弦楽四重奏曲の第2番は、あの晦渋な第1番に比べると、親しみやすい作品とまではいかないとしても、少なくとも第1番よりは、構成される4つの楽章はそれなりに特徴がはっきりとしているし(後半のふたつの楽章は一種の歌曲みたいな様相を呈していることはいわずもがな)、全体にメリハリというか、明快な起伏のようなものがあって、わかりやすい作品になっていると思う。また、この作品はシェーンベルクが後期ロマン派的音楽から、無調へ至る過渡期の作品としても有名だが、そうした視点で聴いても、様々な要素があまり混濁せず明確に感じとれるあたりも、また分かりやすい印象を与えていると思う。
第1楽章はごくごく普通のブラームス的にロマン派風なテーマに始まるが、この部分などこの作品の前作に当たる室内交響曲などより、よほど保守的な雰囲気が濃厚なのはおもしろい。ただし、曲が静まった後に登場する第2主題は、早くもいかにも新ウィーンっぽいニューロティックな雰囲気を漂わせていて、いかにも過渡期な風情である。
第2楽章はスケルツォだが、こちらは室内交響曲に近い、切れ切れのモチーフが一見雑然と並んでいるような、ややアブストラクトな音作りになっている。かなり無調に近づいた感じだが、トリオでは再びロマン派的な風情を漂わせたりしもして、ここでも過去と現在と未来を行き交う音楽になっているように思う。
後半のふたつの楽章は、声楽付きのユニークなたたずまいのパートになっている。第3楽章は第1楽章の主題を暗示しつつ変奏曲形式で進んでいくようたが、既にちょっと前の「5つのオーケストラ付き歌曲」とは明らかに違った、その後の「期待」などと共通する、すえたような香りを漂わせた世紀末を感じさせる歌曲になっている。最終楽章は10分を超える長大ななもので、多分、ほぼ完全な無調音楽になっていると思う。なんでもソナタ形式でつくられているらしいが、無調ともなると、主題だ、展開部だのを識別するのは、さすがに私のような素人にはなかなか難しい。が、幽玄な雰囲気を漂わせた妖しげなムードはそれだけでも印象的である。という訳で、少なくとも私にとっては、一番より「馴染める音楽」ではある。
第1楽章はごくごく普通のブラームス的にロマン派風なテーマに始まるが、この部分などこの作品の前作に当たる室内交響曲などより、よほど保守的な雰囲気が濃厚なのはおもしろい。ただし、曲が静まった後に登場する第2主題は、早くもいかにも新ウィーンっぽいニューロティックな雰囲気を漂わせていて、いかにも過渡期な風情である。
第2楽章はスケルツォだが、こちらは室内交響曲に近い、切れ切れのモチーフが一見雑然と並んでいるような、ややアブストラクトな音作りになっている。かなり無調に近づいた感じだが、トリオでは再びロマン派的な風情を漂わせたりしもして、ここでも過去と現在と未来を行き交う音楽になっているように思う。
後半のふたつの楽章は、声楽付きのユニークなたたずまいのパートになっている。第3楽章は第1楽章の主題を暗示しつつ変奏曲形式で進んでいくようたが、既にちょっと前の「5つのオーケストラ付き歌曲」とは明らかに違った、その後の「期待」などと共通する、すえたような香りを漂わせた世紀末を感じさせる歌曲になっている。最終楽章は10分を超える長大ななもので、多分、ほぼ完全な無調音楽になっていると思う。なんでもソナタ形式でつくられているらしいが、無調ともなると、主題だ、展開部だのを識別するのは、さすがに私のような素人にはなかなか難しい。が、幽玄な雰囲気を漂わせた妖しげなムードはそれだけでも印象的である。という訳で、少なくとも私にとっては、一番より「馴染める音楽」ではある。
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