込んでいくアレンジに、錯綜するリズムいう具合に当時の先鋭的なフュージョン的な方法論を4ビートでやったような感じの仕上がり。こういうのはオリジナルでやると、「やってる方は楽しいだろうね」的な独善的なものになってしまうけど、ここではスタンダードという足枷が適度な開放感を生んでいて実に気持ちよく聴ける。「エンブレイサブル・ユー」はコード進行は-多分-そのままだが、明確なテーマが出てこない絡め手のアレンジだ。「ラバー」はアップ・テンポで快調に進む、これまた新伝承派風の演奏。こういうスポーティーな演奏はさすがにこのバンドは完璧だ。
「イエスタデイズ」はさしずめアルバム中のハイライトか?。9分半に渡るバラード演奏で、「恋をご存じないのね」と同様、マルサリスのミュートが堪能できる。例によって洗練の極をいったような演奏だが、ここではマルサリスもさることながら、後半のソロを受け持つマーカス・ロバーツのソロがいい。マーカス・ロバーツといえば「イース・オブ・ザ・サン」はトリオ演奏で、これはマイルス・クインテットでレッド・ガーランドのフィーチャーした作品を収録した故知に倣ったのだろうか。個人的にはここ数年ダイアナ・クラールの歌ですっかり馴染みになっていた作品で、「ああ、この曲か」って感じでちょっとうれしくなった。という訳で、やっぱこのアルバムいい。このシリーズ、第3集がつまんなくて、それ以降は購入していないのだけれど、こういうアルバムは作ったりしているのだろうか。
タイプは違うけど、アラン・ホールズワースと妙にダブるところがあって、人のリーダー・アルバムでは極上の演奏するのに、自分のリーダー・アルバムは妙に固いというか…っていうイメージがついちゃって。
オレは案外とリラックスして聴ける、スタンダードタイム第3集を一番聴いているなあ。当初ライブも面白かったのにすぐに飽きた。
> 在籍した頃からですよね。
その頃のプレイは知らないすけど、自分が知ったのはVSOPIIの頃かな、ハバードに変わってブランフォードと一緒に入ったりしましたよね。デジタル録音されたハンコック・クインテットとか良かったな。
> 人のリーダー・アルバムでは極上の演奏するのに、
> 自分のリーダー・アルバムは妙に固いというか…
演奏者っていうより、コンセプトメーカー、プロデューサー的自負心が強すぎるんでしょうかねー。
> スタンダードタイム第3集を一番聴いているなあ。
オヤジとやってるヤツですよね。自分はあれでコケた(笑)。もっともあれから20年も経ってるし、ある意味一番まっとうな作品かもしれないすね。CDラック探してみます。
> 当初ライブも面白かったのにすぐに飽きた
「ライブ・アット・ブルース・アレイ」ですかね。あれなんか凄い演奏なんだけど、今一歩暴走してもらいたいと印象あったかな。比較的最近の「ビレッジ・バンガード・ボックス〜スタンダード&モア」とか「スタンダード・ライヴ」とかどうなんだろうね?。