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シェーンベルク 浄夜(弦楽合奏版)/湯浅&アルスターO

2007年04月23日 00時05分29秒 | マーラー+新ウィーン
 湯浅とアルスター管弦楽団の組み合わせによる新ウィーン楽派の音楽は調度2年前の今頃にウェーベルンの作品集を取り上げたことがありましたけど、新ウィーン以外にも日本作曲家選輯(先日取り上げた山田耕筰もこのコンビです)とかアメリカン・クラシックスなんかもナクソスで沢山振ってますから、さしずめ「ナクソスの20世紀音楽専用ハウス・コンダクター」といったところなのかもしれません。ちなみに湯浅卓雄は1949年生まれですから、目下58歳(もっと若いかと思ってました)、指揮者の世界では世代的にも中堅といったところでしょうが、彼が専属契約したナクソスは現在世界で一番売れているクラシック・レーベルですから、ひょっとすると、小澤という別格を除けば、彼は現在世界で一番CDの売れている日本人指揮者ということになるのかも....?。

 さて、このコンビによる「浄夜」ですが、これまたずいぶんとさっぱりとした演奏となっています。これが収録されたのは98年ですから、私がもっている「浄夜」の演奏でも最も新しいものになりますが(したがって、今回の連続レビュウもこれが最後の演奏です)、もはや全くといってほど、声高になったり、激高することない、実にさっぱりとした「浄夜」という感じがします。また、これは指揮者が日本人というせいもあるでしょうが、とにかく全体が実にあっさりとし、さりげなく繊細さが行き渡っているみたいな感触があって、調度小澤が指揮したマーラーなんかと共通する、まるで冷や奴食べてるみたいな感覚がある音楽になっているような気もします。
 ちなみにオケのアルスター管弦楽団ですが、アイルランドの比較的新しいオーケストラのようで、ほとんど無名なローカル・オケですから、超一流のアンサンブルという訳にはいきませんが、良く歌いなかつ柔軟さが感じられるオーケストラ・サウンドはなかなかのもので、「浄夜」を堪能するにはなんの問題もありませんでした。それにしても、このサウンドは湯浅だからこうなったともいえなくもないと思いますから、他の指揮者がこのオケを振るといったいどんなサウンドになるんでしょうね?。

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