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The History of Blue Note / various artists

2009年03月22日 19時29分41秒 | JAZZ
 現在、iTunesStoreでヒットしているジャズ・コンピレーション。私は知人の人に教えてもらって知ったのだが、ブルーノート・レーベル70周年を記念してのもので、ネット配信限定商品としてされたものらしい。構成はごく初期のモノラル音源から、セルニアス・モンク、ソニー・クラーク、アート・ブレイキー、ケニー・バレル、リー・モーガン、ハービー・ハンコックといった黄金時代のメンツから最近ノラ・ジョーンズまで70曲(70周年にひっかけてるのか?)がクロノジカルに収録されている。収録時間は7時間を超えるから、CDにすると6枚組くらいになるだろうか?。ともかくこれで1,500円というのだから、そのお買い得感に思わずポチっと押してしまったという次第である。

 さて、内容だがまさにネット配信向けのものとしかいいようがない。当方ジャズも多少は聴くので、このアルバムに収められた曲が収録されたオリジナル・アルバムは、「クール・ストラッティン」「ミッドナイト・ギター」「処女航海」などなど、思いつく限りでも既に少なからず所有していたりするし、他ならぬわがiTunesにもライブラリ化され終わったりもしているのだが、70曲からの音源をまとめているとなれば話は別だ。そもそもCD6枚組とかいったら、曲へのアクセスが煩瑣だし、仮に収録曲全てをオリジナル・アルバムで持っていたとしても、それらをライブリ化するのはかなり気合がいる作業だろうから、ネット配信向けの商品としては最適な企画だと思う。iTunesStoreでヒットしてるのも、さもありなんである。

 おまけにこれはジャズ・サンプラーとして理想的である。ロック、ポップ系の音楽なら1曲4分とかだから、CD1枚70分でもサンプラーとして十分機能するが、ジャズとかクラシックになると1曲が長いので、CD1枚のサンプラーというのは、楽曲ひとつをフル収録すると、曲が少なすぎてカタログとしてヴァリエーションが寂しいし、途中でフェイドアウトとかしてしまうと、そもそも聴く気がおこらないしで、クラシックやジャズのサンプラーは中途半端なものが多かったように思うのだが、これなら精神衛生上満足感もあるし(笑)、コンピレーションとしての価値もあろうものである。もっともあの曲が入ってない的な不満は、当然出てくるだろうが....(マイルスとキャノンボールの「枯葉」が入ってないとかね-笑)。

 ついでに書くとこのアルバム、DRMフリー、iTunes plusの商品なので、コピーや再生などが基本的に制限がなく、iPodなどへの運用がラクチン、ビットレートは256kbpsで収録されているから、自宅でそれなりのシステムで再生しても、CDに多少劣る程度の音質が期待できるというのもいい(※)。という訳で、繰り返しになるが、良い企画のアルバムである。若い世代にとって音楽のネット配信というのは、別に不自然でもなんでもないだろうが、現在のCDの主たる購買層である中高年といえばなかなかそうもいくまい。そんなオッサン向けにこういう商品が沢山でてくると、音楽のネット配信というのも、世代を超えていよいよ加速度的に普及してくるのではないか。なんてまだ一曲も聴いてないうちに書いてしまった....って、未だ聴いてなかったんかい(笑)。



※ ネットで配信されたソースは回転メディアを通さずコピーされているから、正真正銘、ストレートにデジタル転送したデータともいえる訳で、その分、音質的にも期待できるという人もいるようだ。

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5 コメント

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re:The History of Blue Note (ナンデ)
2009-03-22 22:41:13
>(マイルスとキャノンボールの「枯葉」が入ってないとかね-笑)。

ホントに入ってないのかと思った。入ってますよね??

>※ ネットで配信されたソースは回転メディアを通さずコピーされているから、正真正銘、ストレートにデジタル転送したデータともいえる訳で、その分、音質的にも期待できるという人もいるようだ。

このせいなのか、どうなのか、確かに以前の128kbpsでも自分で取り込んだ同ビットレートのものよりは音が良いような気がしたのも確かです。

でも、こうして70曲1,500円の味をしめると、1曲150円という普段の相場がホント高価なような気がしてしまいますね。
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Re:re:The History of Blue Note (BlogOut)
2009-03-23 00:10:40
> ホントに入ってないのかと思った。入ってますよね??

