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ストラヴィンスキー 三大バレエ/ムーティ&フィラデルフィアO

2008年10月12日 18時42分33秒 | クラシック(20世紀~)
 ここ2週間くらい頻繁に聴いているのが、ストラヴィンスキーの三大バレエ、つまり「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」の三作品。これらの作品はなにしろ古今の管弦楽曲に屹立する有名作だし、私も大好きな作品群なのだが、自分のブログを読み返してみても、ストラヴィンスキーそのものがあまり出てこないから、多分、ここ3,4年はほとんど聴いていなかったのだろうと思う。なので、このところのiTunesライブラリ構築作業中に、当然ストラヴィンスキーということになって、ふと「ペトルーシュカ」を流してみたところ、「あぁ、「ペトルーシュカ」ずいぶん聴いてなかったな、やっぱりいいね」ということになって、あれこれ聴き始めたというところなのだろうと思う。iTunesライブラリの構築とかには限らないが、自分のストレートな欲求以外の要因でもって音楽を聴くと、思わぬ新鮮さがあったり、自分が聴きたい音楽がみつかったりもする副産物がある。

 さて、今回聴いているのは、ムーティがフィラデルフィアを振った演奏である。例のブリリアントから出ている2枚組だが(三大バレエの他にもマリナーが振った「プルチネルラ」全曲版や組曲なんかも入っている)、70年代終盤から80年代にかけてムーティがその後主席となるフィラデルフィアと組んでEMIから出した一連の作品をまとめたものと思われるが、私はこれまで未聴だったので、とにもかくにもこういう形で廉価にまとめてくれるのはありがたい。
 演奏はどれもこの時期、飛ぶ鳥を落とす勢いだったムーティらしさ全開、若さあふれる直線的な勢いとャープなドライブ感をもったものだが、おもしろいのは当時まだまだオーマンディのご威光が残っていたフィラデルフィアのブリリアントだがやや腰の重いゴージャスなサウンドが合いそうでいて合わなそうところがあるところで、金ぴかのアメ車がサーキット走ってみるみたいな、一種独特な様相を呈していると思う。

 まぁ、そのあたりはともかくとして、ここでのフィラデルフィアはやっぱ凄い。「春の祭典」第一部の激しい部分など、録音だとそうでもないが、実際のホールではさぞやバカでかい音がもの凄い勢いで鳴っていたんだろな、と思わす凄まじさがある。これより数年前にショルティはシカゴと「春の祭典」をレコードにしているけれど、あれほどの凄みはないにしても、まぁ、けっこう似ている演奏のように感じた。まぁ、こちらにはカラフルな色彩感とある種のスウィング感がある分むしろ勝っているといいたいくらいだ。「ペトルーシュカ」も猪突猛進、駆け抜けるような演奏で、この曲のワビとかサビのようなあまりこだわらずスポーティーに最後まで演奏しきっている。フィラデルフィアの演奏もオーマンディの時に比べれば、精一杯俊敏さをアピールしているのだが、やはり少しばかり重い、そのあたり齟齬がおもしろいといえばおもしいろいのだが....。前2曲に比べれると「火の鳥」はごくごく普通のロシア物に近い曲だけあって、指揮も演奏もけっこうオーソドックスなように感じた。

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