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JACQUES LOUSSIER / plays Debussy

2007年05月02日 18時09分03秒 | JAZZ-Piano Trio
 バッハをジャズのピアノ・トリオにアレンジして演奏することで有名なジャック・ルーシェですが、近年はむしろバッハ以外のクラシックの作曲家を手がけることが多く、2000年に収録されたこのドビュッシー集もそうした一枚です。ルーシェはフランス人ですし、いつものファッショナブルな音楽のたたずまいからして、フランスの印象派などはおそらく得意だったんでしょう(というか制作サイドはそう思っているに違いありません)。これの他にもサティ集や当然のようにラベルも手がけていますが、じゃぁ、これがバッハのように楽しめるかというと、けっこう微妙なんですね。

 ここで取り上げられた曲は、当たり前といっては当たり前ですが、ほとんど原曲がピアノ曲なのですが、あまりに原曲のイメージに忠実過ぎて、いつもの意外性はないし、ジャズ的なインプロビゼーションの感興といったものも希薄だという気がするんですね。その理由のひとつとして、こに収録されたピアノ曲はそもそもピアノの独奏曲として、完璧に世界が出来上がってしまっていているということがあると思います。これを全く違った楽器やアンサンブルで演奏するならともかく、同じピアノでアプローチするには原曲の完成度が高すぎるんじゃないかと思うんですよね。そもそもドビュッシーのピアノ曲は、技術的も高度なものを要求しつつ、フランス的としかいいようがない独特の雰囲気をもっていていますから、オリジナルを敷衍しつつ、ジャズっぽいインプロに移行すると、とたんにドビュッシーの世界から浮き上がってしまうように感じました。

 あと、素材が素材だけにいたしかたないともいえますが、バッハの時にみせるような豪快にスウィングする場面がないのも少々さびしいです。5曲目「喜びの島」がいくらかそれっぽいところを開陳していますが、後はオリジナルの雰囲気を尊重するばかり、結局、ドラムとベースにはほとんど存在感がなく、背景でうっすら鳴っているだけみたいな曲も多く、おフランスの音楽をおシャレなBGMとして楽しみたいというムキにはいいかもしれませんが、私には少々退屈でむしろ原曲聴きたくなっちゃいました。

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