1974年リリースのヴァージンでの第一作。フローゼがオール時代のソロを残していたのかどうか、実ははっきりしないのだが、おそらくソロ作品としてはこれが第一作となるだろう。時期的には73年の「フェードラ」と74年の「ルビコン」の間くらいに制作されたようで、実際聴こえて来る音楽も、調度両作品の狭間のようなものになっている。
具体的にいえば、オール時代のシリアスで重厚な音響に、徐々に抒情的あるいはロマンティックな情緒が浸食し始めたタンジェリン・ドリーム本体の音楽に、ほぼ歩調を合わせた趣きといってもいいと思う。まぁ、フローゼはタンジェリン・ドリームのリーダーだったから、こうなるのも当然といえば当然だろうが、ソロ・アルバムにありがちな趣味的な部分を展開したようなところが全くないのは逆におもしろい。
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