確認したところ、ありゃー、入ってますね、告白すると、さっきは「Cannonball」ではなく、「Miles」で探していたのです。ありがちなミス....でもないか(笑)。どうも失礼しました。そうだよね、ブルーノートで「サムシング・エルス」から「枯葉」が入ってなくちゃぁなぁ。

> 確かに以前の128kbpsでも自分で取り込んだ同ビットレートのものよりは
> 音が良いような気がしたのも確かです。

回転系メディアを介さない分ストレートに転送されているからの他にも、出典不明ですが、iTunesにおいてあるソースは、なんでも圧縮音源用のリマスターしてあるらしく、そのため「iTunes Storeの音源は何故だか音がいい」という人もいますね。自分のシステムでももともと256kbpsなら、普通に聴いてる分にはほとんどCDとは遜色ないですが、確かにiTunes Storeの音源はビットレート比だけでなく、張りのある良い音のような気がします。

> 1曲150円という普段の相場がホント高価なような
ですねぃ。クラシックだと最近は激安ボックスが多くて、一流レーベルの一流アーティストのヴァイオリンの名曲ばかり集めたの35枚組が7000円だったりましす。一枚200円ですからねぃ。2500の国内盤はおろか、1500円でも単体CD買うのがアホらしくなりますねぃ。最近は国内盤の紙ジャケとか、今はやりの高品位CDとか高級品で手がでません(笑)。
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オレのスネは枯れ枝 (ナンデ)
2009-03-23 14:22:21
>告白すると、さっきは「Cannonball」ではなく、「Miles」で探してい
>たのです。ありがちなミス....でもないか(笑)。

内心、まさかな…?とは思っていたのですが、思いっきりベタじゃないですか(笑)!

ただ、やはり、「マイルスの枯葉」で通じちゃっているし、制作側も実際にそれを狙っていたフシも証言から出てるし、日本の人気盤とアメリカのそれは必ずしもぴったり一致するワケではないようですけど、ことこの曲に関しては外せませんよね。

>はやりの高品位CDとか高級品で手がでません(笑)。

ああ、もう、全然無理!
子どもらが大学出て働くようになったら買ってもらおう!と思ってます。はい。


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彼は枯葉 (BlogOut)
2009-03-23 17:33:10
> 日本の人気盤とアメリカのそれは必ずしも
> ぴったり一致するワケではないようですけど

 よくわかんないけど、「枯葉」って曲をこんなに偏愛しているのは日本だけじゃないすか?。いや、欧米でももちろんスタンダードではあるんだろうけど、日本だと「大スタンダード」ですもんね。それが証拠に日本発の舶来ジャズ・アルバムだと、もうお約束って感じで入ってるもんなぁ。グレート・ジャズ・トリオにマンハッタン・ジャズ・クインテット、アルファ・ジャズ、ヴィーナスのあまたの作品とか、枚挙にいとまがないって感じ。ただ、ジャズ・ミュージシャンにとって「枯葉」ってのは、すでに手垢のついた素材になっているのか、キャノンボール級の演奏はそうそうないですよね。

 公的にも、私的にもこれに匹敵する「枯葉」といったら、ウィントン・ケリーにビル・エヴァンス、バディ・デフランコ、チェット・ベイカー、あと正真正銘のマイルス(「イン・ヨーロッパ」の方)、ボーカル物だとナット・キング・コール、近年のホームランはやっぱキース・ジャレット。あと、チラっと「枯葉」のフレーズだして、その後、どっかにいっちゃうチック・コリア・アコースティック・バンドとか、それこそ「枯葉」のテーマが出てこないサラ・ボーンのスキャットとかは異演のくちだろうけど、おもしろかったっす。
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re:彼は枯葉 (ナンデ)
2009-03-23 20:07:12
いやあ、オレもよく分からんけど、クラシックの「ジュピター」ほど日本人好み度数?は高くないんじゃないかな?

でも、確かに日本企画盤に入っている確率は相当高いですね。

>それこそ「枯葉」のテーマが出てこないサラ・ボーンのスキャットとか

これは、確か友人に聴かせてもらったことがあるけど、後に雑誌か何かで、「ホーンものの枯葉」に分類されていて、なるほど!と納得してしまった。

さすがに、いつまでも枯葉っていう訳にもいかないだろうから、この10年くらいに、ハンコックがやったように新スタンダードが提案されてきてるけど、ブラッド・メルドーのレディオヘッドなんかは面白かったです。
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