Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ハイドン交響曲第33番「儀典官」/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2009年11月25日 23時57分14秒 | ハイドン
 33番の第1楽章はヴィヴァーチェ、最初から飛ばしてます。この時期の交響曲といえば、第1楽章はたいていアレグロですが、個人的にはこのくらい性急かつ溌剌と始めた方が、現代人の私には心地よく感じられます。非常にはつらつとした勢いがあるものの、どちらかというスポーツ的な運動性とかいうのではなく、雅やかで宮廷風、絢爛で華やいだ風情が強いのが特徴でしょう。それはまるで王侯貴族の祝い事かなにかで催される盛大な宴のスタートみたいなイメージみたいな感じ。また、先の32番ほどではないにしても、ここではティンパニがけっこう活躍しますが、これがまたいいアクセントになってます。また、しっとりと落ち着いた第二主題は、この楽章の格調高さに一役買っているのもいい感じ。

 第2楽章はアンダンテでオーソドックスな緩徐楽章ですが、ハ短調のせいもあるんでしょう、夜会的というかセレナーデ的ななひんやりとした落ち着きが感じられれます。第1楽章は4分弱でしたが、こちらは5分半で全楽章中最長、じっくりと進みます。第3楽章のメヌエットも特にほぼパターン化された古典様式の音楽ですが、第1楽章と呼応しているのかティンパニがいいアクセントになってます。トリオのシンコペしたリズムはおもしろいですが、それらも含めこちらは2分半であっという間に終わります。最終楽章はほぼ第1楽章の宮廷の宴的な雰囲気に戻りますが、こちらはヴィヴァーチェでもプレストでもなくアレグロ、こういうのはハイドンらしいバランス感覚なんですかね。ここでもティンパニがドシンとかなり強烈な効果を出していますが、よく出来た第1楽章に比べると軽く流した....という感がなくもありません。

 という訳で、この曲は前半の2つの楽章の出来が良く、特に第1楽章の華やいだ雰囲気はかなり気に入りました。ニックネームについてはそれにあやかって「儀典官」。儀典官というと、現代の日本にも外務省なんかいると、こういう名の役職があるようですが、私のイメージしたのは、宮廷の宴儀で開始の時や、料理が運ばれくるとかけ声をかける、実にあの時代らしい役職の方ですね。なんか昔、映画だか小説だかで知ったんですが、調べみたら、こうした宮廷時代の儀典官は金色の鍵を首からぶら下げてそうですが、まぁ、こういう人が、気取った貴族達を尻目に宴を格調高く仕切っていたんでしょう。そういうイメージでつけてみました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブラームス ピアノ四重奏曲 ... | トップ | ウィントン・マルサリスの肖像 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ハイドン」カテゴリの最新記事